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、、、ん?


「ど、同性?」

『同棲、です。』


なんだと?


『3階が空いてるので、3階使っていいですよ。2階は俺の部屋だから、何かあったらすぐ行けると思う。』

「、、???」


よくヨーロッパにありそうな、横にではなく縦にながい家が、横をズラリと連なっている。


「さん、かい、、、」

『、、、w』


とんでもない勘違いをしてしまった。怒涛に顔を赤くして、言い方が悪い蓮を横目に今直ぐ帰国したくなってしまう。


同棲とか言うから!言うからてっきり一緒に寝るのかと思ったじゃん!?


「はぁ、、、。いちいち反応困るんだよなぁ。」


一気に疲れを溜め、どっとする。


玄関を開けてもらい、室内の暖かい空気が頬を伝う。ドイツに着いてから、色々と緊張していたものの、家庭感のあるオシャレなインテリに、ほぐらされる。


玄関に入って右を向くとリビングがあり、その隣にはキッチン、ダイニングといったごく一般的であった。


だが侮ってはいけない。螺旋状の階段を登り3階につくと、白い枠で造られた出窓が一直線先にあった。


そこから差し込む光は、異世界によくあるヨーロッパ風の窓を通過する。その光は、一段と暖かく感じる。


『どう?良いでしょ』

「えぐ、、、。え、ここ住んでんの?」

『はい。まぁ数ヶ月前は日本に滞在してたよ』


ちゃんと必要最低限の棚やベットが置いてあり、客人がいつ来てもいいよう備えられているようにも思える。


日本とは違う、まるで異世界のような室内ほどではないが何処か安心感が漂うその空気感に、手と肩の筋肉が緩んでいく。まさに、新生活の第一歩としてはとても有意義である。


家に人がいるだけでも、これほどに感じたことのない安心感がある。ましてや、蓮という圧倒的安心感のある人物がいる時点で、少なかろう自信がついた。


「え、蓮、、、。今言うけど、明日何時に起きるとかある?」

『明日は無いですよ。』


できればこの街並みをごまんと拝見したいものだ。荷物を置いて1階まで行く。


『、、、あ、言い忘れてた。明日慧兄さんがきます。』

「え?」


ウソでしょ?


ダイニングで椅子に座り、見物していると思ってもいなかった出来事に驚きを隠せない。


慧兄さんってあの、口悪い人、??


どう接するか迷う時点で、己のコミュニケーション力が著しく低下していくのが分かる。


「その人も、ドイツ語喋る訳では、、、?」

『確か、ドイツ、フランス、英語、中国、韓国が喋れた気が、、、』

「えチートやん。え、そんなすごい人なの?」


キッチンで後ろ姿を見せながら、お茶を準備する彼の手は、迷いがなく 無駄もなかった。


この空間にあの人ぶち込んでくるかぁー


『一応、あの方は常務取締役の方ですけど、あまりにも馴れ馴れしいものでね。』

「n、、、ん?え?、ちょ、。」


危うく聞き逃しそうだった超インポータントな情報。あの礼儀なんてものが遥か遠くに置いてったような、あの、、、あの人が、!?


今日で驚くのはこれで何回目だろうか。よほどのことがない限り、驚やしない自分でも疑うほどに大きな反応をしている。


コトリと音を鳴らして置かれるお茶には湯気。

目の前に対面する形で座る蓮の様子を見ていると、徐々に落ち着いてくるも、あの男がちらついてくる。


『もしお腹が空いているならば、これ食べて良いよ。』

「おっ、初めて見た、何これ。」

『俺特製クッキー。』


微かだが甘い香りは漂ってきた。特定の菓子の香りではなく、西洋菓子のもの、としか言えなかったが、彼の腕の冴えがわかるいい匂いだった。


『慧さんってどんな人なの?』


蓮が少々眉を顰め、顎に手をあてる。


『口悪くて、いつか本気出すって言って出してない人。 』

「、、、なんか初対面でもそんな気がしたわ。もっと具体的には、、、?」

『うーん、一言で言えば、、、普段は正直に言うけど実際素直じゃない人?』

「そう、そう!そういうの求めてた。」


?を頭上に浮かべ 首を傾げる蓮の目の前で、案外そういう一面もあるのか。フッおもしれー男と謎の納得をする。

確かに、彼(慧)の少し砕けていても尚、自信に満ちた堂々たる口調は、密かに感じる豊かな知性とそれに相応しい社会的地位を掌にしているように見えた。


ああ見えて、五◯悟のような最強キャラなんだろうな。


この場にいない慧に、彼の前では迂闊な真似はできまいという、おぞましい圧が優斗を覆う。




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