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※さ、さんぜん…これは下手なの書けなくなりましたね…予想以上で通知見た時桁見間違えてるかと思いました。見たい展開とかあれば遠慮なくコメントしてくれると嬉しいです。そして、主は学校の中間テストがピンチなので、毎日は更新できなくなってしまいます。ご了承ください
飯綱は、凛太郎と別れ走っていた
「(まじどこ行った…?道満さんたちも、こんな感じだったのか…?)」
帰りに何か買って行こうと思った飯綱。しかし、ある事に気づく
「ここ…マフィアが2つあるんだよな…?」
マフィアがいる街というのは、裏社会に身を置けば置くほど判別できるようになっていく。飯綱はまだ5年しか経っておらず、マフィアとしては経験が浅い方なのだ。しかし、飯綱の勘はよく当たる。朱雀からも動物見たい、という評価である。そんな飯綱は、マフィアが街にいない事に気づいた。1人もいない、というわけではないが、少なすぎる。マフィア達は、自分たちのシマを守るために常に数百人単位で警戒に当たる。マフィアのほとんどの仕事は、巡回である。それなのに、ほとんどマフィアが巡回していない。2つもあるにしては不自然である。というのも、今回の飯綱の仕事はキナ臭くなってきたこの街を視察する事だった。迷子探しとは相性が良かったのだ
「…まさか」
一つの可能性が飯綱の頭に浮かんだ。勉強はできなくとも、こういう事は道満から徹底的に叩き込まれた。なぜなら、それは知らずに破ってしまうものであり、うっかりで裏の人間は死ぬ
「…暗?俺だ」
飯綱は、暗へ電話をかけた
『飯綱君?迷子探しの途中では?』
「あ〜その事でなんだがな、壊頭會のアジトってすぐにわかるか?」
『分かりますが…何するつもりですか?』
「…想定しうる最悪の事態だ」
『なるほど…あり得ない話ではないですね』
「ああ。コトが長引けば、巻き込みかねん」
『分かりました。飯綱君、前に少し歩いてください』
「お、おう…」
『すみません、逆です』
「え?」
『アジトと』
「…なんで?」
『君のスマホ、GPS入れました。迷子になったら困りますし』
「それで俺が進んでる方がわかるのか」
『はい』
暗が飯綱のスマホにGPSを入れたので、朱雀と道満が用意している捜索・救助リュックはほぼ無意味となっている事に、本人たちは気づいているが、飯綱だ。電話をかけまくってバッテリーを使い切る未来しか見えない2人は、リュックに入れる品数やバリエーションを日々厳選している
「任せたぜ〜暗!」
『了解』
「あ、それと…迷惑ついでに頼まれて欲しいことがある」
貨物倉庫の中では、男女が縛られていた
「あわわわわわわ…」
「落ち着きぃ晴明君。大丈夫」
「荊棘さ〜ん」
「おい!黙ってろ!!でないと…」
荊棘の前に、ナイフが突きつけられる
「綺麗な顔に傷がつくぜ?」
「…」
「やい!荊棘さんになにすんだ!!!!」
「ごちゃごちゃうっせぇ!ぶっ殺されてぇのか?!あああん?」
「ぴぃ!すみません、命だけはご勘弁を…!」
イキって強がってでたものの、やはり怖かった。晴明の苦手な物ランキング1位は紛れもなく不良やヤクザといったいわゆるガラの悪い人達だ
「(怖いよー泣きそう〜…)」
晴明は今にも精神的に限界を迎えようとしていた
「た、」
「あ?」
「助けてー!凛太郎君ー!!!!!!!」
否、たった今、晴明のメンタルは限界を迎え、大声で叫んだ
「おう!…つっても、凛太郎じゃねえけど」
「ああ?んだテメエ!!」
入り口には、数時間前に出会った少年が立っていた
「飯綱くん?!」
「誰?!」
「あ、えっと、友達の秦中飯綱君です」
「今?!」
呑気に紹介を始めた晴明に、荊棘は思わずツッコミを入れた。いつもは弟の役なので、新鮮な気分を味わっていた荊棘だった
「あーあーこりゃまた…面倒な事に」
「テメェ俺らが誰か知っててカチコミにきたってかぁ?ああん?!」
朱雀や道満の背中を見ていたからだろう。敵を前に余裕をこく癖が飯綱にうつっていた。だが、飯綱はこれをすると敵が勝手に我を忘れて殴りかかってくることを学んだので、手取り早くすませたい時はよく使う
「知るか。そもそも、俺はダチ連れ戻しにきたんだよ」
「飯綱くぅ〜ん…!」
「だから、さっさと…失せろゴミムシどもが」
「飯綱君?!」
「このガキー!!! 」
飯綱が裏社会的(煽り)スマイルを向けると、やはり触れてはいけないものに触れたらしい。マフィア達が一斉に襲ってきた。すると、飯綱は一直線に荊棘達の椅子を破壊した。
「怪我ないな?」
「飯綱くーん怖かったよー」
泣きつく晴明
「で、あんたが、荊棘さん…だよな?」
「せやけど…」
「飯綱くん!前見てって!!」
飯綱は、マフィア達の攻撃を避けながら確認をとっていた
「まあいい…とりあえず下がってろ!」
「飯綱くん!」
武器がないのが痛かった。ナイフはもちろん出てくるし、なんなら発砲もされている。しかし、飯綱には道満&朱雀仕込みの体術に、天性の才を持っていた。体術のみでも、マフィア達を圧倒した。後ろから発砲された銃弾を避け、首に蹴りを入れ、意識を刈り取る。続け様に襲ってきた二人組も、腹に掌底をめりこませた。その勢いのまま押し飛ばし、続いてきた敵を倒した。連携を崩し、時間的な余裕ができれば、それは飯綱の得意な形であった。速さを活かし、敵の懐に飛び込み、アッパーを決め、後ろから来ていた敵もノールックで顎下に蹴りを入れた。アッパーを入れ、思いの外粘った構成員の肩にのり飛ぶと、次々と敵から敵へと飛び移って行った
「すごい…」
流れるような飯綱の戦闘に、荊棘達は驚いていた
「っ晴明君!」
「うわああ!」
しかし、せめて2人を。そう思った構成員達がいた。荊棘も体勢を整えようとした…が、荊棘は、飯綱の腕の中におり、飯綱は上体をそらし、荊棘を横抱きにした状態で連続でバク宙をし、最後は綺麗に着地した。晴明は、飯綱におぶられていた
「すまん。大丈夫だったか?」
「すごいね!」
「あ〜まあ、昔から運動だけはできたしな」
バツが悪そうに答える飯綱。そして、飯綱は荊棘達を助けに戻ったがために壁際に追い詰められていた
「…仕方ねえ、離れんなよ」
そういうと、飯綱は向かってきた構成員をこれまた見事にのしていった。マフィア達は、飯綱を追い詰めたつもりだったが、どうだろうか。飯綱は壁を使い悠々と攻撃を避けていく。壁を蹴り、宙に舞う飯綱。それはもう綺麗だとさえ感じさせる飯綱に、荊棘は魅入っていった
「ぎゃっっ!!」
晴明が悲鳴をあげたかと思えば、自分は飯綱の背中に匿われていた。晴明は、飯綱に頭を下げられていた。元々2人の頭があった場所には、ナイフが飛んできていたのだ
「…!飯綱くん、手が…!血が…!」
「気にすんな」
ナイフは、荊棘達の頭を突き刺すように向けられていた。晴明の頭を下げさせた右手。じゃあ、左手は…?
飯綱の左手は、前に突き出されており、ナイフが左手を貫通していた。飯綱はなんてこともなさげに、先ほどまで通りの声だった。飯綱は、すぐさまマフィアを気絶させると、ナイフを左手から引き抜いた
「っっ…」
呻き声を殺しているのだろう。しかし、荊棘には、しっかりと聞こえた
「…あかん!逃げて!!!」
「あ…?なんだよ、急に」
「このままじゃ、」
「大丈夫」
荊棘の声を遮り、飯綱は太陽のような笑顔を向けた
「俺、強いから」
「そうやとしても、!」
「大丈夫」
先ほどより、柔らかい笑顔を向けられた
「俺ね、医者に行きたくないんだ」
「へ?」
かなり唐突な話題に変な声が出た荊棘
「確かに、痛いけど。だけど、それでダチを…ダチの身内見捨てるのは、違う」
さも当たり前のようにいう飯綱だったが、荊棘にはわかる。その言葉を言えるようになるまで、どれほど苦しい思いをしたのか。そんな強さ、一朝一夕では身につかない
「だから、俺を信じて」
そういうと、飯綱は叫んだ
「暗!誠!」
「んだそれ!やっちまえーーーーー!! 」
「お、お頭!2人が…いません!!!! 」
「な、どこへ行った?!」
「はっははははははは!」
飯綱は、高笑いを始めた。全て作戦通りの結果になった
「はー…ざーこ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!生きてる事後悔させてやるよ!」
「やってみろ…雑魚共」
今度は、道満直伝前髪をかきあげながら言葉の声のトーンを下げる道満流(裏社会)スマイルを浮かべ、飯綱は倉庫の外へ走って出た。こうして、飯綱vs壊頭會の鬼ごっこが開戦した
一方
「…行きましたね」
「んんーーー!」
倉庫の柱の上には、暗と誠によって晴明と荊棘が挙げられていた。混戦の最中、飯綱に敵の意識が集中した瞬間に、滑車にベルトを固定した暗が2人を抱え誠によって引き上げられていたのだった
「すみません。そろそろおりますか」
「え、どうやって…?」
地面まで4メートルはある
「どうって…飛びっっおりるだけです」
「大丈夫ー受け止めるから」
「いつのまに?!」
目の前で暗が飛び降りて見せ、いつのまにか誠も降りていた
「いくで!」
「ちょっっ〜まってえええええええええ!」
荊棘に手を握られ、ついでに一緒に飛び降りる事になった 晴明は、悲鳴をあげた。しかし、暗も誠も軽々2人を受け止めた
「誠くん、急いで飯綱君との合流地点へ」
「暗くんは?」
「飯綱君のところに行ってきます」
「わかったよ…気をつけて」
「待って!危ないよ!」
誠は送り出す気だったが、晴明は違った
「危ない…?それは飯綱君の方でしょう」
「ひっっ…」
「暗」
苛立つ暗。そのオーラは尋常ではなかった。暗にとって飯綱は、親友であり、唯一の理解者とも言える存在だ。そして今は命の恩人でもある。信奉者といっても過言にはならないほどに、心酔している
「ふー…サポートしに行くだけですよ。俺がいたら、足手纏いですし」
「暗…お前、まだ」
「それに、帰ってこれない気が…」
「あ…マジ頼むわ…」
遠い目をする2人
「?どうしたの」
「飯綱君…漢字読めないんですよ」
「「え…」」
「酷かった…マジで」
誠は、第15回からの参加だった。しかし、下手をすれば勉強や訓練よりもしんどかった。そして、飯綱はもしかしたら自分よりだいぶ年下なのでは、と勘違いをし始めた晴明と、人は見かけによらないと身をもって学んだ荊棘が、そこにはいた