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続き
雨花「ふぅ……みんなダンスパーティー会場まで移動してるね〜橙ちゃんたちも行ったかな?」
雨花は相変わらずハロウィンパーティーのみ回りをしていた。
雨花「ダンスパーティーに行ってる人……みんな目がキラキラしてる〜あはっ!楽しそう!…………」
ああいう楽しそうなところは
いちゃいけないような
いたくないような気持ちになるから
苦手なんだよな
雨花「……あは。超最低。わたし。まぁ今に始まったことじゃないけど」
雨花が「何も映っていない目」で引き続きみ回っていると……
紅緒「雨花さーん!!」
茜「雨っち〜」
紅緒と茜の声が近づいてきた。
雨花「どったの?紅緒ちゃん、茜ちゃん」
紅緒「雨花さん、ダンスパーティー行かないんですか?」
雨花「うん!相手いないし〜」
茜「ワタシたちも相手いないんだ〜行くだけ行ってみようよ〜ダンスパーティー!」
雨花「いや、わたしはいいや!二人で楽しんできなよ」
紅緒「ダメです」
雨花「え?」
茜「うん。ダメだね」
雨花「どゆこと?」
紅緒「私たちが許せないんです。雨花さんを置いてきぼりにするのを!」
茜「雨っちがダンスパーティーに行きたくないって言うならワタシらは雨っちを強引にでも連れてくよ。ワタシらのエゴを貫き通す……そう言ってたの。雨っちはかなり強引に引っ張らないとワタシらの方に来てくれないって。桃っちが」
雨花「…………」
紅緒「何がなんでも来てもらいますよ!雨花さん!!私たちにとって雨花さんは……」
「「必要な人ですから!!」」
雨花「…………」
変な人たち
雨花「どうせ断っても付いてくるんでしょ?……分かった。分かりました。」
紅緒「じゃあ……!」
雨花「はいはい行く行く〜」
茜「よっしゃ〜じゃあワタシらも一緒に行くわ。……雨っちにはこれ〜」
茜は桃時が作った雨花のハロウィン用仮装服を雨花に渡した。
雨花「……桃時ちゃん策士だなぁ……あはっ」
紅緒「では行きましょう!!」
茜「りょ〜」
雨花たちはダンスパーティー会場に向かった。
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橙「雨花さん来るでしょうか……」
桃時「必ず来るわ。その前にあんたたち踊ってきたら?」
瑠璃人「////橙、い、良いか?」
橙「は、はい!////」
瑠璃人は橙の腰を持ち、橙は瑠璃人の肩を持って踊り出した。
瑠璃人「まさかこんなところで社交ダンスのレッスンが役に立つとはな〜」
橙「私もです。習っておいて良かったですね」
桃時「うーむ……」
兎白「どうしたんだ?桃時」
桃時「こんな品のある曲踊りづらい……DJ〜」
桃時はコインをDJの方に弾き飛ばす。
桃時「ノリの良い曲お願い〜」
桃時はDJにウィンクする。DJは頷き、曲が変わった。
桃時「さぁ!踊りましょ!」
兎白「あぁ、一緒に踊ろう!良いなこの曲。ヒップホップでも踊ろう!」
桃時と兎白が一緒にダンスを踊り始めると、周りの雰囲気が変わり、好き勝手に踊り始めた。
橙「砕けたダンスも良いですね!」
瑠璃人「社交ダンスよりこっちの方が好きだな!オレは!」
桃時「うふふっ、この学校で堅苦しいダンスは似合わないわ〜」
バタン
雨花「おぉーなんかノリノリ系の曲が流れてる〜」
紅緒「桃時さーん!連れてきましたよ!」
茜「好きだわ〜この感じ、雰囲気とか」
橙「雨花さん!!」
兎白「雨花」
瑠璃人「雨花!!」
桃時「来たのね!雨花!」
雨花「えぇえぇ来ましたよ〜」
紅緒「じゃあ私たちは海音さんのところ行ってますね」
茜「じゃあねぇ〜」
紅緒と茜は邪魔するなかれと去って行った。
橙「じゃあ踊りましょう!皆さん手を繋いで!」
瑠璃人「おうよ!」
兎白「良いなこの感じ!」
雨花「こ、こう?」
桃時「そうよ〜そんな感じでっ!」
雨花、橙、桃時、兎白、瑠璃人は手を繋いで輪になって踊った。こうして桃時がDJに頼んだ曲のダンスはダンスパーティーが終了するまで続いた。
???「では、ハロウィンパーティーを一番盛り上げた者には「お願い事」を言う権利が授与されます」
ステージの上でマイクを持ち、話しているのは「雫」だった。
雫「最も盛り上げたのは、この五人組!」
「「雨花と橙と桃時と兎白と瑠璃人!!」」
雨花「あら」
橙「ほ、本当に?」
桃時「マジで?」
兎白「なんと……」
瑠璃人「やったぜ!」
みんなもパチパチと拍手している。
雫「しかし、「お願い事」は君たち五人のうち一人しか聴いてあげられない。すまないね」
橙「じゃあ桃時さんはどうですか?」
瑠璃人「そうだな!この五人で集まれたのは桃時のおかげだし!」
兎白「俺もそれが良いと想う。桃時は沢山考えたんだろうしな」
桃時「……雨花は?」
雨花「…………そうだねぇ〜」
雨花は考える。
雨花「最初は……自業自得なんだけどこういう楽しい空間苦手になってたんだ……でも……来てよかったって想えた気がする。」
「「ありがとう。桃時ちゃん」」
雨花の目は相変わらず、「何も映っていない目」だが、取り繕いつつもほんの少し本物のような笑みを浮かべた顔だった。
桃時「!、えぇ!!」
兎白「じゃあ決まりだな」
桃時は壇上へ上がる。
雫「じゃあ「お願い事」をどうぞ」
桃時「アタシの「お願い事」は……」
「「みんなで写真を撮りたい」」
橙「みんなで……」
兎白「写真を……」
瑠璃人「撮りたい?」
雨花「あぁなるほど」
雫「確かに妖怪たちは普通のカメラには写れないからね。良いだろう」
雫はどこからかカメラを取り出すと、壇上にセットした。
雫「さぁみんな!集まって!」
橙「はい!」
桃時「まさか本当にできるなんて……」
兎白「楽しみだな」
瑠璃人「みんなぎゅぎゅっとしろ!!」
雨花「…………」
こんな風に学校のイベントを
こんなに沢山の人と過ごす日が
来るなんて
雫「はい撮るよ」
カシャッ
想わなかったな
写真は生徒全員に贈られたそうな。
こうしてハロウィンパーティーは成功し、
『トウヒガ学園』は人間と妖怪が過ごしたという確かな証を初めて刻むことができたのだった。