episode.2 「彼女の話」
テーマ:「届かない想い」・「嫉妬と抑制」
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「ねぇ、女の子ってさ、プレゼントもらうとき、どういうのが1番嬉しいんだろう?」
そのメッセージを見た瞬間、息が詰まった。
手が止まり、スマホの画面がぼやけて見えた。
ーーまた、彼女の話。
「うーん…..気持ちがこもってれば、なんでも嬉しいと思うよ」
そう返すと、すぐに既読がついた。
でも、返事はしばらく来なかった。
その間、私は彼のプロフィール画面を何度も開いた。
ゲームのクリップ、猫の写真、そして最近のストーリ
どれも、私の知らない日常で満たされている。
夜中、ゆあんから返信が届いた。
「そっか、ありがとう。えとってやっぱ優しいな 」
その1文だけで、涙が出そうになった。
優しいなんて言葉、欲しくなかったのに。
それは、まるで”友達でいて”の別の言い方みたいで。
私はスマホを伏せて、天井を見つめた。
春の夜気が窓から入り、少し冷たかった。
それでも心の奥は、痛いくらいに熱を持っていた。
「ねぇ、ゆあん。私は優しいんじゃなくて_ 」
言葉は、喉の奥で散って消えた。
コメント
3件
皆さん、遅くなりすみません ✌🏻話完読ありがとうございます!! 皆さんのおかけで☝🏻話と✌🏻話のいいね💗が、500いいねをどちらともいただくことが出来て、本当に嬉しく思ってます!! ありがとうございます🙇🏻♀️💖🙌
テーマがあるの、最高です えとさん、切ない🥲 続き楽しみです