この作品はいかがでしたか?
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初っ端は類司カイです(多分)
カイト兄さんが絶対言わないこと言ってたり病んでます
そしてトンデモの歌詞でてくるよん
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「うーん、ここの演出はもっとこう…」
すごく賑やかなワンダーランドのセカイで真剣に考え事をしている彼を今日も見つける
「やぁ、類くん今日も演出の考え事かい?」
「あぁ、カイトさんお邪魔させてもらってますよ」
「全然大丈夫だよ」
「今日は結構いいアイディアが浮かんでくるもんでね、どんなショーで使おうか楽しみだなぁ…」
そう言ってニヤッと笑い類くんはまた作業に戻る
僕はこの笑顔が好きだ
ショーのことを考えてる類くんはすごく生き生きしていて輝いてるように見えて
少し羨ましくも思う
僕は自分が楽しみたいのではなく、見てくれる人やショーをやるみんなに楽しんでほしいから考えているのであって、僕自身のためにはあまり考えたことがないからだ
「類くんはいつも楽しそうだね」
ついそんなことがもれてしまう
「え…?」
「あ、ごめん!なんでもないよ!」
「…カイトさんは楽しくないんですか?」
「うーんと…」
僕が考えているうちにぬいぐるみ達が集まってきていた
「カイトさん遊ぼ〜」
「鬼ごっこしよ!鬼ごっこ!」
「え?ちょっと待っててね?」
「えぇ〜今がいいの〜!」
「……ごめん類くん僕行くね」
「待ってくださいカイトさん!」
そう言って僕はその場から離れた
類くんが呼び止めていたけど聞こえないふりをして逃げてしまった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「類〜練習を始めるぞ!」
「あぁ、もうそんな時間か…」
(カイトさん居るだろうか…)
「よし、それじゃあステージに向かうぞ!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ワンダーステージ
「ミク〜来たぞ〜」
「やっほ〜ミクちゃーん!」
「あれ、カイトさんいないんじゃない?」
「え?」
「確かにカイトを見かけないな」
「うーんカイトさっきから見かけないんだよね〜」
「どうしたんだろうな…心配だ」
「みんなごめん!ちょっと色々あって…!」
「カイト、大丈夫なのか?」
「うん、ぬいぐるみくん達に捕まっちゃってさ…」
「とりあえず早く練習しよー!」
「ミクもミクも〜!」
「うん、じゃあそうしようか」
その時のカイトさんの顔が笑っているように見えたが少し違和感を覚えた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『僕は君を救い出してみせる!』
『勝手にしな、僕はどうでもいいよ』
『とりあえず僕に着いてこい!』
『え?!ちょっとお前!どこに行くんだ?!』
やっぱり類くんたちのショーは面白い
ストーリーが深くてすごく感動できる
まぁ僕にはよくわからなくなってしまったけど
いつからなんだろう
心から笑えなくなったのは
でもきっと僕が笑わないとみんなは心配するから僕は笑わないといけない
「カイト!どうだっだ今のショーは!」
「うん、ストーリーの展開がゆっくりめだから子供でもわかりやすいショーになると思うよ」
ちゃんと笑って好評してあげないと
「演習の強度もちょうどいいし流石類くんだね」
笑うのってこんなに辛かったっけ?
「あぁ、ありがとうございます」
「ヒェッ……!」
「…えむちゃん?どうかした?」
「えぇっ!べ、別になんでもないです…!」
「えむ何かあるならちゃんと言ってよ」
「ううん大丈夫だよ、寧々ちゃん!」
「そうか、何かあったらちゃんと言うんだぞ!」
「これから司くん達はどうするの?もう1回練習する?」
「いえ、1度色々確認したいので話し合いをしようと」
「そうかい、ミク僕ちょっと外すから頼んだよ」
「了解なのだー!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「さて、色々確認と言いたいところだが…」
「えむくん、何かあるなら言ってくれ」
「そうだな、俺たちに気づけずえむが気づけるところもあったりするからな!」
「うーん…そうだよね」
「で、えむ何があったの?」
「さっきのショーの時にカイトお兄さんが色々褒めてくれたでしょ?」
「その時に笑ってたんだけど、私には心から笑ってるようには見えなくて…」
「うーん、確かに最近カイト元気ないんだよね…」
「それは本当か?ミク」
「うん、ぬいぐるみさんと遊んでる時も笑ってるように見えるけどミクはえむちゃんと同じように心から笑ってるようには見えなかったよ…」
「僕もだね」
「え、類も?」
「さっきカイトさんが遅れてきた時も僕は違和感を感じたし…」
「うぅ…カイトお兄さん何かあったのかな…?」
「違うかもしれないが、心当たりならある」
「本当か!類」
「あぁ…さっきの話なんだけど、僕がこの辺りで演出を考えている時にカイトさんに会ってね」
「その時に、類くんは楽しそうだねって言われたんだ」
「え、それって…」
「僕も、少し気になってカイトさんは楽しくないんですかと聞いたんだが、ぬいぐるみくん達の方に行ってしまって聞き出すことができなかったんだ」
「ショーが楽しいか楽しくないか…」
「あれじゃない?カイトさんはぬいぐるみとかミク、観客のみんなが楽しめるようにショーを考えているから自分は楽しめてない…みたいな」
「あ、確かに…」
「ぐぅ…困ったな…」
「いつも助けてもらってるからカイトお兄さんが困ってるなら助けてあげたいな…」
「そうだね、でもどうしたものか…」
「ショーで伝えるってできないかな?」
「たしかにな、俺たちのショーはみんなを笑顔にするショーだ!」
「じゃあじゃあ!私たちのショーでカイトお兄さんを本物の笑顔にしてあげよーう!!」
「ミクも手伝う!!」
「ふふっ…気合いは十分だね」
「それじゃあそのショーの演出を考えようか」
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「ステージから出てきちゃったけど戻らなくてもいいかな」
「司くんたちの事だから僕がいなくてもなんとかなるよね」
そういうとカイトは近くの椅子に腰を下ろす
「はぁ…それにしても笑うって疲れるなぁ…」
「少しづつ休憩とらないと目が笑えなくなって気づかれちゃうし」
「ショーでみんなを笑顔に…か」
「こんな僕でも笑顔になれるショーはあるのかな」
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「よし!これでショーの内容はまとまったな!」
「あとはカイトさんがいない間に練習をしよう」
「ミク頑張る!」
「私もフルパワーわんだほいで頑張るよ!」
「まぁ、私たちはショーでみんなを笑顔にするんだから笑顔になってない人がいるなんてなんかスッキリしないもんね」
「よーし!気合を入れて頑張るぞ!!」
『おーう!』
「あれ?みんなどうしたんだい?」
「ぬう?!カイト!」
「あ、えっとこれはね…!」
「さっき反省会をしていたんですけど、改善点が色々ありましてですね」
「それでもう1回気合を入れ直してたんです」
類(くん)ナイス…!
「ふふっ…そうかい、さっきより良いショーになるといいね」
そう言ってカイトが微笑む
(やっぱり、笑ってるように見えるが何となく心から笑っていないような気がするな…)
そうするとステージの入口の方にメイコがいた
「カイトー!ぬいぐるみ達が喧嘩しそうなのー!」
「え?本当かい?すぐ行くよ!」
カイトが入口に向かっている時類と司は何かを聞いた
「はぁ…またか、いい加減大人しくしてくれないかな」
(カイト兄さんはこんなこと言いません)
「え…?」 「……っ!」
すごく小さな声だったが何故か類と司には聞こえていた
本当なら聞こえるはずないが彼らの耳に届いていたのだった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「それじゃあ、このショーは次の日にするぞ!」
「わかったよ!」 「ミクも了解なのだー!」 「了解」
「あ、司くん少し話しいいかな?」
「あぁ!俺も呼ぼうとしていてな」
「じゃあ、私とえむは解散で」
「ミクちゃんに類くん達バイバーイ!」
―――
「それで何となくわかるが話とはなんだ?」
「カイトさんの件だよ」
「やっぱり…さっきのぬいぐるみが来た時だろ」
「うん…司くんも聞こえたのかい?」
「あぁ」
「一体カイトはどうしてしまったんだ…?」
「理由を聞き出すしかなさそうだね」
「俺たちのショーでカイトを笑顔にしてやろう!」
「そうだね、ということで司くん!そのショーを作るために新しい演出を試したいんだけどいいかな?」
「はぁ…少しだけな」
「おや?珍しいねあっさり受け入れてくれるなんて」
「これもカイトのためだ」
「ふふ、それは僕も同じだよ」
「よーし!最高の演出でこいよ、類!」
「もちろんだよ、司くん♪」
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特別ショー当日
「うーんと司くん達もうそろそろ来るかな」
ショーの練習をすると嘘の情報を伝えてあるカイトがステージに現れる
「あれ?なんか暗いな」
するとパッと明るいライトがついた
「わっ…!」
「ようこそ!ワンダーランズショウタイムの公演へ!」
「今日は思う存分わんだほいしていってね!」
「え?司くん達…?」
「今日はカイトさんに送るスペシャルショーですよ」
「楽しんでもらえたら嬉しいな…」
「それでは、公演スタートだ!!」
あるところに周りに優しく自分のことをあまり考えない座長さんがいました
その座長さんはいつも仲間たちのやりたいショーをやらせたり、仲間たちから出たアイデアをまとめてショーにしたりなど、周りを優先にしてショーをしていました
『私は何が楽しくてショーをしているんだろう…』
いつしか座長さんは心から笑えなくなり、ショーを楽しむ、ということをよく考えるようになっていました
(今の僕と似ているな…僕もショーが楽しいのかわからなくなっちゃって、ちゃんと笑えなくなっちゃったし…)
そんな座長さんを心配した仲間たちが座長さんのしたいようにショーをしようと考えました
『座長!次のショーは座長がしたいように考えてください!』
『僕達は座長の言うことに従いますから!』
『…………』
座長さんは1度考えて仲間たちに言いました
『ありがとう、でも僕ひとりじゃ何も出来ないからみんなの力を借りてもいい?』
『あ…えーっと…』
残念なことに、座長さんは1人では何も出来ないと言い張り、結局仲間たちが協力してしまいました
このままでは駄目だと思い、仲間たちは座長が考えるショーをするよりも先に、座長を本当の笑顔にしようと考え、座長の手を借りずにショーを作り上げていきました
『でも…どうやって座長を笑わせようか…』
『自然と笑顔が溢れるショーか…』
『面白いことをひたすらやるっていうのはどうかな!』
『面白いことをひたすら?』
『うん!面白いダンスをしたり、みんなを巻き込んだり! 』
『普通空から降ってこないものが降ってきたら面白いでしょ!』
『要するにハチャメチャで何が起きるか分からないショーということだね?』
『うん!』
1人のキャストの考えにみんなが賛成しました
すると1人の錬金術師が急に深く考え始めました
『どうしたの?錬金術師さん?』
『ふふっ…次のショーは僕の演出を最大限に活かす必要があると思ってね』
そして錬金術師は言いました
『僕に任せてくれ』
『頼もしいね!錬金術師さん!』
それから仲間たちは特別ショーの準備を始めました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そうして特別ショー当日、仲間たちの素敵なショーが始まります!
(あ…ステージが暗転した)
少ししてから元気な音楽が流れ始め、ステージで司達が踊り始めた
《エビバディ→解体!思い出に消しゴム?!あれっ。》
《ハイになる?廃になる?はい、とは言えな〜い!!!》
楽しい音楽、演出と共に少し癖になるダンスを踊っているみんなを見てどんどん楽しくなってくる
《”どうして?!” “ああして!!”も「全部」だいすき!がいいじゃん!!》
《みんなみんな笑っちゃえの魂胆で》
いつぶりなんだろうと思う、こんなに何かに夢中になったのは
ショーに釘付けになり身を乗り出すほど見入ってしまう
《世界解体10秒前!?待って待って待って》
《まだまだ一緒しよ?の魂胆です》
《101回目のソンな小指(メモリー)拝借》
“ハッピーも失敗も消さないから!!”
「…っ!」
それを聞いた瞬間、カイトの中で霧が晴れたように目の前が輝いて見えた
途端に今までにないくらい笑顔が込み上げる
ぎこちなくカイトの顔が笑顔になる
「…ふふっ!やっぱり司くん達には叶わないや」
久しぶりに心の底から笑顔がでて、上手く笑えているかカイトは心配だがそんなの関係なかった
笑顔が止まることはなく、カイトはそれからずっと笑顔でショーを見続けた
(やったよ…やったよ司くん達!カイトさんが笑った!)
(よかった…カイトさん笑ってくれた…)
(よし!後はどんどん盛り上げるっ!)
(まだまだ行こうか!)
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ショー終了後
「カイト〜〜!!!」
「カイトお兄さん〜〜!!!」
「わぁっ!」
勢いよく司とえむがカイトに飛びつく
「特別ショーは大成功だな!」
「スーパーウルトラわんだほ〜〜い!!」
「ふふっ…ありがとう僕のために特別ショーを用意してくれて」
「カイトさんが笑ってくれてよかった」
「僕も一安心だよ」
「ミクも心配してくれてたんだよね、ありがとう」
「ううん、カイトが笑顔になってくれてよかったよ!」
「カイト、事情を聞かせてもらおうか」
沢山喜んだ後司が言う
「う…わかったよ」
そうしてカイトは今までのことを話した
ショーが楽しいのかわからなくなっていった事
心の底から笑えなくなっていたこと
でもみんなののショーで笑顔を取り戻せたことなど色々話した
―――
「まぁ、そんな感じかな…」
「うーん、カイトお兄さん色々困ってたんだね…」
「今度俺達と一緒にショーをするか!」
「もちろんアイデアはカイトさんに出してもらうということで」
「あはは…大変になるなぁ…」
「カイト、大変な事があるなら俺達も頼っていいんだぞ!」
「うん…でも一応僕は司くん達を導くためにいるんだし迷惑かけられないよ…」
「そんな事気にする必要ないと、僕は思うよ」
「類…くん?」
「誰にだって大変な事だったり悲しい事だったりありますよ、ストレスが溜まったりもしますし」
「いつも僕たちを導いてくれているんですからね、カイトさんが大変な時くらい僕たちに任せて欲しいな」
「類くん…ありがとう」
「いい事言うじゃん、類」
「よし!また次のショーに向けて作戦会議をするぞ!」
『お〜!』
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