テラーノベル
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#カンヒュ絵
坂本光@イタ王推し
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#不定期投稿
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⚠︎最初に⚠︎
皆さんが想像しているキャラとは性格や性別が違う場合があります 。
詳しくはあらすじを見てください 。
例)日本が敬語で話していない 。
性別が違うなど 。
本当に地雷のない方だけ見てください 。
では,「ハナタバ」お楽しみください 。
____私はこの花が大好きだった 。
____幸せに、なってください
____あんなに、あんなに、大好きだったのに
____CONTENTS____
❁⃘第1章 ハルリンドウ____
❁⃘第2章 カスミソウ____
❁⃘第3章 ホワイトローズ____
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
第1章 ハルリンドウ
台湾くんと出会って、私は見て見ぬ振りが上手くなったと思う。
オレンジのチークに、薄いピンクのリップ。
どれもシンプルでヘルシーな、甘すぎない色のもの。
顔に色をのせるのは、いつもこれだけ。
これだけ、になった。以前は大好きだった淡いピンクも、唇以外には塗らなくなった。
去年の冬にお年玉で買ってから、ずっと私の中の一軍アイテムだったピンクのチークも、アイシャドウも。今は全部ポーチの奥底に沈んで、手に取ることすらなくなった。
……もういっそ、捨てちゃってもいいのかも。
いつもと同じメイクを終え、ポーチを閉めようとしたところで、ふと思う。
だってどうせ、この先も使うことはないのだし
台湾くんが好きだと言った、このオレンジのチークとピンクのリップ以外。私はきっと、この先も一生使わない。使えない。台湾くんが認めてくれない、台湾くんの好みじゃないものなんて、もうぜんぶ。
____ぜんぶ、いらないや。
はっと目が覚めるようにそんなことに気づいて、私はポーチの奥からピンクのチークとアイシャドウを引っ張り出した。まだ中身の残るそれを、ぎゅっと強く握りしめる。
そうして洗面所の隅に置かれたゴミ箱に、まとめて放り込んだ。
外は快晴だった。燦々と降り注ぐ日差しが眩しく、頬にじんわり暖かい。
私は昨日選んでおいた白いニットとデニムに、カーキ色のマウンテンパーカーを羽織り、最後に台湾くんの好きなシトラス系の香水をつけてから家を出た。
3月に入ったとはいえ、吹き付ける風はまだ冷たい。歩いていると首元が寒々しくて、やっぱりマフラーを取りに戻ろうかと、少し進んだところで一瞬迷った。
だけど腕時計を見れば待ち合わせ時間の40分前だったので、だめだ、とすぐに思い直す。
30分前行動。
台湾くんと付き合いはじめて5ヶ月間、私がずっと続けている習慣だった。
台湾くんとのデートは、たいてい私の最寄り駅で待ち合わせをする。
台湾くんの最寄り駅はひとつ隣なのだけれど、毎回私に合わせて彼がこちらの駅まで来てくれるのだ。
だから間違っても、そこで台湾くんを待たせたりする事がないように。
もちろん今日も同様、
日「……へ?」
___の、はずだった。
日 「……なんで?」
台湾くんが、いる。
いつも私が彼を待っている、駅前のベンチに。台湾くんが座っていたから。
___え、まさか。
日「え、なんで……?」
臺「___あ、日本」
「おはよ」といつもと同じ明るい声で片手を上げる。それに私も同じ挨拶を返してから、
日「あの、どうかしたの?」
臺「ん?なにが?」
日「だって、まだ約束の30分前だよ?早いよ」
臺「それは日本もでしょ」
臺「やっぱ、正解だったな」
日「え、なにが」
臺「日本さ、待ち合わせの時いつも僕より先に来て待ってるじゃん?」
嬉しそうに駅舎の時計の方を指さしながら、
台湾くんは朗らかに笑うと、
臺「だから、たまには僕が日本を待ちたいなって、今日は思い切って早めに来てみたんだ。」
つまり。つまり台湾くん、は
日「私が早く来ると思って?」
臺「うん 」
日「私に合わせて、30分前に来てくれたの?」
臺「そうだよ」
日「う、うそ」
臺「うそじゃないよ」
臺「ね、日本。見て」
台湾くんが指さしていたのは、足元だった。
そこには小さな白い花が咲いていた。
コンクリートの割れ目の、僅かな隙間から。
臺「すごくない?」
臺「こんな小さい隙間でも、ちゃんと咲いて」
日「……うん。凄い」
日「……台湾くんって」
臺「うん?」
日「花、好きなの?よく見てる気がする」
なにげなく訪ねてみた私に台湾くんはちょっと考えるように視線を外した。
臺「まぁ、好きは好き、だけど」
臺「別にそんな、興味があるって程ではなくて」
日「ただ?」
臺「日本を好きになったからかも」
日「……へ?」
臺「花がよく目に留まるようになったのは。花を見ると日本を思い出すようになっちゃったってるんだと思う。今の僕にとって、花といえば日本だから」
驚いて台湾くんの顔を見ると、台湾くんもこちらを見ていて目が合った。
そのまま、数秒、無言で見つめ合ってしまった
臺「……あ」
やがて短い沈黙の後、先に目を伏せたのは台湾くんだった。
臺「やば」
臺「なんか凄い恥ずいこと言ったかも、僕」
それにまた驚いて台湾くんの顔を見上げれば、今度はいつもと同じ笑顔になった台湾くんが、
臺「じゃ、行こっか」
日「あっ、う、うんっ」
臺「まずはショッピングモールでいいんだよね。なんだっけ、ポーチ買いたいんだっけ?」
日「あのね、メイクポーチが古くなったから新しいのが欲しいなって」
臺「了解。可愛いのさがそ」
___デートが始まる。
いつもこの瞬間、身体の芯に力がこもる。
___頑張ろう。
心の中で呟きながら、私は前を向く。
気を抜かないように。
失敗しないように。
台湾くんの好きな、可愛い私でいられるように
頑張ろう。今日も一日。
___これからも台湾くんの彼女でいるために
コメント
1件
おお、第1話お疲れさま! 冒頭の「私はこの花が大好きだった」って一文からもう、切なさが滲んでて一気に引き込まれたわ。自分の好きだったピンクのコスメを捨てるところ、台湾くんの好みに合わせて自分を小さくしてる感じがリアルで胸が痛んだ…。でも最後に台湾くんが「花を見ると日本を思い出す」って言ってくれたシーン、一瞬で甘酸っぱくなって、この2人の関係がどう転ぶかすごく気になる。続き、絶対読むね🔥