テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
食器の音、しかしどこか耳障りな甲高い音が混じる)
(朝食時。共同生活を送る一軒家のダイニング。ひまりが補聴器をいじりながら、不機嫌そうな顔をしている)
ひまり
もう!今日の朝食、なんでこんなにガヤガヤしてるのよ!私の耳がキーンってなるじゃない!もっと静かに食べなさいよ!
りゅうき
(キュウリの漬物を食べながら)
え?いつも通りじゃね?ひまりの耳が敏感なんじゃねぇの?
れあ
(りゅうきのキュウリをちら見しつつ)
お前のキュウリを食う音が、ひまりには爆音に聞こえてんじゃねぇの?
あやね
(自分のパンケーキを見て、眉をひそめる)
……このパンケーキ、色がくすんでるわ。まるで、私の絵の具が濁ったみたい。食欲が湧かない。
りこ
(あやねのパンケーキを見て)
え、普通の色だよ?あやねちゃん、疲れてるんじゃない?
すいれん
(心配そうに)
最近、街中で変な音が聞こえたり、景色が色褪せて見えるって話を聞くよね。もしかして、悪霊の仕業なのかな……。
ひろふみ
(静かに食事をしながら、心の声:『人々の心に、不快感と倦怠感が広がっている。音と色彩……悪霊の新たな干渉だ』)
クロード(無線)
(リビングのスピーカーから)
皆に緊急連絡だ。佐世保市内で、突如として耳鳴りや不快な音が聞こえる、あるいは景色が灰色に見えるという報告が多発している。ひまり、あやね、君たちの能力が鍵になるだろう。他のメンバーも、現場へ急行してくれ。
【シーン2】 街の混乱 - 音の暴力と、色彩の喪失
(SE: けたたましいサイレン、耳障りな雑音、人々の悲鳴)
(午後。佐世保の街は、突如として音と色彩の混乱に見舞われている。街のあらゆる場所から、耳を劈くような高音や、不快な低音が響き渡り、人々の顔は苦痛に歪んでいる。同時に、街の景色はまるでモノクロ映画のように色褪せ、活気を失っている)
ニュースキャスター(ナレーション)
(声のみ、ノイズが混じる)
……佐世保市では、原因不明の音響異常と色彩の消失が報告されており……市民の皆様は、耳を塞ぎ、目を閉じ……。
(街の広場。能力者たちが、混乱の中で悪霊の痕跡を探している。ひまり、あやね、りゅうき、れあ、りこ、すいれん、ひろふみのチーム)
りゅうき
うわー!耳が痛ぇ!キュウリの音が聞こえねぇくらいだ!
れあ
(耳を塞ぎながら)
うるせぇ!この音、頭に響く!
りこ
(地面に足を硬化させ、音の振動に耐える)
みんな、気をしっかり持って!
ひまり
(補聴器を外しても、耳鳴りが止まらないのか、顔を歪ませる)
もう!うるさい!うるさい!こんな音、私のわがままが聞こえないじゃない!
あやね
(色褪せた街の景色を見て、顔を歪ませる)
……なんて醜い色彩。私の絵の具が、こんな色に汚されるなんて……!
(街の人々も、音の暴力と色彩の喪失に耐えきれず、パニック状態に陥っている。互いにぶつかり合い、混乱が広がる)
街の人A
(耳を塞いで)
この音、やめてくれー!
街の人B
(色褪せた景色を見て、絶望したように)
世界が、死んだみたいだ……!
(公園の中心に、黒い靄が漂っているのが見える。悪霊(音と色彩の支配者)の仕業だった)
悪霊(音と色彩の支配者)
(不快な音に紛れて、低い声で)
……苦しめ。絶望しろ。お前たちの不快感が、我らを強くする!
【シーン3】 音と色の攻防 - わがままの反響、色彩の再生
(SE: けたたましい音、悪霊の唸り声、しかし少しずつ変化が)
(混乱の公園。悪霊が、音と色彩を操り、能力者たちに襲いかかる。耳を劈くような音の波を放ち、視界を奪うような色彩の幻覚を見せる)
ひろふみ
(悪霊の心を読む。心の声:『狙いは、人々の感覚を麻痺させ、精神を崩壊させることだ!』)
すいれん
(人々の心の苦痛を感じ取り、悲痛な声で)
みんな、心が壊れていく……!
ひまり
(悪霊が放つ音の波に、イライラが頂点に達する)
もう!ほんっとに、うるさい!私のわがままが、聞こえないじゃないのよ!
(ひまりが、怒りに任せて能力を暴発させる!彼女の耳元から放たれた大音量が、悪霊が放つ不快な音の波をかき消し、悪霊の体を直撃する!)
悪霊(音と色彩の支配者)
(ひまりの爆音に、体がバラバラになりかけるかのように揺らぎ、苦悶の叫びを上げる!不快な音の波が、一瞬だけ弱まる)**
りゅうき
(驚いて)
ひまりのワガママ、また効いた!?
れあ
(呆れ顔)
あのワガママ、意外と使い道あるな……。
あやね
(ひまりの能力で音が弱まったのを感じ、悪霊が放つ色彩の幻覚に冷静に向き合う。その幻覚は、人々の心を絶望させるような、暗く淀んだ色で構成されていた)**
なんて、汚い色。私の描く絵は、もっと鮮やかなのよ!
(あやねは、筆を構え、悪霊が放つ色彩の幻覚に向かって、鮮やかな絵の具をぶちまけるように能力を発動させる!)
(SE: 色彩が弾けるような音)
(あやねの能力で、悪霊が放つ暗い色彩の幻覚が、鮮やかな虹色に塗り替えられていく!幻覚は消え去り、人々の視界に、一時的に美しい色彩が戻る)
悪霊(音と色彩の支配者)
(色彩の幻覚を打ち消され、さらに苦悶の叫びを上げる!その体が、黒い靄となって揺らぎ始める)**
街の人々A/B
(耳鳴りが和らぎ、色彩が戻ったことに驚き、顔を上げる)
あ、あれ?色が……!
ひまり
(あやねの能力を見て、少しだけ驚く)
ふん。あんたもやるじゃない。私の爆音に、あんたの絵が加われば、最強じゃない!
あやね
(ひまりの言葉に、少しだけ顔を赤らめるが、すぐに冷静な表情に戻る)
……当たり前よ。私の絵は、どんな闇も塗り替える。あんたの爆音も、悪くないわ。
【シーン4】 感覚の調和 - 連携の光、そして勝利
(SE: 混乱が収まる音、穏やかな音色、色彩の輝き)
(公園の混乱は収まり、人々は落ち着きを取り戻していく。悪霊は、音と色彩の支配力を失い、弱体化した姿で逃げようとする)
クロード(無線)
(声のみ)
ひまり、あやね!悪霊の動きが鈍った!今がチャンスだ!
(ひまりは、悪霊の周囲に「静寂」の音の波を集中させ、悪霊の動きを完全に封じる。悪霊は、音を失い、混乱する)
ひまり
(悪霊に向かって)
もう、うるさい音は出させない!
(あやねは、悪霊の体に、鮮やかな「光」の色を塗り替える。悪霊の体が、黒い靄から、眩い光を放つ存在へと変化していく)
あやね
(冷静に)
あなたの存在を、光で塗り替えてあげる。
(悪霊は、音を失い、光に包まれ、断末魔の叫びを上げ、光の粒子となって消滅する)
りゅうき
(空を見上げて)
すげぇ!悪霊が光になった!
れあ
(呆れながらも、ひまりとあやねを見る)
ワガママと芸術家か……。意外なコンビだな。
すいれん
(笑顔で、ひまりとあやねの手を握る)
二人とも、素晴らしい連携だったね!街の人たちも、きっと喜んでるよ!
(公園には、再び穏やかな時間が流れる。鳥のさえずりが心地よく響き、空には鮮やかな虹がかかっていた。ひまりとあやねは、互いに顔を見合わせ、その間に、確かな信頼と理解が芽生えていた)