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「よし,ひとまず二人分の食事代は稼げたわ。」

大金と言っていいほどのお金を握りしめ,地図を見た。私の家はここから先の山々を超えたそのまた先にある。途中でエルフの郷があるけれどそこにいい思い出はないからスルー。

スカイもよりたい場所があるらしいからその場所に寄って私の家に行くとするとざっと1週間。山を越えるのに時間がかかればもっと先になる。もしお金が足りなければ四聖様が居た都のギルドに寄ればいい。道中で何もなければの話だが。

最近あの魔族が出てきていないし,魔物の量も減ってきたからすごく嫌な予感がする。…これが外れたらいいんだけど。

「じゃ,早速行きましょう。スカイ,途中で疲れたら言いなさいよ?おぶってあげるから。」

「…結構です。」

また顔を赤くした。何これ,最近の若者はよく赤くなるの?何かの病気?先に医者に診てもらおうかしら。

「ねぇスカイ。病気か何か持ってる?」

「持ってないけど。」

「ほんとに?」

そして目を合わせてくれなくなった。私スカイに嫌われたのかな。年齢が100も違うと話が合わな過ぎて困る。人ならなおさらわからない。流行やファッションはかなり知ってるはずだけどスカイは男の子。女の私の話なんてちっとも面白くないでしょう。そんな話をずっとしていたから嫌われた?




~数秒前,スカイ視点~

最近,エアリスの様子がおかしい。一人でぶつぶつ何かを唱えている。エルフはみんなこうなのか?わからない。俺が異世界出身だから何もわかってないだけで普通がこれなのだとしたら俺は世間知らず過ぎる。

「ねぇスカイ。病気か何か持ってる?」

「持ってないけど」

ほんとに?と言いながらまじまじと見るエアリスを直視できない。…エアリスがおかしいんじゃなくて俺がおかしいんだ。きっと。夢心地を出てから,いやもっと前からだ。エアリスに治療してもらったとき。その時から胸がずきずきしていて,エアリスを見るたびに体が熱くなった。もしかして,これがあいつらの言っていた…なんだろうか。

(おいスカイぃ。興味持っちゃった?意識しちゃったのかぁ?)

(スカイ,意識してしまったらエアリスが引くぞ。もともとオタクのお前が恋したとき成功したのは何回だ?0だろ!)

2人の俺が頭の中で論争している。普通こういうのは天使と悪魔の俺が話すとこだろ?これじゃぁどっちも悪魔じゃないか。実際,恋したことなんてない…いや,一度だけある。けどあれは推しとしてだからな!

(ほんとにぃ?)

(お前が恋してもみのりゃしねぇ。成功確率は0!)

おいおい…それ自分で言って悲しくならないのか?聞いてる自分も悲しくなる。エアリスは俺を救ってくれた仲間(チーム)であって仲間(パートナー)ではない。そうだ,うん。




「そうだ,スカイが寄りたいところってどんなとこなの?」

「え?あぁ,武器屋だよ。そんな時間はかからないから別に寄らなくてもいいんだけど。」

スカイが自分の持っている剣を握って見つめた。かなり年期が入っていて,刃もところどころ刃こぼれしている。これでは威力がぐんと下がるだろう。それで怪我でもされたら私が嫌。

周辺を見るとノーアバリスに来て何日も経ったんだなと実感した。顔見知りや噴水で水遊びをしている子供たち,本屋のマーサさん。郷帰りをすると言うと私たちはもう一度ここに帰ってくるのに豪華な見送りをしてくれた。

「帰ってくるんだけどね。」

大きな門を出て,私たちはノーアバリスから去った。

「スカイ。」

「何?」

「私ずっとお金がすべてだと思ってた。けど,スカイに会ってからお金とか意味ないんだなって。」

ノースマウンテンで実感した。お金があっても命とは代えられない。どれだけあっても無人島にいたら意味なくなるのと同じで使う場所がなければお金なんてただのコインにしかならなくて。本当に失う怖さというものを実感させられた。ある意味良かったのかもしれない。あれがなければ私はまだ自惚れて,お金にしか目がいかなくなると思うから。

「…ありがとね。」

はじめて人に感謝したかもしれない。ほんとうに初めての経験が多いなぁ。

【どうして人に感謝する?】

「誰?」

【人は愚かで醜い生き物だ。神聖なエルフが感謝することは何一つないだろう?】

「エアリス,どうした?」

誰だかわからないけど,スカイには沢山学ばせてもらったの。感謝の一つや二つあって当然よ!それに,私は神聖なエルフじゃないのよ。人間と,エルフから産まれた…人よ!

【お前はまだわからないのか人がどれだけ醜いものかを。…時期にこの人間が犯した罪を知ることになるだろう。】

最後の言葉がよくわからなかったが,スカイが罪なんて犯すわけがない。何もしてないって私,信じてる。


to be continued→

最弱騎士(勇者)と最弱エルフの冒険旅

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