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[黒尾編]
文化祭の校舎前。
黒尾鉄朗は、校門で配られたパンフレットを片手に、
にやぁっと笑っていた。
「……へぇ、🌸のクラス……メイド喫茶、ねぇ?」
口角が上がりすぎて、
明らかに企んでる顔。
「よっっっし、張り切っていきますかぁ〜」
テンション高く言ってるくせに、
歩き方はいつも通りゆるい。
でも教室前の行列を見るなり、
眉がぴくっと上がる。
「おお〜、人気じゃん。
……いや、人気なのは、俺のカナ?」
とか言いながら列に並び、
前の男子グループが
「○番の子めっちゃ可愛いらしいぞ」
「黒髪の子とか絶対当たり」
などと言ってるのを聞いて、
黒尾はケラケラ笑いながらも目だけが笑ってない。
(黒髪で可愛い……うん、たぶん🌸のことだねぇ)
(……あんま調子乗んなよ〜?)
でも顔には出さない。
余裕ぶってニコニコしている。
ようやく順番が来て、
カーテンをくぐった瞬間。
そこには、
メイド服を着た🌸がいた。
🌸は黒尾を見た瞬間、ぱぁぁぁっと笑った。
黒尾は一拍置いて——
「……は?え、かわ……っ……」
いつも余裕な男が、
一瞬で崩れる。
「っははっ……ちょ、待って。
なんでそんな似合うの、ねぇ?」
いつも通りの軽口だけど、
声のテンションが明らかに違う。
🌸が営業スマイルで言う。
「おかえりなさいませ、ご主人さま♡」
黒尾の心臓アウト。完全敗北。
「……ちょい待ち……
無理無理無理、かわいすぎ。
ちょっとそのまま写真撮りたい。いや撮る」
スマホを取り出そうとした瞬間、
🌸が「撮影禁止です」って笑顔で止める。
「え、禁止?……はぁぁぁ〜〜〜??
俺の彼女なのに???」
拗ねて眉を寄せながら、
すぐにニヤッと笑って態勢を立て直す。
「……まぁいっか。
後でぜーーったい撮らせてもらうからネ?」
席につきながら、
じーっとずっと見つめてくる。
「ねぇ🌸、そんな可愛いメイド服着てさ……
他の男子にも“おかえり♡”って言ってんの??」
🌸はぷくっと頬を膨らませた。
その顔が可愛すぎて
「……あー、はいはいはい、わかったわかった」
頬杖つきながら笑う。
「終わったら覚悟しときな」
完全に余裕の笑み。
でも目だけは独占欲でギラついてる。
注文を聞きに来た🌸に、
黒尾はさらっと言う。
「俺、🌸が運んでくれるやつがいい。
……てか俺のために作って?だめ?」
営業スマイルを見た瞬間、
また顔が赤くなる。
「……なんでそんな距離で笑うの、ほんと……
反則でしょ?」
帰り際、
こっそり耳元で囁く。
「今日だけは俺の負けでいーよ。
……可愛すぎるからさ。
ただ、あんまり俺以外に笑顔振り撒きすぎないで、流石に嫉妬する」
外ではいつものコミカルな黒尾でも、
教室を出るまでニヤけが止まらなかった。