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今回は「鱗滝左近次」です。これから禰豆子の口調が竈門みたいになります。それじゃあレッツラゴー
禰豆子「すみませんが、あそこの籠とわらに、竹を少々頂けますか?」
農夫「そりゃ構わねぇけど、籠は穴が空いてるぞ?」
禰豆子「はい、お金は払います」
農夫「いや、いらんよ。穴の空いた籠だし」
禰豆子「いえ、払います」
農夫「いやいらん、竹もわらもやるよ」
禰豆子「でも払います」
農夫「いや、いらんて!頭の硬い子供だな!」
禰豆子「納めて下さい小銭ですが!ありがとうございました!」
農夫「いって〜!」
禰豆子「お兄ちゃん、あれ?お兄ちゃん?居ない!居た。お兄ちゃん…(穴を掘ったのね、兄がモグラみたいになってしまった。そして凄く顔をしかめている。よっぽど日に当たりたくないのね)ちょっと待ってて。お兄ちゃん…お兄ちゃん、これに入れる?昼間も先に進みたいの。私が背負っていくから、入る、ここに、籠。あっ…はみ出るね、ん?お兄ちゃん、大人の男の人くらいに大きくなったでしょ?あれと逆に、小さくなれる?小さく、お兄ちゃん小さくなれ〜。ああっ!おお〜!えらいえらい、いい子ねお兄ちゃん。凄いよ」
女「狭霧山?狭霧山に行くなら、あの山を越えなきゃならないけど…もう日が暮れるのに、そんな大荷物背負って行くのかい?危ないよ」
禰豆子「十分気をつけます。ありがとうございました」
女「近頃行方知らずになっている人も居るからね、迷わないようにね」
禰豆子「あ…お堂があるよ、明かりが漏れているから誰かいるみたいだけど、行ってみよう。ハッ…血の匂いがする。この山は道が険しいから誰か怪我をしたんだ!大丈夫ですか?ハッ!」
鬼「なんだおい…ここは俺の縄張りだぞ。俺の餌場を荒らしたら、許さねぇぞ」
禰豆子「人喰い鬼!」
鬼「ああ?妙な感じがするな。お前ら人間か?」
禰豆子「くっ…うっ!」
鬼「ハハハハ…斧か、やるな。でもこんな傷、すぐ治るからな。ほら、もう血は止まった」
(竈門の荒い息)
禰豆子「うっ…(速い…それになんて力なの)」
鬼「2度はやられねぇよ。さぁ首を折るぞ」
禰豆子「かはっ…」
竈門「うっ!」
鬼「かはっ…」
禰豆子「え?ええっ?ひっ…うわっ!(こ…殺しちゃた!あっいやでも、相手は鬼だし、お…お兄ちゃん)」
竈門「うっ!」
禰豆子「(信じられない…首がもげてるのに動いたの?今)」
鬼「てめぇら!」
禰豆子「あっ…」
鬼「やっぱり片方鬼なのかよ、妙な気配させやがって。何で鬼と人間がつるんでるんだ!」
禰豆子「(喋ってる!)あっ」
竈門「うっ…うっうっ…」
禰豆子「辞めろ!はあああ!」
鬼「ううう…」
禰豆子「あっ!ぐっ…お兄ちゃん!」
竈門「うっ!うっ!ううっ!」
禰豆子「お兄ちゃん!ぐっ…あ…(なんなのこの鬼…頭から腕なんか生やして!お兄ちゃんを助けなきゃ!)
鬼「ん?」
禰豆子「どいて〜!」
鬼「がっ…がはっ!(こいつ硬っ…頭が…)」
禰豆子「ふん!」
鬼「(硬い!)」
禰豆子「はあああ!」
鬼「ぎゃあ〜!」
禰豆子「よし!」
鬼「斧を奪うつもりで絡めた髪がもつれた!くそっ…」
禰豆子「お兄ちゃん!何処〜!」
竈門「うっ…」
禰豆子「お兄ちゃん!辞めろ!あああっ!ああっ!うっ…」
鬼「ぐはぁ〜!」
禰豆子「(鬼は、沢山居るのかな?家に残っていた鬼とは違う、別の鬼。でもトドメを刺しておかないとまた人を襲う。だから…私がやるの)ハァハァ…(やれ!)はっ…あっ!」
鱗滝「そんなものではトドメは刺せん」
禰豆子「(天狗のお面…この人、足音がしなかった)ど…どうしたらトドメを刺せますか?」
鱗滝「人に聞くな、自分の頭で考えられないのか」
禰豆子「あ…(刺しても駄目なら…頭を潰すしか…頭骨を砕いて完全に潰すには、やっぱり何度か石を打ち付けないと、苦しむよね…一撃で絶命させられるような物は無いの?)」
鱗滝「(あぁ…この子は駄目だ。思いやりが強すぎて決断できない。鬼を前にしても、優しさの匂いが消えない。鬼にすら同情心を持っている。義勇…この子には無理だ)」
鬼「う…はっ…(気を失っていた?体の方が死んだのか?気分が悪い)あっ…てめぇ、ぶち殺す!食い尽くしてやる!こっち来い!こら!こっちから行けねぇんだよ!おめぇが来いよ!」
禰豆子「(あぁ…モタモタしていたら夜が明けてしまった)」
鬼「おらぁ!聞いてんのかテメェ!あっ…ぶわっ!がは〜!あぁぁあ!」
禰豆子「うわ…(日に当たっただけでこんな事に!お兄ちゃんが嫌がるはず!)あ…お兄ちゃん?お兄ちゃん!あっ…はぁ、お兄ちゃん…あ…あっそうだ、あの人は?(殺された人達を埋葬してくれている)あの…」
鱗滝「儂は鱗滝左近次だ。冨岡義勇の紹介はお前で間違いないな?」
禰豆子「あっはい、竈門禰豆子と言います。兄は炭治郎で…」
鱗滝「禰豆子、兄が人を食った時お前はどうする?」
禰豆子「え…」
(頬を叩く音)
鱗滝「判断が遅い!お前はとにかく判断が遅い。朝になるまで鬼にトドメを刺せなかった。今の質問に間髪入れず答えられなかったのは何故か?お前の覚悟が甘いからだ。兄が人を食った時やる事は2つ。兄を殺す、お前は腹を切って死ぬ。鬼になった兄を連れていくと言うのはそう言う事だ。しかしこれは絶対にあってはならないと肝に銘じておけ、罪なき人の命をお前の兄が奪う。それだけは絶対にあってはならない。儂の言っている事が分かるか?」
禰豆子「はい!」
鱗滝「ではこれから、お前が鬼殺隊の剣士として相応しいかどうかを試す。兄を背負って着いてこい」
禰豆子「ハァハァ…(速い!この人は一体何歳なの?それと、やっぱり全く足音がしない。お兄ちゃん、揺れるだろうが辛抱して!あぁ…辛抱ばっかりだったな。お兄ちゃん、貴方は…『また着物を直してるの?買わないと駄目だね、新しいのを』 竈門『いいよいいよ大丈夫だぞ。この着物気に入ってるしな。それよりも下の子達にもっと沢山食べさせてあげなよ』きっと人間に戻すからね、きっと…いつか、綺麗な着物を買ってあげる!皆にしてあげられなかった分まで、全部貴方に)ハァハァ…こっこれで、私は…認めて貰えましたか?」
鱗滝「試すのは今からだ。山に登る。兄を儂が責任を持って見ておく」
禰豆子「よろしくお願いします」
禰豆子「(疲れて足に上手く力が入らなくなってきた。頭もクラクラする)あっ」
鱗滝「ここから山の麓の家まで降りてくる事、今度は夜明けまで待たない」
禰豆子「えっ…(それだけ?あ、そうか…この濃い霧で私が迷うと思ってるのかな。夜が空ける前に戻ればいいのね?簡単、私は鼻が利く。鱗滝さんの匂いはもう覚えた)どわっ!ぐっ…(石?)うわ…ああっ!うっ…(落とし穴!成程…仕掛けがある訳ね。そういう事ね! あっ、しまった!ぐっ!うっ、マズイマズイマズイ!この調子で罠にかかっていたら朝までに山を下れない。それに、この山!この山は…空気が薄いんだ。私が住んでいた山よりも遥かに薄い、だからこんなに息が苦しくてクラクラするのね。戻れるかな…失神するかも、いや、戻るんだ!呼吸を整えて、罠の匂いを嗅ぎ分ける。ハッ!よし、分かる…分かるよ!人の手で仕掛けられた罠は、やっぱり微かに匂いが違う!だからって…それを全部回避できるほど、急に身体能力が高くなったりはしないけど!必ず、戻る…お兄ちゃん!)ハァハァ…も…どり…ました…」
冨岡【略啓、鱗滝左近次殿。鬼殺の剣士になりたいと言う少女を、そちらに向かわせました。丸腰で私に挑んでくる度胸があります。身内が鬼により殺され、生き残った兄は鬼に変貌していますが、人間を襲わないと判断致しました。この2人には、何か他とは違うものを感じます。少女の方は貴方と同じく、鼻が利くようです。もしかしたら突破して、受け継ぐ事ができるかもしれません。どうか育てていただきたい。手前勝手な頼みとは承知しておりますが、何卒、ご容しょを。ご自愛専一にて、精励下さいますよう、お願い申し上げます。匆々、冨岡義勇 】
鱗滝「お前を認める、竈門禰豆子」
冨岡「ここで」
竈門「う〜ん〜(終わります)」
禰豆子「それじゃあ!」
鱗滝「じゃあのー」