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私にとって、それは単なる記号にしかすぎなかった。しかし今では違う。私はその一つ一つを大切にし、敬意を払っている。それらすべてに意味があり、価値があるのだ。
わたしたちは、みんなちがうわ。
そうね、同じ人間なんて一人もいないもの。
だけど、わたしたち、みんなおなじ生き物じゃない? ああ、そうだとも! この世に生まれたときから、我々は皆平等なのだ。
だから、あなたとは友達になれそうな気がするわ。
それがあなたの答え? ならば、あなたは今すぐここから出て行きなさい! さあ、早く!! そして二度と顔を見せないことね!!! あなたに忠告してあげるけど、あの子は近づかないほうが身のためよ。
だって、あの子にはあたししかいないんだもの。
だって、わたしには彼女しかいなかったんですもの。
そんなふたりは、互いの存在に依存しながら生きていました。互いに互いを必要としていたのです。
「さぁ、一緒に逝きましょう」
「えぇ、一緒に行きましょう」
ふたりは、お互いの手をとりあいました。そうして、いっしょに死んでいったのです。それはとても幸せそうな最期だったのでしょうね。きっと。