💎BL

 はい、書きます。

 ワンクです

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 それではどうぞ。

 きょもじゅり🦇🦁Part３

 樹「」 大我『』

樹side

 あれ以来、きょもとはよく会うようになった。

 話を聞けば、きょもは俺以外にもセフレはいるようで。それも男だったり女だったり。女より男の方が少し多いらしい。俺以外にセフレがいることはまぁ予想はついていた。だって俺を抱くのになんの躊躇もなかったもん。…俺最初寝てたからどうかよく分かんないけど。

 てのは置いといて。最初はきょもと会うのに少し抵抗があった。だって初対面で抱かれたし。抱かれたら逆に隠すも何もないのでは？と思われるかもしれないがそういう問題じゃない。でもきょもは会う度に俺を抱くという訳ではなくて、タイミングとか俺の心の準備とか、いろいろ気を使ってくれている。じゃあ初対面で抱いたのは何だったんだって話だけど。

 きょも曰く、”勢いで抱けばその後は大体なんとかなるかなと思って。 既成事実的な？”らしい。意味わかんねぇ。なんでそれで何とかなるんだよとも思ったが、あの顔はなんとかなるわ。とも思った。

 俺はいつしかきょもと会うのが苦ではなくて、なんなら最近は’会いたい’とすら思うようになっていた。

 多分、そのころからだった。きょものことを好きになり始めたのは。

 きょもなりの優しさが伝わってきて、それに、会っていくうちにきょもは自分のことをぽつぽつ話すようになってくれていて。別に家庭環境が悪いとかの話ではなかったけれど、それでも、きょもが自分のことを話すようになったという事実が、俺にとっては嬉しかった。

 例え俺以外のセフレたちに同じことをして、話していても。分かってはいるけど、なぜだか優越感があって。初めて会ったときに感じた、”沼にハマったら抜け出せなさそう”という俺の予想も的中で。きょもの沼に見事ハマった俺は抜け出す気はまったくないが。

 ある日のことだった。その日は”今から樹んち行く”と夜に突然連絡を送ってきた。

『樹、来たよ。』

「ん、上がっていーよ、」

『おじゃましまーす』

「、？」

 …香水の匂い、？きょもは普段香水なんて使わない。どこか友達とかと遊びに行ってたのかな。しかもこれは至近距離でくっついていたときに移ったような匂い。きょもは俺を抱く時以外はあまりベタベタしない。よっぽど仲のいい友人、または家族。それか…俺以外のセフレ。

 とりあえず”おじゃまします”という言葉に返事をしていないから返事を返す。

「…はーい、」

『？どうかした？』

「いや、特に何も」

『そ？』

 俺は真相を確かめるべく、ソファに座ったきょもに抱きついて、首元に顔を近づけてみる。

『んぇ、どした？笑』

 …やっぱり、セフレか。

 もちろん服もだが、地肌から匂いがする。

 …やだなぁ。風呂、入ってから来いよ。

 なんて思っても俺はただのセフレの中の1人だから、そんなこと言えないけど。

 俺はきょもから離れて言う。

「風呂、入ってこいよ」

『ん〜？なんで？笑 いつも気にしなくない？ 』

「今日は来るか分かんなかったから先に風呂入っちゃった。俺だけ入ったってなるとなんかあれだからきょもも入ってきてよ笑」

『なんかあれってなに笑 まぁいーや、りょーかい』

「ごめんね」

『ぜんぜん』

なんとか風呂に入らせることに成功した。

---

 風呂場にて

「きょも、着替え置いとくね」

『はーい』

 …ふと、さっきまで着てたきょもの服が目についた。

 なんとなく、無意識に、その服に手をのばして、匂いをかいでいた。

 …きょもの匂いと、ほのかに香る女性物の甘い香水が混ざったような匂い。今日は女の人と一緒だったんだ。

 やば。俺、何してんだろ。さすがにきもいか、、もどろ。

---

『あがったよ〜』

『樹、髪乾かしてよ！』

 まさかの発言。まぁ俺も最初ヤった後乾かしてもらったからいいかと思い、’いいよ’と返す。

 嬉しそうな顔をしたきょもはやっぱりきれいだった。

『じゃ、おねがいしまーす』

「はぁい」

「ん、終わったよ、」

『んへ、ありがと！』

 にっこりと笑ったきょもからはさっきの香水の匂いなんかじゃなくて、俺と同じシャンプーとボディソープの匂いがした。

 なぜかそれに安堵する自分がいた。

『じゃ、樹、』

「ん？」

『ベッド、行こっか？』

 そう言って笑うきょもはやはり妖美だった。

---

 行為後、きょもは俺に聞いてきた。

『樹、今日なんかあった？』

「、え？」

『いや、ソファで急に抱きついてきたから』

 …まさかそれで何かあったと気づかれるとは。

「ぁ〜うん、まあ、」

『どしたの？』

「…きょもさ、俺のとこ来る前女の人と会ってた、？」

 …聞いてしまった。いやセフレの俺が言っていいことではないことくらいはわかってるけど、きょもの目を見るとなぜかするりと言葉が出てしまう。

『うん、会ってたけど』

 …普通に答えるじゃん。いや分かってたけど。なんていうか…さ、？

『なんで？』

「え、と…なんか香水の匂いしたから…」

『…あぁ！だから首元に顔うずめてたんだ 』

 そこまで言ったらそりゃそのあたりもバレるよなぁ…

 でもこの感じ、きょもが風呂に入っている間にきょもの服の匂いをかいでいたことはバレていないようで安心した。さすがにそれはバレるとまずい。

『…んふ、やだった？笑』

「…ぇ」

 なんでそんなことを聞くのか。ただの意地悪とか好奇心とかだったりしたらタチが悪い。

 それで’嫌だ’と答えたらきょもはやめてくれるのか。分からない。

「、あ〜…別にそういう訳じゃないけど、香水とか嫌なやつもいるだろうから気をつけろよ」

 …何を言ってんだか。自分で笑えてくる。正直に’嫌だ’と言えばいいのに。

 素直になれない自分に嫌気がさす。

『…ま、そだね。気をつける。』

 …自分から聞いてきたくせに反応が薄いな。

やっぱりきょもは甘えてくるやつの方がいいのだろうか。そもそもあんまり人とベタベタするタイプじゃなさそうだし。てかセフレだしなぁ、、、別に恋人じゃないし、、 そういうのは教えてくれないんだよな…

『じゃ、おやすみ』

「あ、うん、おやすみ」

 急に寝るじゃん。別にいいけど。

 背中を向けて寝るきょもに少し寂しさを覚えながらおれも眠りについた。

---

 それ以来、きょもは度々他の人の匂いをつけてくるようになった。すげーやだ。でもそんなこと言えない。言ったらめんどくさがられる。嫌われる。会ってくれなくなる。そんなの無理。

 最近会うときは遅いから風呂に入る。そうすれば別の人の匂いのするきょもを風呂に行かせることができる。

 でもなんか虚しい。俺ばっかり嫉妬して。最近はきょもに呼ばれることもうちに来ることも増えてきたから少し期待してしまう自分がいる。

 だから言ってしまった。その後どうなるかなんて、考えもせずに。

「ね、きょも…」

『ん？』

「きょもって俺以外にもセフレいるでしょ？」

『うん』

「あの、…」

『なに？笑 どしたの』

「ぃや、…俺以外のセフレと、なるべくなら会わないでほしいな〜、なんて…」

 事実、俺以外のセフレと縁を切ってほしいという俺の切実な願い。

 けどきょもからは何も返事はない。怖くて顔も見れないから今きょもがどんな顔してるかなんて分からない。

 でもなんとなく、雰囲気からして、地雷…とまでは行かないけど、言ってはいけないことを言ってしまったかもしれない。

「ぁ、ごめん！！」

 咄嗟に謝ってしまう。

「いやあの、さすがにそれは無理だよな、ごめん、」

『うん、無理。』

 そう言ったきょものことをちらりと見ると、きょもの顔は今までに見たことの無いくらい冷めきった顔をしていて。

「ぁ、…」

『今日はもう帰るね』

「え、あ、うん、、」

『じゃ』

「ぁ、きょも、！」

『何』

 恐い。何がとは言い難いが、とにかく恐い。

 きょもが微かに怒っている気がして。もう会えなくなってしまう気がして。

 だからいつもはしない約束をしようとしてしまった。

「つ、次、いつ来る、…？」

『…樹』

「ん、？」

『俺、約束はしない派なの。縛られるの嫌いだからさ。』

 そう言って、俺の家を出て行ってしまった。追いかけることなんかできなかった。

 薄々気づいてはいた。きょもが特定の相手と付き合ったりはしないことも、縛られるのが嫌いで、自由に生きていたいことも、付き合うことなんかできないってことも。でも、それを分かっていながらきょもとの関係を切ることなんかできなくて。結果、勝手に期待して、勝手に傷ついて。もしかしたらきょもはもう会ってくれないかもしれない。そんな予感がよぎった。

 まるで心臓を鷲掴みにされたように苦しくなった。

---

 あの日以降、きょもは俺の家に来なくなった。…訳ではなかった。俺が呼ばれれば行くし、きょもがうちに来ることだってある。変わったことと言えば、前よりもその回数が減ったことだ。前は1週間に2回ほどだったが、最近は2週間に1回、3週間に1回だ。 格段に減った。避けられているのかとも考えたが、そうであれば俺とヤらないだろう。イマイチよく分からない。

 それと、俺も少し変わったことがある。それは…

〈あ、樹〜！！〉

「んは、今日も元気だな、ジェシー」

 このジェシーという男と会うようになったことだ。 理由は単純。男性専用のマッチングアプリを始めたことがきっかけ。

 きょものことはまだ好きだ。でも、付き合ってもないのに勝手に嫉妬して苦しむのも馬鹿らしいので、きょもを嫉妬させることができるのかというゲーム(？)を1人でやり始めた。

 ルールは簡単。きょもと会う前にジェシーと会って俺の首元などにキスマをつけてもらう。それだけ。

 我ながら単純すぎる、笑  でもこのゲームに喜んで協力してくれているジェシーもジェシーだ。俺がジェシーの都合に合わせてキスマを付けに行くこともある。

 というのも、俺はマッチングアプリのプロフィールに

{抱いた”フリ“してくれる人募集中}

 と書いた。そしてジェシーのプロフィールには

{抱かれた”フリ“してくれる人募集中}

 と書かれてあった。

 ジェシー曰く、ジェシーには’髙地’という男性の彼女がいるらしく、ジェシーは嫉妬しまくりだが、かくいう髙地はまったくと言っていいほど嫉妬をしないらしい。なんなら、自分の彼氏なのに彼氏のことすらも’何してようが別に何でもいい’というタイプらしい。だからその髙地を嫉妬させたいようで。

 俺はきょもを、ジェシーは髙地を、嫉妬させたい。

という、お互い私利私欲のためにマッチングアプリを始め、俺たちは知り合った。

 でもジェシーは髙地以外の人を抱きたくないから、キスマをつけてくれる人を募集していたらしい。

 因みに俺もきょも以外に抱かれたくはないからキスマをつけてくれる人を探していた。

 我ながらアホすぎる考えたとも思ったが、そういうやつは俺以外にもいたことに少し安心(？)した。

 ジェシーは気さくで話しやすいため、普通に遊んだりもするほど仲良くなった。

 きょもはどうかって？全然だめ。

 そりゃ最初は”こんなとこキスマ付けたっけ？”とか言ってたから、ちょっと期待して”別のやつに付けられた”って言ったら、”ふーん、樹って俺以外にセフレいたんだ笑”とかなんとか言ってなんか嘲笑われた。でもそれ以降は何も言わなくなった。

 因みに俺はきょものその一言でめっちゃショックうけた。だって俺、きょもにキスマなんて付けられたことないもん。あ、でも1回あるか。きょもが珍しく酔っ払ってうちに来たとき。でもそれはきょもの意思じゃないも同然。つまりノーカン(？)。

 だから、きょもは俺以外のセフレにはキスマ大量に付けてんだろうなって予想がついた。いいなぁ。俺も1回でいいからきょもの意思で付けられたい。まぁそんなの無理だろうけど。

 そんなことを考えていると、ジェシーから連絡があった。

“〈樹、伝えなきゃいけないことがある〉”

 なんか文面からして結構深刻そうだけど大丈夫かな。

 とりあえず指定された場所に向かうことにした。

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 はい、とりあえずここまでです。

 やっぱりきり悪いけど許してくだせぇ。すんません。

 てかちょっと本当に長くなるな。

 そういえば、今Partでやっと1番かきたかったところに入れました。長かった！！

 あ、ちなみに

‘行為後、きょもは俺に聞いてきた。’

 のところからです！

 あと2話分くらいありそう。いやないか？分かりませんけどもね、がんばって終わらせます。

 それでは。