あら?マジカルペンの色は、私の瞳の
色と同じ色だったんじゃないのかしら?
“黒い”わ。クロウリーさんが間違えたの
かしら?
グリム
「そう言えば、レイの羽織とピンに
ピアス。エースの奴に馬鹿にされた時
怒ってたみたいだけど、どうしたん
だゾ?」
『ああ、羽織は失くなった兄と恩人の
師範の形見なの。ピンは最後に両親に
貰った物で、ピアスは妹の物と私ので
片方ずつつけてるの』
グリム
「ぜ、全員失くなったのか?」
『ええ、でも気にしないで』
__ポタ
既に何度も黒くなった心にまた黒い
__染みが、知らないうちに増えていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トランプ兵
「急いで薔薇を赤く塗るんだ」
「急がなきゃ花がしぼんでしまうぞ」
「急げ急げ。薔薇を塗り残してるぞ!」
__薔薇を、塗るの?
アリス
「なぜ白い薔薇を赤く塗るの?」
「「え?」」
トランプ兵
「どうしてかって?実はな、」
「間違って白い薔薇を植えて
しまったんだよ」
「女王様は赤がお好きだ
白なんて首になるよ!」
アリス
「そうなの?」
トランプ兵
「そうとも。だから
俺達は薔薇を塗るのさ」
そういえばここはどこかしら?
さっきまで寮で寝ていたはずなの
だけれど
そこで意識が途絶えた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『んん、あら?なんだか不思議な
夢を見ていたような気がするのは
何故かしら』
グリム
「むにゃ、おい、レイ。こんな
夜中に誰か来たみたいだゾ」
トントン、と鳴る音がする
グリム
「なんだあ?お化けのやつらか?
諦めわりーんだゾ」
私は1階に降りた
『はーい。どちら様かしら?』
気配的にはトラッポラよね?
エース
「俺、エース。ちょっと中に入れてよ」
やっぱり!
グリム
「エース?こんな時間にどーした…
げげっ!その首輪は!!」
『グリムが入学式の時に
つけられた首輪ね』
エース
「も〜、絶対ハーツラビュルには
戻んねぇ。今日から俺、ここの
寮生になる!」
グリム
「にゃに〜!?」
とりあえず中に入れて、席に座り話を
聞いてみると、寮長のタルトを食べて
そこを見つかり、ユニーク魔法をかけ
られたみたいだ
「『どっちもどっちなんだゾ/だわ』」
エース
「たかがタルト盗み食いしただけで
魔法封じされるのはおかしくね!?
魔法士にとっては、手枷と足枷
つけられるみたいなもんじゃん
しかも3ホールもあるんだよ!?
絶対1人で食い切れねーだろ!
心が狭いにもほどがあるでしょ!」
『う〜ん、よく分からないわ。私の
いた世界では普通に罪に当たるの
よね』
エース
「まじか?!」
グリム
「ハッ!もしかして3ホールもあった
なら、パーティー用かもしれないん
だゾ誰かの誕生日とか。オレ様名
推理すぎるんだゾ!」
『それは私も思ったわ
まず、謝ったのかしら?』
エース
「う、俺、レイなら絶対に寮長が
横暴だって言ってくれると思ったん
だけどぉ?」
『確かに少し横暴だわ。規制で決まって
いたのよね?でも、トラッポラはまだ
入りたての新入生。覚えきれるはずが
ないわ
それに、私なら殺生に関わらない
ものであれば1度、少なくても
2度目なら許せるわ。3度目の正直ね
でも、盗み食いはいけないことだし、
もしパーティー用だったのならいけ
ないことだもの』
グリム
「先に盗み食いしたお前が悪いんだゾ」
『明日謝りに行きましょう!』
グリム
「食べ物の恨みは恐ろしいんだゾ
あっ!そういえばオレ様も、まだ
学園長からツナ缶貰ってねぇんだゾ!」
エース
「はぁ、わかったよ。謝ればいいん
でしょ。レイが提案したんだから、
一緒に来いよな」
『もちろん。そのつもりよ』
エース
「じゃあ、とりあえず今日どこで
寝ればいい?」
グリム
「オメー、本当に泊まる気か?
オレ様とコイツの部屋以外、
まだどの部屋も埃だかけなんだゾ
寝るなら自分で掃除しろ」
エース
「げっ!掃除とか絶対ヤダ。レイ〜
部屋に泊めてよ。俺、スマートだから
はば取らないしさ。ねっ」
『私は別にいいのだけれど』
エース
「は?!///
い、いや、やっぱいい!」
『そう?わかったわ』
急に体温が上がったみたいだけれど、
大丈夫かしら?
エース
「あ、なあ、俺のことエースって呼んでよ」
『?もちろんよ!エース』
エース
「⁄(⁄ ⁄•⁄-⁄•⁄ ⁄)⁄」
急に体温が上がったみたいだけれど
大丈夫かしら?
〜〜〜
次の日の朝、ドンドン、と大きく扉を
叩かれた。制服を来て下を降りてみると、
スペードがエースを迎えに?来たよう
だった
何故か私の制服姿を見て顔を赤くして
いたけど、変だったかしら?
そうそう!エース呼びを聞いた途端
スペードにもデュース呼びにして欲しい
って言われたから、今度からそう呼ぶ
ことにしたわ
?「やばいやばい。急いで
薔薇を塗らないと」
グリム
「おっ、誰かいるんだゾ」
?「おっと危ない。塗り
残しは首が飛ぶぞ」
『あら?』
どこかで…夢。そう、夢で見たわね
?「ん?君達何か用?」
エース
「それ、何してんの?」
?「これ?見ての通り、薔薇を
赤く塗ってるだけだけど」
デュース
「えぇっ!?何でそんなことを?」
?「ん〜、反応がフレッシュで
カワイーね!って、よく見たら
君達昨日10億マドルのシャン
デリア壊して退学騒ぎ起こした
新入生じゃん。それに巻き込まれた
超美少女ちゃんまで!」
ど、どうしましょう。今までのタイプ
とは全然違うわ!知らない言葉も
いっぱい使ってるし、仲良くなれる
かしら?
エース
「俺達卒業までシャンデリアのこと
ずっと言われそうだな」
?「しかも君はその日の晩に寮長の
タルトを盗んで罪を上塗りした子だ!」
?「学校中話題のニューカマーと
朝一で会えるなんてラッキー♪
ねねね、一緒に写メ撮ろーよ♪
イエーイ!
あ、これマジカメ上げていい?
タグ付けしたいから、名前教えてよ」
デュース
「デュース・スペードです」
エース
「エース」
グリム
「グリムと、その子分、レイなんだゾ!」
『レイ・テンノミよ』
ケイト
「ほい、アップ完了っと♪
あ、俺はデュースちゃん達の先輩で、
3年のケイト・ダイヤモンドでーす
ケイトくんって呼んでね
けーくん♡でもいいよ。よろよろ」
『ケイトくん?』
ケイト
「あ、うん///って、話込んでる
場合じゃないんだった!パーティーの
開催は明後日、遅れたら首が飛ん
じゃう。ねーねー君達、薔薇を塗るの
手伝ってくれない?」
エース
「つか、なんでそんな
変なことしてんの?」
ケイト
「だってパーティーの日の薔薇は赤が
フォトジェニック!みたいな?
俺、次はパーティーでやるクロッケー
大会の為にフラミンゴに色をつける
仕事があるから忙しいんだよね〜」
グリム
「フラミンゴに色をつけるぅ!?
変な仕事ばっかりなんだゾ」
デュース
「つまりエースが盗み食いしたタルトは
寮長の誕生日パーティー用だったん
ですね。だからすごく怒った、と」
ケイト
「んにゃ?違うけど」
エース
「違うんかいっ!じゃあ
誰の誕生日なんすか?」
ケイト
「誰の誕生日でもないよ。明後日は我が
寮伝統のなんでもない日のおめでとう
パーティー
誰の誕生日でもない日を選んで、
寮長の気分次第で突然開催される
ティーパーティー」
ケイト
「なんだそりゃ!?」
ケイト
「とにかく、理由は後、後!今は薔薇を
赤くしてくれればいいから!
デュースちゃんとグリムちゃんは
魔法でやれるよね
エースちゃんとレイちゃんは魔法が
使えないから、これ、ペンキ」
『お任せください!』
デュース
「ま、魔法で色を変える、ですか」
グリム
「そんなのやったことねぇんだゾ」
ケイト
「オッケー、ダイジョウブ、リラ〜
ックス!なんとかなるなる!寮長に
首をはねられたくなきゃ急げ〜」
〜〜〜
デュース
「赤、赤、それ!ぐわー!青になった!」
グリム
「色よ変われ〜〜っ!それっ!
ギャー!薔薇が燃えちまったんだゾ!」
ケイト
「想像以上に要領悪いな〜、君ら
レイちゃんは、お!残り後1つ
じゃん!」
『ええ、もう終わるわ』
ケイト
「あれ?でもレイちゃん
はしごもなしにどうやっt」
『ふっ!』
私は地面から木まで飛んで、
枝に足をかけ薔薇を塗る
ケイト
「!レイちゃん、凄く
運動神経がいいんだね」
エース
「そうだ。俺もこんなことやってる
場合じゃなかった。寮長に話が
あるんですけどまだ寮内にいます?」
ケイト
「ん?まだいる時間だと思うけど
ところで寮長のタルトを盗んだ
エースちゃん。お詫びのタルトは
持って来た?」
エース
「え?いや、朝一で来たから
手ぶらですけど」
ケイト
「あちゃ〜、そっかぁ。それじゃあ
ハートの女王の法律・第53条
盗んだものは返さなければならないに
反してるから、寮には入れないな」
エース
「はあ?なんだそりゃ!?」
ケイト
「この寮にいるからには、ルールに
従ってもらわないと。見逃したら
俺も首をはねられちゃう。悪いけど、
リドルくんが気づく前に出てって
もらうね」
エース
「ちょっ、あの顔本気じゃん!
お前ら何とかして!」
デュース
「なんで俺が!」
エース
「頼むよ!俺今魔法使え
ねぇし、うわっ、来た!」
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