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あべさく正義♡
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夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
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#あべさく
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阿部side
美術館デートに遡る________
『亮平も綺麗だよ』
めめからそんなことをいきなり言われてドキドキしない訳ない。付き合ってた頃どんな感じだったのか分からないけど、ゲイな上にイケメンからそんなこと言われたら、心臓がどれだけあっても足りない。
めめのこと、好き、なのかな…?
今日、めめと二人きりにしたのは自分の気持ちもはっきりさせたかったから。そしたら、もう答えがでちゃった。
恥ずかしくて咄嗟に逃げてきちゃった。今めめは飲み物買いに行ってくれてるし。そこら辺散策しとこうかな。
様々な絵があって、猫とか、犬とか動物の絵もあれば人物画もある。どちらも毛並みや瞳など、絵であることを感じさせないほど写真に近く、錯覚に陥りそうだった。
すると、一枚の絵が視界に入った。それは教室の一角を描いていて、机の年季や乱雑な棚などを繊細に描かれており、どれだけの時間を掛けたのだろうかと思うほどだ。
…この席、なんか嫌だ。なんでだろう。
気になって絵をまじまじと見つめる。学校、つまり、俺が無くした記憶の一部でもある。教室に何かあるの?なんで嫌って思うの?
記憶をなくす前、学校で何があったの…?
今まで向き合わなかった疑問にぶち当たった瞬間、急な頭痛に襲われ、今までの出来事がフラッシュバックした。
『気持ち悪い』『男好き』
『死ねばいいのに』
そんな罵声と、棚に詰められた紙。
ぐしゃぐしゃになったノートや教科書。
そんな記憶と共に、めめとの記憶も蘇る。
公園で助けてくれたこと、ゲイと言っても引かずに聞いてくれたこと、夏祭りでキスしたこと。最後の別れを告げたこと。
なんで思い出しちゃったの?俺、忘れたくて車に突っ込んだんじゃん。なんで、思い出そうとしたの?
絵を見続けていたら、あの時の記憶がどんどん鮮明になって、頭痛と過呼吸で立っていられなくなった。
スタッフ「大丈夫ですか!?」
スタッフが駆けつけて来た後、めめも急いで俺の元へやってきた。
めめ、忘れててごめんね。大事な思い出、なかったことにしててごめん。相談できなくてごめん。巻き込んでごめん…
めめが俺の呼吸を整えてくれた後、俺は意識を離し、眠りについた。
夢を見た。めめと別れた後の夢。いじめは加速して、佐久間にも相談できなくて、こんな生活から離れたいと思った。何をすればいいか。それは、少し賭けに近い考えだった。
いじめられていた事実を記憶から消せば、俺は元の生活に戻れる。でも、意識が戻った後、周りが変わってなければまた同じことの繰り返し。だから、高校を変える理由が必要。事故ならきっとまた同じ。なら…
________自殺未遂ならどうか
自分から飛び込んだんなら、自殺の理由が伴う。それなら、家族は引っ越してくれるに違いない。
死にたくはない、だって、めめと一生会えなくなっちゃうから。また会って、話がしたい。我儘だけど、あんな別れのままじゃ嫌だったから。だから、記憶だけなくす方法を探す。
飛び降りは死ぬ可能性が高い。電車やトラックに引かれるのも怖い。でも、真昼の一車線道路なら近くよ人がすぐに救急車を呼んでくれるかもしれない。なら、普通の車の前に飛び込めば、記憶喪失で済むのでは?
作戦を練り、実行する。記憶喪失ならない可能性もある。そこは記憶を無くしたいと願い続けるしかない。記憶喪失といえど、全ての記憶が消えたり、一部の可能性もある。それでも…
________ごめんね、みんな。
起きたときは見慣れない白い天井があった。外はまだ少し明るく、窓から日が差していた。俺、寝ちゃったんだ。さっきまで何してたっけ。
ああ、めめと美術館…。めめと…、めめと…
mg「起きた?大丈夫」
ab「う、うん…」
何故か不思議な感覚がした。さっきまで普通に会ってたのに、どう接したら良いか分かんなくなってしまった。
それから全部話した。思い出したことも、めめと別れた後何があったのかも…
全て話終えたら気が楽になった。
mg「佐久間くんに連絡しよう。俺より、佐久間くんのほうが…」
佐久間も、俺のこと気づかってくれるいいお兄ちゃんだと思う。でもね、俺、まだめめと一緒にいたいんだよ。
口よりも先に身体が動いていた。
ab「こっちのほうが安心する」
めめのことを抱き寄せる。やっと会えた。今までずっと会ってたのに、今やっと会った気がした。
前の俺と今の俺、別人じゃないけど、持っているものが違う。あの頃の思い出を持って目の前にいる大好きな人と向き合っている。
mg「亮平、俺のこと、許してくれなくてもいい。でも…」
mg「これからも亮平の隣にいたい。恋人として。だから、俺と付き合ってください」
いいのだろうか。また、あの時のように巻き込んでしまうのではないか。めめのことを信用してない訳じゃない。寧ろ安心する。でも、めめが優しすぎるから、俺といると壊れちゃうんじゃないかって。
でもそれは昔の話。今、世の中で同性愛の理解は高まってきている。この人生で、悔いなく恋人と過ごすなら、絶対にめめがいい。めめじゃなきゃダメなんだ。
ab「はい、よろこんで」
敢えてあの時と同じ返事をする。記憶が戻ったというアピールではない。あの頃のように、始めようという意味を込めて。
これから、困難も、色んな壁にぶつかることもあると思う。それでも、めめとなら、きっと大丈夫。確証はないけど、確信してる。
________これからも貴方の隣で
コメント
2件

一気に読みました。 いろいろ計算尽くされて飛び込んだのですね。 崩れる可能性もあるのに それでも 全て思い出してもう一度1から お互い始める🥰 🩷辛い思い出があったんだね。
ああ、もう…読んでいて胸がぎゅっとなりました。亮平くんが美術館で記憶を取り戻すシーン、あのフラッシュバックの描き方が本当に生々しくて、一緒に息ができなくなりそうでした。それに、自ら事故を起こした真相…「死にたくはなかった」って気持ちが痛いほど伝わってきて、涙が出ました。最後の「よろこんで」という返しも、あの頃と同じ言葉だからこそ、新しく始まる二人の関係が愛おしく感じられて、心が温かくなりました。素敵なお話をありがとうございます🌷