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僕は少年の後に続き、牢屋を出た。どこに行けばいいか分からず、動けずに居ると銃を装備している大人に、こっちに着いてこいと言われ
ついて行った。
向かった先は、小さい闘技場だった。
そこにいたのは、身体が異様に大きく、とてつもなく筋肉質な体をした男がいた。
コイツはお前と同じ15歳だ。今からお前はコイツとサシで戦ってもらう。
そう告げられ、僕は絶望した。僕よりも、何倍もデカい身体。とても同年代とは思えなかった。
何だぁ?お前小せぇなぁ。
少年は、小馬鹿にしながら呟いた。
こんな細っこいやつすぐに殺しちまうなぁ。
少年はニヤァと不適な笑みを浮かべている。
心臓の音が、うるさく今にも逃げ出したい気持ちになった。
相手に攻撃をし、相手が戦闘不能になったら勝ちだルールは以上だ。
戦闘を開始する。
始め!!
唐突に始まり僕は困惑した。困惑しているうちに、
少年は、勢いよく殴りかかってきた。
咄嗟に受け身を取り、毒のガスを出した。
殴られ、僕は地面に吹き飛んだ。
強烈な痛みが襲って来た。左腕はおかしな方向に曲がっていた。
痛みに耐え、やっとの思いで立ち上がり、
少年の方に視線を移すと、少年は咳き込んでいた。
ゴホッ…テメェ…何しやがった!?
どうやら毒ガスを吸い込んだようだ。
何だぁ?さっきお前が出したガスのせいかぁ?
少年は、こちらを殺意に満ちたような表情で睨みつけていた。
少年はまた殴り掛かろうと、こちらに走って来たが、毒を吸ったせいで勢いが落ちていた。
僕は、少年に殴られる前に、右手に地面の砂を
掴み少年の目に向かって投げつけた。
少年は、目を抑えうめいていた。
うぅ…クソ!痛てぇ…
少年は目を抑えながら、腕を振り上げた。
僕はここで倒さなければ死ぬと直感し、
少年に向けて毒を出した。毒を吸い込んだ少年は、地面に倒れ込んだ。少年は動かなくなり、
銃を持った大人が少年を確認した後に、
戦闘不能戦いを終了する。そう僕に告げてき
た。
僕は安堵した。
牢屋に戻るように言われ、僕は腕が折れた痛みに耐えながら、牢屋に戻った。
牢屋には、少年が戻って来ていた。
お前、生きて戻れてよかったな。
少年は少し口角を上げて、呟いた。
うん…何とか…。
…?お前、左腕折れてないか?
うん…こんなに曲がって治るのかな…。
僕は、おかしな方向に曲がってしまった左腕を見て、涙が出そうになった。
俺に任せろ腕をこっちに向けろ。
僕は言われた通りに、少年の方に左腕を向けた。
少年は僕の左腕を掴み、折れた部分に噛みついてきた。
痛っ……!!何するの⁉︎ 僕は少年を腕から引き離そうとするが、少年はびくともしない。
僕の血液の中に何かが入ってくる感覚がした。
僕はその感覚が気持ち悪く、力尽くで腕を離
した。腕を見ていると、バキバキと音を立て腕が元の向きに戻っていった。
!?腕が戻ってる!
一体何をしたの?僕は少年に問いを投げかけた。
俺の能力は、ヴァンパイアだ。
ヴァンパイア?吸血鬼って事?
ああ、そうだ。俺はヴァンパイアだから再生する能力があるんだ。お前に俺の血を流し込んで、お前の腕を直した。
ありがとう、ごめん無理やり引き剥がしちゃって。
別に気にしてねぇよ。
少年は無愛想にそう言った。
あの…これからずっと一緒に過ごす訳だし、君の名前を教えて欲しいな。
俺は、『桐生羅衣』お前の名前は?
僕は、『椿優斗』よろしくね。
なんて呼べばいいかな?
普通に羅衣でいいだろ。
じゃあ羅衣って呼ぶね。
ああ。羅衣は、興味なさそうに答えた。
そういえばお前、勝負はどうだったんだ?
勝ったよ。
マジか、お前負けると思ってた。
酷いよ!
いやでもさ、来たばっかで勝てるってなかなかだと思うけどな。だってお前の毒効果弱いし。
いやでも…なぜか二回目に毒を使った時に相手が気絶したんだ。
今までそんな事無かったのに何でだろう…
さあなそれは俺にも分からねえ。
羅衣、君は戦いどうだった?
俺か?俺は余裕で勝った。
余裕?
ああ余裕でな。今回の相手は雑魚だった。
どうやって勝ったの?
身体強化をしたんだよ。例えばこうだ。見てろよ
羅衣の手は、人の手から悪魔のように爪が伸びた手に変わった。この手はな、刃物よりも鋭いから便利なんだよ。
すごい…!
俺はこの手だけでも何十人と殺ってきたからな。
そんなに勝って来たのにどうして国に売られないの?
俺だって負けることくらいはあるからな。
例えばランクがB+に上がったとしても、つぎで負けたら、B-に戻るんだ。俺はそれの繰り返しばかりだから売られないんだろうな。
羅衣でも負けることがあるんだね。
当たり前だろ?逆にこの施設で一回も負けた事ない奴なんていないと思うけどな。
こんな話してたらもうこんな時間か。
そろそろ飯が運ばれて来る頃だな。
ご飯が運ばれて来るの?
ああ、朝昼晩と三食な。
牢屋の外から足音が聞こえ、背の高い大人が僕達の牢屋の扉を開け、2人の皿を置き、扉を閉めて出て行った。
その皿の上には硬そうなパンが2つともう一つの皿の上には臓器のような物体が置いてあった。こっちが俺のだな。羅衣は臓器のような物が置いてある皿を取り、手掴みで食べ始めた。
僕は、その姿に若干引いてしまった。
それ…美味しいの?…
俺は美味いと思うけど?一口食うか?
いや!全然要らない!僕は必死に拒んだ。
そんなに嫌なのかよ。羅衣は、若干不満そうに答えた。お前パン食わないのかよ?
あぁ…そうだね食べないと…僕は羅衣が食べる臓器のような物を見て、食欲が恐ろしいほどに無くなっていた。僕は吐き出しそうになりながらも、パンを一口食べた。ただの小麦のような味だった。僕は渋い顔をしていると、羅衣が口を開いた。
ああ伝え忘れてた、戦闘があるのは週に2回だけだ。それ以外は戦闘訓練があるからな。
戦闘訓練は、他の奴らと一緒に訓練するんだ。
そこで優斗、お前に頼みたい事がある。
何…?
俺はこの施設から脱出するつもりだ。そこで脱出するには、仲間が必要だ。
だから優斗には、俺の計画に協力してくれそうな仲間を探して欲しいんだ。
俺は出来ればその仲間とも脱出出来るように、計画を練っている。
だから仲間を探すのに協力してくれ。
…分かった。僕もこの施設から抜け出したい。
ああ俺もその気持ちは一緒だ。
明日は訓練の日だ。仲間探しを頼んだぞ。
うん。絶対に脱出しよう!