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ども!
宵美夜です✨️
注意事項は、𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆 0 をご覧下さい。
それでは、いってらっしゃい!
_________
𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆 7 【忘れ物】
🎼📢𝐬𝐢𝐝𝐞
あの出来事から1か月。
紅葉が綺麗な10月。
あの日以来、俺はなつのところに行っていない。
本当は、すぐに行って謝りたかった。
でもそれもまた、なつの負担になりかねないと思い、やめた。
今日は久しぶりに会いに来た。
なつも俺も、いい加減に頭が冷やせているだろう。
病室に入ったらまず、ずっと来れなかったことを謝ろう。
そして、あの日のことも。
そう考えながら歩いていると、あっという間に病室の前についた。
🎼📢「よし」
🚪サー
🎼📢「来たぞー」
🎼🌸「!_では暇なつさん、後ほど」
🎼📢「……らん?」
🎼🌸「…… 」
今のは、俺の高校の同級生のらんだ。
間違いないはずなのに。
🎼📢「なんであいつがここに?」
そんなことを考えていたら、懐かしい声が聞こえた。
🎼🍍「あのーっ」
🎼📢「ッ!なつ」
🎼🍍「……すみません」
🎼🍍「誰ですか?」
🎼📢「……は?」
一瞬、嘘かと思った。
なつが、俺を忘れたフリをして、
あの日のことを話してくれると思った。
🎼📢「嘘、だろ?」
笑って動揺をごまかすと聞こえてきたのは、
🎼🍍「……すみませんッ」
そんな、弱々しい言葉だった。
希望を忘れた、光のない目。
何も感じていない、無の表情。
すべて、初めて会った日と同じ。
あぁ、なつは、本当に俺を
忘れた んだ。
🎼📢「……初めましてッ」
俺は、なつに悟られないように、
涙をこらえて笑いかけた。
🎼🍍「お名前は?」
🎼📢「いるま」
🎼📢「柴崎いるまだ」
🎼🍍「……いるま」
🎼📢「……ッ」
名前を呼ばれると、嬉しいのに、
胸が苦しくなる。
なつ、おまえはこの1か月、
どんな思いで過ごしてきたんだ。
ひとりで抱えこんで、また希望を失ったのか。
俺に心配かけないように、 笑顔で待っていたのか。
それゆえの今なのか。
俺は、まだおまえに言えてないことがいっぱいある。
あの日のことも、俺の過去も。
俺以外の誰かが言っていたとしても、俺の口から言えてないんだ。
なのに、なんで。
なんでこういうときにおまえは、
大事なことを忘れるんだよ。
全部言いたかったけど、全てを忘れているであろうなつには
重すぎると思い、感情をぐっとこらえた。
🎼🍍「いるま」
🎼📢「なんだ?」
🎼🍍「……ごめん」
🎼📢「……それは、なんの意味?」
もしかしたら、この短期間で思い出したのかも。
そういうかすかな希望が見えた。
🎼🍍「分からない」
🎼🍍「でも、謝らないといけない気がした」
おまえは、脳で忘れていても、
心では覚えてるんだな。
俺のことを。
“俺”という言葉が、脳の辞書から消えただけで、
思い出は残っている。
こさめたちのこともきっと。
🎼📢「…それで十分だッ」
俺は、なつに悟られないように、優しい笑顔を貼り付けて、
静かに涙を流した。
_________
それからしばらくして。
俺は、何事もなかったかのようになつの病室に足を運んだ。
その度に見せる、なつの日に日に明るくなっていく笑顔に、
既視感と虚しさが込み上げてくるのに、気づかないふりをして。
落ち葉が儚く落ちていく11月。
🚪サー
🎼📢「来たぞ」
🎼🍍「……いるま?」
🎼📢「_ッ、あぁ」
🎼🍍「よかった」
頼むから。
もう俺にその笑顔を見せないでくれ。
おまえは覚えていなくても、
俺は 覚えてるんだから。
🎼📢「……ごめん」
そう言って俺は、逃げるように病室を出た。
🎼🍍「ぁ……」
なつの何か言いたげな声に、
静かに耳を塞いで。
_________
🎼📢「……なんでだよッ」
🎼🌸「……いるま」
病室を出た数秒後。
らんの声が聞こえてきた。
🎼🌸「何泣いてんの」
🎼📢「……全部知ってるだろ」
🎼🌸「そうだけどさ」
🎼🌸「俺さ、なつの幼なじみなんだよ」
🎼🌸「だから、なつのことは全部知ってるつもりだった」
🎼🌸「でも、俺が甘かったみたい」
🎼🌸「ごめん」
🎼🌸「なつの病気、治してあげられなかったッ」
そう言ってらんは、苦しそうに笑った。
🎼📢「おまえが謝ることじゃねぇよッ」
俺だってそうだ。
この8ヶ月間、大体の日をなつと過ごしてきた。
らんより一緒にいる時間は少ないけど、
密度は大きい日々だった。
なつの人柄も、性格も、喋り方も。
自然と他人を気遣える優しさまで。
全部、知っているつもりだった。
でも今は、分からない。
どうやってなつと接していたのか、
なんでなつが俺を忘れてしまったのか。
🎼🌸「……なつの場合さ」
🎼🌸「大切な人とか出来事の記憶だけすっかり忘れてんの」
🎼📢「ッ!」
よかった。
瞬時にこの言葉が出てきた。
なつにとって俺は、どうでもいい存在ではなかったんだ。
でも、それと同時に、絶望感が襲ってくる。
大切な存在だからこそ、失うのは怖い。
俺も、なつもきっと、そう思っている。
🎼🌸「俺も、忘れられちゃったぁッ」
🎼🌸「名前は1回教えたら覚えてくれるけど」
🎼🌸「記憶が戻るわけじゃないからさ」
🎼📢「……悔しい」
🎼📢「だろ?」
🎼🌸「うん」
俺らは、どうするのが正解なんだろうな。
なぁ、なつ。
教えてくれよッ
俺に、らんに、
おまえの本当の自分を。
複雑な思いをそれぞれ秘めて、
また新しい日が始まっていく。
_________
おかえりなさい✨️
物語の感想、大歓迎です‼️
コメントしてくださいっ!
それでは、おつよい~!
コメント
4件
切ない,,,けれども続きが気になります!
うわぁ…切なすぎるよこれ😭💔 「忘れ物」ってタイトルがもう刺さる…。 なつがいるまのこと忘れちゃってるのに、心では「謝らなきゃ」って感じてるところ、読んでて胸がギュッてなったよ…。 いるまが笑顔こらえて「初めまして」って言ったシーン、ほんともうダメだ…😢 でも、らんも同じ気持ち抱えてるんだね。ふたりでなつの本当の自分を探してく展開、続きが気になりすぎる!! ほんと良い話すぎて泣いた。続きも楽しみにしてるよ〜⋆♡