大地は家から車で15分のところにある小児科を受診し、その後、血液検査を受けた。その日はその検査だけで一日が終わってしまった。
そして、検査結果が出た後、専門の検査を受けなければならないということで、ひとみは翌日に、紹介された病院へ行くこととなった。
その病院の受付をした後、血液内科というところへ案内されたため、ひとみはいっそう不安を感じたのである。
「ご主人は何時頃に帰られますか?」と担当の阿部医師は言った。
夫の幸雄が早番であったことを思い出した。幸雄は宅配便の仕事をしており、遅番であれば22時頃に帰ることもあるからだ。
「一応検査の結果は出ましたが、ご主人がいらしてから詳しくお伝えします」と阿部は言った。
その医師の言葉で、悪い結果でないことを祈った。
ひとみはすぐに幸雄の携帯に連絡を入れ、できるだけ早く帰って来てもらうように伝えた。
幸雄は仕事を早退し、16時過ぎには病院へ着いた。
「大地は大丈夫なのか?」と幸雄はひとみに尋ねると、
「大丈夫だと思う。今は眠っているの」とひとみが言った。
17時頃、二人は阿部医師に呼ばれ別室へ入った。
「結論から申し上げます。検査の結果、大地君は白血病でした。しばらくは、輸血も必要となります。病名を聞かれて大変驚かれたと思いますが・・・・・・」と20分程度、阿部より説明があったが、二人とも動揺をしており、阿部の話を理解することが難しかった。
その後、すぐにひとみは母親の明子に連絡を入れ、大地の状態を説明した。
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