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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第8話『誓いのキスはここに』
『やっと俺の番っすね!』
アモンは待ってましたと言わんとばかりに嬉しそうだ。
『今日から主様をずっとドキドキさせてあげるっすからね!覚悟してくださいっす!』
アモンは舌を出してニヤッと笑う。
『ず、ずっと…それは勘弁して欲しい……。私の身が持たない…。』
『なーに言ってんすか。これから俺だけにドキドキさせられることになるんすから。慣れてもらわないと。』
『っ……!』
『ほら、行くっすよ。今日は俺のお気に入りの場所に連れて行ってあげるっす!』
『わわっ!』
アモンは私の手を引いて、外に出る。
『俺の馬に乗っていくっす。俺が後ろから支えるっすから。ちゃんと捕まってて下さいっす。』
『う、うん。』
パカラ、パカラ……っ。
馬に乗って向かった先は……。
ローズタウン。
『ここは…。』
『覚えてるっすか?バレンタインの時にここに来たっすよね。』
『うん。3年前のバレンタインだよね。』
『そうっす。ここはいつ見ても綺麗っすね…。』
薔薇を好きなアモンは楽しそうに薔薇を見つめる。
『主様、これも覚えてるっすか?薔薇の花言葉の話。』
『うん。確か本数によって意味が違うんだよね。私もうっすらとしか分からないけど…。』
『ふふっ。じゃあ問題っす。俺は主様に何本あげると言ったか覚えてるっすか?』
『え……。』
『クスッ。』
アモンは分かりやすくニヤッとしている。
私の答えを知っているのか私が赤面するのを楽しみにしているのか。
『…さ、365本…だよ、ね?』
『正解っす。そして、その花言葉は――』
アモンは私に近付く。
『『貴方が毎日恋しい。』』
『正解っす。主様。俺は毎日主様のことを見てるっす。どんな時も、主様のことを考えてるっすよ。初めてなんすよ。俺が誰かに心を乱されたの。』
『アモン……。』
『主様が俺を選んでくれたら…結婚式はローズタウンで挙げましょうっす。綺麗な薔薇を沢山用意して…忘れられない結婚式にするっす。』
アモンは私に跪いて手の甲にキスをする。
『あ、アモ…///』
『今はここで…我慢するっす。でも…その時は是非ここに…。キスすることを許して下さいっす。』
アモンは私の唇を指で触れる。
『っ……///』
『こんなに赤くなっちゃって…可愛いっすね、主様。この薔薇より赤いっすよ。ほら、見てくださいっす。』
『み、見ないで……っ。』
(可愛い…。)
『あははっ、からかいすぎたっすね。すみませんっす。』
アモンは私の手を握り歩き出す。
『せっかくローズタウンに来たんす。薔薇のスイーツを食べて帰らなきゃ損っすよ。』
『う、うん。』
1日目にこんなにドキドキさせられたら
この後がどうなるんだろう。
想像するのも怖くなり考えるのをやめた。
カフェにて
『主様。』
『ん?』
『主様は…俺の過去についてどれくらい知ってるっすか?』
『……。』
『…俺の話せる範囲で、話すっす。聞いてくれるっすか?』
『…もちろん。』
胸に薔薇の棘がささったかのようにちくんっと傷んだ。彼のことを知れるのはもちろん嬉しい。でも、それと同時に痛みも走る。
『……っ。明日、明日の夜…庭に来て欲しいっす。』
『庭に?』
『はいっす。主様の為に育てた花があるんすよ。』
(でもアモンは暗闇が苦手なはず…。)
それでも誘った理由を私は聞かなかった。
『わかった。』
次回
第9話『負った傷は心に』