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白雲 / …え…
少しだけ車が進み、
それと同時に私の脳内の思考回路も進む。
ミヤコ / …貴方、確か一護が拾ってきた子だったかしら
白雲 / …はい。突然手を引かれて、
苺プロに連れてこられて…
過去を少しだけ思い返してみる。
…そういえば、あの人に手を引かれる前の
記憶、ほとんどない。
ミヤコ / …貴方にとっては、私と一護が両親みたいな
人かもしれないけど…
少し間を置き、
ミヤコ / ここでする話ではないわね。家でにしましょう。
その話は、家に持ち越された。
白雲 / 終わったー………!!
ライブが終わり、同じグループの子と
更衣室まで歩いていく。
花魅 / んー、つっかれたー…
雷成 / いやほんとにな…なんで3曲連続でやったんだか…
私達を殺す気かっつーの…
2人_花魅と雷成はアイドルになる前からの私の友達。
花魅はふわふわしてて、どこか抜けてる女の子。
可愛いものが大好きで、アイドルに誘ったときに
泣いてOKしてくれた、優しい子。
雷成は花魅とは真逆で、どちらかというと
男っぽい、かっこいい子。
服装とか声もかっこいいから、良く男と間違われて
逆ナンされてるところをプライベートで
見かけたことがある。
それプラス顔も整ってるから、
中学の頃はよく女子に遊ばれてたなー。
花魅 / …それにしても、今日は紫織ちゃん
来るの遅かったね。
花魅 / 紫織ちゃんに限って寝坊は無いだろうし…
白雲 / あー、なんか渋滞に巻き込まれちゃって!
白雲 / 間に合ってよかったよ〜、本当に、
雷成 / あぁ…あれな。私も巻き込まれかけたわ。
花魅 / 私はバスで来たから分かんなかったけど…
すごい渋滞だったんだね。
白雲 / うん。もうちょっと早く出ればよかったかなー…?
3人で話していると、前から金髪の子と赤髪
ボブの子、それと金髪ボブ(?)の子が来るのが見えた。
? / あ、白雲ちゃ~ん!
金髪の子が私の名前を呼ぶ。
白雲 / あ、ルビーだ!
ルビー / やっほー!お疲れ様ー
挨拶と同時に労いの言葉をかけるルビーの目は、
疲れて早く帰りたいと思っている目ではなく、
キラキラしていて、まだまだやりたりない。
そう思わせるような明るい瞳だった。
花魅 / あ!「B小町」の子!
驚いたように花魅が声を上げる
花魅 / ねえねえ!質問していい?
白雲 / …あー )
横を見ると、呆れたような雷成と目があった。
雷成 / また、 )
2人 始まるな、これ )
そこからはもうカオスだった。
花魅 / シャンプーは何使ってる?
花魅 / 手のケアは?
花魅 / この髪色は地毛?
花魅 / 好きな飲み物は?
怒涛の質問の数々。
そのせいで、赤髪の子ともう一人の金髪の子_
有馬かなとMEMちょは
疲れ果てているのが目に見えた。
ただ、ルビーだけは最後まで元気だった。
花魅のどんな質問にも元気よく、
仕事のときの私のように、「天真爛漫」に答えていた。
何一つ、問題なんてなかった。
ただ、あるとしたら_
少しだけ、違和感があったことぐらい。
質問責めは更衣室に入ってからも続き、
そのおかげでルビーの大体のこと…ナイトルーティンから
シャンプーの種類まで知ることとなった。
ルビー / じゃあ、またねー!
花魅の怒涛の質問責めが終わり、
新生「B小町」の3人が更衣室から出ていく。
白雲 / 私達も、早く着替えないとね〜!
2人の方を見ながら、そう微笑む。
まぁ、この笑顔は嘘。
“ アイドルなら、いつでも笑顔で居る。 ”
通常そんなのは、
ファンの前
「 表面上 」だけでいい。
でもメンバーの裏垢なんかで、
「 ステージと控室で性格違い過ぎw 」
なんて言われたら終わりだ。
だからといって、ずっと素を出さないのも疲れる。
なので私は、移動中、
もしくは家でしか素を出さない。
それが一番、バレないから。
“ バレない方法だから ”
花魅 / じゃあね~!
雷成 / またなー
白雲 / うん。またね。
着替えが終わり、サングラスと帽子を被って、
私は外に出た。
パシャッ
白雲 / …は、?
一瞬のフラッシュが爆ぜる瞬間に。
白雲 / あのフラッシュは…
一瞬、思考を停止した。
一瞬、思考回路が動き始める。
次の一瞬、理解した。
自分が、撮られたのだと。
でも、何故?
だって、今私は男と歩いている訳でも、
犯罪を犯した後でもないのだから。
ただ、ライブが終わり、
帰ろうとしてるだけの現役JKアイドル。
そんな少女を撮って、何のメリットがあるのだろう?
白雲 / ……………………
中学で毎回学年三位以内に入っていた私でも、
流石にこれは訳が分からない。
いわゆる「意味不」というやつだ。
白雲 / ………とりあえず、帰るか。
少し歩いた先に迎えが来ている。
待たせるわけにも行かないので、早歩きで向かう。
けれど、その間も思考が止まることはなく。
気づいたら、自分の部屋にいた。
翌日。
昨日のことのせいで中々寝付けなかった私は、
目の下にかなり酷いくまが出来ていた。
まあ、今日は幸か不幸か、
学校も仕事も特に入ってはいない。
なので本来なら、
今日は勉強や部屋の掃除に当てたかった
…けど、今は状況というか、色々聞きたいことがある。
昨日ライブ会場まで送ってくれた、
現苺プロの社長、斎藤ミヤコさんに。
白雲 / はー、準備しよ
少し気だるげな声を出しながら、
よそ行きの格好だけどラフな、
そんな格好をしようとクローゼットから服を出した。
時刻は午前9時48分。
この時刻なら、多分起きて仕事をしているだろう。
そう考え、私は準備を済ませて家を出た。
ガチャリ
NEXT.
お久しぶりです。
2023/09/12 時点で 第1話 塗り固めた嘘
♡数24ありがとうございます。