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探偵社員が勢揃いし迎えた緊急会議。

どうやら「ワンオーダー」と言う異能兵器が福地に渡るのを防がないといけないらしい。そしてその場所が空港。



「ワンオーダーは部下を思い通りに動かす異能…今吸血鬼が世界に拡大している中それが敵の手に渡ると国家転覆なんて夢ではない。」



マジでやばいな…でも、



「ワンオーダーさえ手に渡るのを阻止すれば、勝機は見える…!」


「そう。だから僕たちの決戦場は、飛行場だ!みんな、覚悟はいいか?!」


「「「「「「はい!!」」」







その後ルーシーちゃんの異能で飛行場の何処かに空間接続で繋いでもらった。


そしてワンオーダーの阻止と平行に吸血鬼の長、ブラムの殺害も進められる事になった。ブラムは守らないと見込んで。

…でも福地にとってブラムは最重要と言える手札。殺されると吸血鬼は消える。

守らないのか?…いや、守るにしても守る手札がない………


私たちの知らない協力者に守らせるのか、或いは新たな協力者を捕まえる…?


知らない協力者がいたら面倒だ…でも舞台はもう最終決戦。出さないと負けるからそれは無いな。勧誘するにしてもある程度の信頼が必要。そんな信頼を置いている人物は福地の周りにはいるのか?…………!!!!真逆!!



「…乱歩さん、単独行動を許してくれませんか?」


「理由は?」


「採菊たちが…危ない。福地はブラムを守る手札に猟犬を天人五衰に勧誘する気だ。特に採菊。でも彼が寝返ることは絶対にない。だからこそ、危険だ。」



採菊が天人五衰に寝返るはずがない。証拠も、根拠もない。でも私は、信じる。



「そういうことか…良いよ。絶対に生きて戻ってきて。いくら羅紫の異能が強くても相手は福地。危険なのは羅紫も同じだ。それに、僕は、羅紫にまだ………、いや、何でもない。…行って。」



行ってと言う割に顔は悲しそうに俯いている。助けに行くと福地と出会う確率も高い。運が悪ければ殺されてしまうだろう。



「うん。…ね、乱歩さん。」


「何…って、羅紫?!」



座っていて少し背の低くなった乱歩さんを抱きしめる。やっぱり彼は暖かい。



「ね、乱歩さん、…大好き!!」



いつも子供っぽいけどいつも先を導いてくれる。



「なっっっ…………そっか。ほら、早く行く!」


「わっ…行ってきます。あ、みんなも大好きだよ!!じゃ、!」



モンちゃんの扉を開け採菊たちを探しにロビーへとかけていく。

死ぬかもしれないのに足取りは軽い。



「私、死ぬ気は無いから!」



まだ乱歩さんとうずまきの新作、食べてないからね!!












?side





「…良いんですか、乱歩さん。その、伝えなくて。」



羅紫が扉を出た数秒後、おずおずと敦が話しかける。



「…良いんだ。僕だけが特別な訳じゃない。今伝えて羅紫の重荷になるなら言わない方が良い。と言うか生きて戻ってきて貰わないと僕のところに堕とす作戦がパァになる!絶対生きて戻ってきてよね!羅紫!」










羅紫side



…いや広すぎるだろ飛行場内!!

かっこいい事言って飛び出したは良いけど何処に居るのか全然見当もつかない…

軍警として来ているのなら問題を起こせば出てくる…?いや、それだと返って乱歩さん達が動きづらくなる。



「結局隠れながら探さないといけないのか…まあ軍警だし赤い隊服で目立つでしょ。」



ここが決戦だと向こうも分かっているはず。ならブラムも必ず持ち込んでいる。

確か吸血種は日光が苦手だ。なら…



「地下!!行くぞ〜!」



地下に行く道は一つ。

推理が合っていれば福地は採菊を勧誘するはず。…私の大切な人をこれ以上傷つけられてたまるか!


地下へ続いている道を隠れながら進む。



「…!扉の埃が一部分だけない…それに足跡が二つ。一つは大きめのもので先を歩いている。…もう一つは擦るようにして歩いている。…擦りながら歩く癖は…」



戦闘音が微かに聞こえる。向こうへと走ると扉を空間断絶している芥川くんが居た。



「!!芥川くん!ちょっと張り付いてて!異能力、平家物語!」



先手必勝。動けないよう服を縫い止め、一応少しでも動くと矢が刺さるように細工をする。…焦げ臭い。採菊の異能は自身と所有物を粒子化する異能力。斬撃は効かないが炎など範囲攻撃に弱い。…くそ!!

扉を押し開けると複数の未来から攻撃されたのであろう、幾つも刺された採菊がいた。



「何?!探偵社だと?!」


「羅紫さん?!…ダメです!逃げて!」


「……ぶち殺すぞ、糞爺。」



異能で福地に無数の矢を降らせる。過去を切る隙がないように。



「こっちのお前を犠牲にしてまで過去を切ることも出来ない。切るのをやめた途端に絶命する。お前だけは許さない。」


「くそっ!」



手こずっている間に天井から遥か上空に大穴を開ける。



「さようなら。次会う時はお前の棺桶の前だと良いな。」



異能で採菊を抱え、大穴から物凄いスピードで脱出する。

勿論去り際に追加の矢を添えて。



「採菊が冷たくなっていく…!生きて!!」



運びながら逃げていると後ろから殺気を感じる。

猟犬の軍刀がこっちを目掛けて飛んできていた。



「不味い、避けきれないっ!!」


「羅紫さん!」



咄嗟に採菊が私を動かし、命は取り留めた。



「糞爺…髪切れたんですけど…?!矢追加じゃい!!」



乙女の髪を切りやがって。









乱歩さんに連絡し、扉をくぐりみんなと合流する。

採菊を連れて来たことよりも髪切られたことの方が驚いててウケる。


与謝野女医の異能で採菊の体も治り、ひとまず奥で寝かせているが意識は戻らない。



「…採菊。初めて会った時、覚えてるよね?お使いに行っていた私にぶつかって卵全割れしたんだっけ。」



探偵社に入社して間もない頃、お使いの帰りに正面衝突。まあ息止めて蝶を捕まえようとした自分が悪いんだけど。



「そこから色々話すようになったんだよね。…まあ治みたいに口説き始めたのは人生びっくりイベントトップ3に入るんだけども。」



ぶつかった時に怪我がないか見るとこの人手を火傷していたんだよな。公園に連れて行ってハンカチで冷やしていたら急に『私のところに嫁ぎませんか?』だよ。

恥ず吃驚してハンカチだけ置いて逃げちゃったんだよね。



「あの後ハンカチをわざわざ返してくれてありがとね。猟犬の服を着てたのは吃驚したよ。というかぶつかった時も猟犬の服だったよね…?あの時は気づかなかったわ…」



こう考えてみると私らの出会いってなかなかに濃いな。

その後お友達に改めてなって、出掛けて、協力してもらって、…



「ね、採菊。起きてよ?私を嫁に迎えたいんじゃなかったの…?」



思わず目が潤う。たっぷり浮かべた涙はこぼれ落ちる前に誰かが拭った。



「…らんぽさん。」


「ねえ羅紫。僕、羅紫が好きだ!大好きだ!」



思わず涙が引っ込む。え?なんて?大好き?



「ええ?!そ、それはみんなにも通じる大好き…?」


「ううん。僕は一人の人間として羅紫が好き。本当は僕のことを羅紫も好きになってから言おうと思ってた。でも、先を越されそうだったからね。起きてるんでしょ?」



好き?先を越される?起きてる?

予想外のことが重なりスペキャ状態になっているとベットからもそりと採菊が起き上がる。



「さ、採菊?!起きてたの?!」


「ええ。すみません、助けて頂いてありがとうございます。…そこの小僧!私が起きるタイミング見計らっていたのを邪魔しましたね?!折角私が羅紫さんの涙を拭ってあげてそのまま想いを伝えようと思っていたのに!」


「僕の方が先だったみたいだね!でも後からでも遅くはないさ。伝えると良い。」



怒涛の展開に頭がついてこずほげーっとしていると採菊が私と改めて向き合い、いつになく真剣な表情で口を開く。



「猟犬としての私を心配してくれたお人好しは貴方だけですよ。貴方だけを愛しています。」



え?え?え?何も喋ることができず顔を見ることしかできない。

多分顔真っ赤。

すると乱歩さんがムッとしながら採菊の横に移動する。



「あー!愛してるまで言った!僕ももう一回言う!…皆は僕の前では只の一般人!でも羅紫だけは特別だよ?羅紫、愛してる!!」



「えっ…えっ…?採菊に乱歩さんまで…」



急な告白に固まることしかできない。

返事なんてどう答えれば良いのかすら分からない。だって!二人とも大好きだし愛してるんだけど恋愛感情なのかどうか分からないし…



「ね、羅紫。今返事は要らないよ。羅紫が選びたい方をゆっくり考えたら良い。白髪くんもそうでしょ?」



「条野です!…まあ、羅紫さんを困らせたいわけではありません。私のところに堕ちるまでゆっくり待たせてもらいますね?」



「うん…うん?…まあ良いか…そうだね。そうする。ごめん、ありがとう!」



二人とも優しいなって思ってたらなんか採菊の口からとんでもない言葉が…?

マ、気のせい気のせい…二人から決めるなんてなんだか幸せ者だなぁ。



「…二人じゃないけどね…」


「!そうですか…厳しいですね?まあ譲りませんけど。」


「え、聞こえない。採菊は耳良いから聞こえたんだろうけど。」



何か黒いニヤニヤを浮かべておられる………こわ。



「まあ取り敢えず採菊が無事で良かったよ!」


「「良くない!!」」


え?



「あの糞隊長…羅紫さんの艶やかな髪を切りましたね…?是非とも苦痛に歪む音が聞きたい!」


「羅紫の髪僕好きだったのに…福地は絶対に許さない。白髪くん!協力、するよね?」


えなんか結託してるんだけど。



「ええ。羅紫さんがテロを起こす阿呆では無いなんて最初から分かっていましたし、その仲間である貴方達もテロリストでは無いのではと薄々感じてはいました。良いでしょう。羅紫さんの仇です。協力しましょう。」



「うん、そう言ってくれて嬉しいけど私死んでないからね?」




まあ兎に角…仲間(?)ゲット!

文豪ストレイドックス 恋愛怪奇譚

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