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桜と抹茶のホイップパフェ
379
#ラウール
宮ちゃん
74
#あべさく
@@ 璃 玖
4,055
阿部ちゃんに拒絶されてから、俺の毎日は灰色だった。
仕事の時はプロとして普通に接するけれど、一歩裏に入れば会話も途絶え、視線すら合わない。
(このまま、本当に全部終わっちゃうのかな……)
そんな絶望を抱えながら、俺はある休日、アニメショップの店員をやっているオタク友達と街のカフェで会っていた。
手元にあるのは、喉から手が出るほど欲しかった激レアのアニメグッズ。
それをトレードしてもらうため、俺は必死な顔でスマホの画面を見せながら交渉を重ねていた。
結局、無事にグッズはゲットできたものの、俺の頭の中はすぐに阿部ちゃんのことでいっぱいになる。
(あーあ、レアグッズ手に入ったのに、全然嬉しくねぇや。阿部ちゃんに会いたいな……)
そして迎えた、次の仕事の日。誰もいない楽屋のソファで、俺は一人、膝を抱えて俯いていた。阿部ちゃんに嫌われたかもしれないという恐怖で、胸が押しつぶされそうだった。
その時、バタン!!
と、楽屋のドアが勢いよく開いた。
緑「はぁ、はぁ、……っ!」
息を切らし、目に涙をいっぱい溜めた阿部ちゃんが、そこに立っていた。
桃「阿部ちゃん……? どうしたの、そんなに息切らして、」
緑「佐久間……っ!」
阿部ちゃんは俺の前に一歩詰め寄り、今にも決壊しそうな声で叫んだ。
緑「舘さんたちから聞いた……! 佐久間、女の子と付き合ってるって本当!?」
は? 女の子? 何のことだ? 俺が混乱していると、阿部ちゃんの瞳から大粒の涙がポロポロと溢れ落ちた。
緑「俺のことは、やっぱり全部嘘だったの……っ!? 君のあの体温も、全部嘘だったの……!?」
その言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中で何かが弾けた。
嘘? 俺の気持ちが、阿部ちゃんに触れていたあの熱い体温が、全部嘘なわけないじゃん!!俺はソファから飛び起きると、阿部ちゃんの両肩を強い力で掴み返した。
もどかしさと愛しさが爆発して、自分でもコントロールできないほど大きな声が出る。
桃「は? 何それ? ……だから! 本気だって言ってんじゃん!!」
阿部ちゃんがビクリと肩を揺らす。
だけど、もう手加減なんてしていられなかった。
桃「嘘なわけないじゃん! 女の子って、あれアニメショップの店員さん! 激レアのグッズをトレードしてもらうために、街で真剣に交渉してただけ! 誰がそんな変な噂流したか知らないけど、俺が好きなのは、最初から阿部ちゃんだけだよ!!」
緑「え……?」
涙で濡れた目を丸くする阿部ちゃんに、俺はさらに胸の内をぶちまけた。
桃「お試しで付き合おうって言ったのだって、そうでもしないと阿部ちゃんが俺を男として見てくれないと思ったから! 三ヶ月で別れようって言われた時、俺,マジで死ぬかと思ったんだからね!?」
一気に捲し立てると、愛おしさが限界を超えて、気付けば阿部ちゃんの体を思い切り腕の中に抱きしめ込んでいた。
腕の中に伝ってくる、いつもと変わらない、愛してやまない阿部ちゃんの体温。
緑「誤解……だったの……?」
桃「そうだよ、大誤解! 俺、阿部ちゃん以外、誰もいらないの。お願いだから信じてよ……」
俺の声は、情けないくらい泣きそうに震えていた。
すると、阿部ちゃんがそっと俺の背中に手を回し、服をぎゅっと握りしめてくれたんだ。
緑「……ごめん。ごめんね、佐久間。俺……誤解して、勝手に怒って……」
阿部ちゃんは俺の胸に顔を埋めたまま、泣きじゃくりながら声を絞り出した。
緑「俺、お試しなんかじゃなくて、最初から佐久間のことが大好きなんだよ……っ!」
桃「……っ、あべちゃん、」
その言葉を聞いた瞬間、俺の世界に一気に光が戻ってきた。
嬉しくて、涙と笑顔で顔がぐしゃくしゃになる。
俺は阿部ちゃんをさらに強く、強く抱きしめ直した。
端のほうで翔太と舘さんが何やら顔を赤くしながら部屋を出て行った気もしたけど、今の俺にはどうでもよかった。
阿部ちゃんが、俺を好きだと言ってくれた。それだけで、もう何もいらなかった。
――それから数日後。誤解の解けた俺たちの楽屋は、自分でも引くくらいピンク色の甘い空気に包まれていた。
俺はソファの上で、大好物の阿部ちゃんの膝枕を満喫している。
阿部ちゃんが優しく俺の髪を撫でてくれるのが心地よくて、これ以上ない幸せを噛み締めていた。
遅れて楽屋に入ってきた翔太が
青「距離感おかしくなってんだけど」
って呆れてたけど、関係ないね!その後、ふっかやひーくん、ラウールたちもドタドタ入ってきて、「お試し卒業おめでとう」って盛大に冷やかされた。
その時、目黒がどさくさに紛れて康二の腰を引き寄せ、耳元で
黒「良かったな、康二」
と優しく囁いた。
目黒としては、ただの同期のノリで康二に触れただけなのだが、向井は心臓が口から出そうなくらい真っ赤になり、
橙「な、何言うてんねん目黒ぉ!」
と大慌てでバタバタと離れていく。
目黒は真顔で周囲を見渡しているが、その様子を周りのみんなが生温かい目で見ていた。
翔太が「ごちそうさま」って早足で楽屋の奥へ逃げていって、メンバーたちの温かい笑い声が響く。
桃「ねぇ阿部ちゃん、みんなも応援してくれてるし、これから毎日百回は『好き』って言って?」
緑「……さっき言ったじゃん」
桃「足りない! 離さないからね!」
俺が阿部ちゃんの腕にしがみついてベタベタに甘えていると、ふと、??がキョロキョロと周囲を異常なほど警戒しながら、足早にこっちへ近づいてきた。
そして、今俺の髪を撫でてくれている阿部ちゃんと、近くにいたいわふかの岩本、そして舘さんの3人だけをジェスチャーで楽屋の隅へとこっそり呼び寄せたのだ。
呼び出された3人は「なんだ?」と不思議そうに顔を見合わせている。
俺はソファに取り残されたまま、その様子をポカンと眺めていた。
すると、??は耳まで真っ赤にして、今にも心臓が破裂しそうなほど深刻に思い詰めた表情で、3人にだけ聞こえる低い声で何かを呟いた。
その瞬間、何も知らなかったひーくんと舘さんは「え……?」と目を見開いて絶句しているし、阿部ちゃんにいたっては「ええええっ!?」と、驚きと興奮で言葉を失ったような顔をして固まっている。
(……ん? なんだなんだ? あいつら、4人で集合かけられて一体なんの話してんだろ?)
??がそこまで必死な顔で3人に伝えた内容が何なのか、俺にはさっぱり分からなかったけれど。
(ま、いっか! 内容はよく分かんないけど、俺は無事に阿部ちゃんと付き合えたわけだし!)
俺は世界一の幸せ者だという全能感に浸りながら、早く話が終わって俺のところに戻ってきてくれないかな、と、楽屋の隅にいる愛しい恋人の後ろ姿を、ただただデレデレとした笑顔で見つめ直すのだった。
これにてサイド佐久間は完結です!
次回は??と、、、?
みなさんはなんと予想しますか?
それじゃ!バイバーイ!
コメント
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お疲れ〜!「第8話」読んだわ! いやぁ…もう誤解が解けて阿部ちゃんと佐久間がガチの両思いになったの、最高すぎるでしょ!「お試しなんかじゃなくて最初から好き」って阿部ちゃんが言った時、俺も一緒に涙腺緩んだわ…。 最後の??の秘密の集まり、絶対に目黒と康二の話だよな!?次のシリーズがまじで待ち遠しい🔥 完結お疲れ様&次回作も楽しみにしてる!