テラーノベル
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「名前が変わっても」教室のドアが開く。
「今日から名前が変わる。」
静まり返るクラス。
前に立っているのは、あの“日帝”。
いや──
「俺はもう、“日本”だ。」
ざわっ…
🇺🇸アメリカ
「え?急にどうしたんだよ?」
🇩🇪ドイツ
「合理的な説明を求める。」
🇨🇳中国
「ふーん…面白いことするあるな。」
🇰🇷韓国
「……本気?」
日本は少しだけ目を伏せる。
「昔の名前じゃ、前に進めない。」
その声は、前より柔らかかった。
休み時間。
アメリカが肩を組む。
「でもさ、オレはどっちでもいいぜ。お前はお前だろ?」
日本、ちょっとツン。
「勝手に触るな。」
「はいはいツンデレ〜」
クラス爆笑。
放課後。
窓際で一人、空を見る日本。
そこへドイツが来る。
「…覚悟はできているのか?」
「何の。」
「変わるということは、過去も背負うということだ。」
少しの沈黙。
日本は小さく笑う。
「逃げない。今度は。」
その横顔は、前の“日帝”よりも、少しだけ大人だった。
翌日。
黒板に誰かが書いた落書き。
『日帝って呼んでやろーぜ』
教室がピリッとする。
日本はチョークを手に取る。
その上に、静かに書き足す。
『今は、日本。よろしく。』
振り向く。
まっすぐな目。
「俺は変わる。でも、消えない。」
韓国が小さく笑う。
「じゃあ…見ててあげる。」
アメリカが親指を立てる。
「よっ、日本!」
ドイツはため息。
「騒がしいな。」
でも少しだけ、口元が緩んでいた。
「名前が変わっても」第二話
夜。
日本は、夢を見る。
薄暗い廊下。
足音が響く。
振り向くと──そこに立っていた。
「……久しぶりだな。」
“日帝”。
同じ顔。
でも目つきは、鋭くて冷たい。
日本は眉をひそめる。
「もう、お前の名前じゃない。」
日帝は笑う。
「消したつもりか?」
一歩近づく。
「俺はお前だ。」
空気が重くなる。
「俺がいたから今がある。忘れるな。」
日本は拳を握る。
「忘れない。でも、支配もされない。」
日帝の姿がゆらぐ。
「……強くなったな。」
消える直前、少しだけ優しい声だった。
「次は、お前が選べ。」
――目が覚める。
翌朝。
少し眠そうな日本。
🇺🇸アメリカ
「おいおい、クマできてるぞ?」
「うるさい。」
🇰🇷韓国がじっと見つめる。
「…何かあった?」
日本、目をそらす。
「別に。」
でも、その一瞬の表情を韓国は見逃さなかった。
昼休み。
中庭。
一人でいる日本の隣に、韓国が座る。
「強がらなくていい。」
「強がってない。」
「昔のこと、怖い?」
日本は少しだけ沈黙。
風が吹く。
「怖いっていうより…」
言葉を探す。
「間違えたくない。」
韓国は小さく笑う。
「なら、今をちゃんと見ればいい。」
距離が、近い。
日本の心臓が少しだけ速くなる。
(……なんだこの感じ。)
🇺🇸遠くからアメリカの声。
「おーい!二人でいい雰囲気出すなー!」
「うるさい!!」
同時に叫ぶ二人。
一瞬目が合って、どちらも赤くなる。
その日の放課後。
ドイツが静かに言う。
「周囲がどう見るかより、自分がどうあるかだ。」
日本は空を見上げる。
(俺は、選ぶ。)
そのとき――
校門の外に、見慣れない影。
金髪で、少し挑発的な笑み。
???
「へぇ…“日本”ね。」
アメリカが目を細める。
「おい……あいつは……」
不穏な空気。
日本は静かに言う。
「誰だ。」
その人物は笑う。
「久しぶり。昔の話、しようか?」
――続く。
「名前が変わっても」第三話
校門の前。
冷たい風が吹く。
そこに立っていたのは──
🇷🇺ロシア。
静かな微笑み。
でも、目は笑っていない。
「久しぶりだね。」
アメリカが小さく舌打ち。
「……何しに来た。」
ロシアは視線を日本に向ける。
「君が“変わった”って聞いたから。」
日本はまっすぐ見返す。
「見物か?」
「ううん。」
一歩、近づく。
「確認。」
空気が一気に重くなる。
ロシアは静かに言う。
「本当に、日本になれたの?」
その言葉に、クラスがざわつく。
日本の指がわずかに震える。
でも、目は逸らさない。
「なるんじゃない。俺は今、日本だ。」
ロシアの目が細くなる。
「強くなったね。」
少しだけ笑う。
「でもね。」
その声が低くなる。
「過去は、簡単に許してくれないよ?」
一瞬、あの夢の“日帝”がよぎる。
胸がぎゅっとなる。
そのとき。
🇰🇷韓国が前に出る。
「それ、今言う必要ある?」
ロシアが視線を向ける。
「あるよ。」
微笑み。
「だって、未来を語るなら過去と向き合わなきゃ。」
静寂。
日本は深く息を吸う。
「向き合う。」
一歩前へ。
「逃げない。」
ロシアはじっと見つめる。
数秒。
長い沈黙。
そして――
「……いい目だ。」
ふっと空気が緩む。
「じゃあ、見せてよ。君の“今”。」
ロシアはくるりと背を向ける。
「楽しみにしてる。」
去っていく背中。
放課後。
屋上。
日本は一人。
「……まだ、揺れるな。」
風が吹く。
そこへ、足音。
振り向くと韓国。
「怖い?」
「少しだけ。」
素直な声。
韓国は隣に立つ。
「一人じゃない。」
その距離が、近い。
日本の鼓動がまた速くなる。
「……なんでそんな顔する。」
「どんな。」
「優しい顔。」
韓国、少し照れる。
「だって今の君、ちゃんと前向いてるから。」
沈黙。
夕焼けが二人を染める。
日本は小さく笑う。
「見てろよ。」
遠くでアメリカの声。
「おーい!また二人で雰囲気出してんのかー!」
「うるさい!!」
また同時。
少しだけ笑い合う。
でもその裏で。
遠くの校舎の影。
ロシアが静かに見ている。
「……さて。」
意味深な微笑み。
「どこまで変われるかな。」
――続く。
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