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「少し前まではね、律くんのこと……好きだったんだ」
琴音は静かに言葉を紡いだ。
「最初はただの後輩で、仕事の手がかかる子だった。でも……真面目で、必死で。誰よりも誠実だった」
その目には、過去を懐かしむような優しさが宿っていた。
「でも、今は違う。私が見ている律くんよりも……あなたといる時の律くんの方が、ずっと自然体なの」
華は息を呑んだ。
「……そんなことないです! 私は琴音さんといる時に見せる律さんの表情の方が、私といる時とは全然違って……」
必死に否定する声が震える。