TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「…その黒羽?って人、その後どうなったんかな……」

「さぁ…余命二年って言ってたから、もういないと思うんだけど」

「でもさ、もし生きてたら」

「嬉しいよね」

「……」

「ごめん。急にいなくなって」

「りうちゃんは悪くないよ。」

「そうやで」

 カフェの一角。六人の青年が静かに話していた。りうらは窓の外を見ながらため息をついた。となりに座る水色の少年、hotokeはホットケーキを口に運んで顔を綻ばせた。白髪の少年、初兎は膝に乗っているウサギを撫でながら天井を見ている。

「……気まずいな」

 青髪の青年、Ifが頬杖をついて言った。Ifの隣にいる桃髪の青年、ないこがコーヒーを飲みながら頷く。

「この後カラオケ行こーぜ」

 ロングヘアの青年、悠佑はスマホを確認しながら言った。その言葉に黙って頷く。

「いむくん、こぼしとるで」

 初兎はhotokeの頬を突きながら言った。hotokeは皆に「いむくん」と呼ぶように言っているが、いむくんと呼んでいるのは初兎だけである。みんなは「ほとけっち」、「ほとけ」と呼んでいる。


「りうら、あんまり気にしないほうがいいよ。みんなで会えてるんやし、これから楽しいこと考えよう」

ないこの言葉に、りうらは少し元気を取り戻し、笑顔を見せた。

「そうだね…ありがとう。」

 

「お、サメケーキあるやん!」

「おぉお!かわいい!こさめこれにする!」

「この桜ケーキって何なんでしょうね」

「パイナップルのってる〜」

「なつほんとそれ好きよな」

「みこちゃんここのカフェどこで見つけたの?」

「えーっとね、散歩してたら見つけた!」

 隣から声がする。隣の声に耳を傾けながら、りうらは手元のジュースを一口飲む。

「黒羽先輩は何にします?」

「え〜…そうやなぁ〜」

 隣から聞こえた名前に息を呑む。まさか、まさか。そっと振り向くとそこにはあの時の…黒羽という名前の人がいた。

「あ……」

 話しかけるのはちょっと拙いだろうか。そう思って黒羽の目を見る。黒羽はこちらの視線に気付いたのか、りうらに向かってにっこりと微笑んだ。りうらも微笑むと、再び前を向いた。その時、スマホに着信が来た。

『元気そうやん。よかった。』

 これはもしかして。そう思って黒羽の方を見ると、黒羽はにっこりと嬉しそうに笑っていた。



loading

この作品はいかがでしたか?

33

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚