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キャットタウンの影の支配者ともいわれる、ヴィクター・クローリー。
彼の存在感は圧倒的で、ただ目の前に立っているだけで周囲の空気を凍りつかせる力があった。
ヴィクターはワトリーを見据えて、不敵な笑みを浮かべながら口を開いた。
「以前は世話になったな。おかげで警察とも太いパイプができた。礼を言うよ、ワトリー。」
ワトリー「今日は聞きたいことがあってきたのだ。以前働いていたシオンの
交際相手のグループが今どこにいるか教えてほしいのだ。」
「シオンの…」ヴィクターは少し考え込み、続けた。
ポテトが口を挟んだ。「そのグループが事件に関わっているかもしれないんです。」
ヴィクターは少し考え「いいだろう。ワトリーには借りがあるからな」といい 目で部下に指示を送った
ワトリーとポテトは少し安堵した様子を見せた。
だが、ヴィクターは
「エイミーがいなくなったそうだな?」
ワトリーは驚いた。「なんで知ってるのだ?」
「シオンが死んだと連絡が入ってね。その時にエイミーが逃げたんだろう?」
「逃げたんじゃない!」ワトリーは強く否定した。「何か事情があったのだ!」
ヴィクターは冷笑を浮かべた。「シオンの携帯を持ったまま姿を消したそうじゃないか……。
つまり、エイミーはシオンが守りたかったものに気づいたんだろうな。
その”代償”を背負う覚悟があるのかどうかは別として」
エイミーのことを知っているような口ぶりが気になる
「ヴィクターエイミーの行方を知っているのだ?」
「さあ、そこまではな。」ヴィクターは淡々と答えたが、意味ありげに続けた。
「守りたかったものって何なのだ!?」
「・・・不良グループの居場所を教えることで借りは返した」
食い下がるワトリー「ヴィクターお願いなのだ!教えて欲しいのだ!」
「ワトリー、落ち着いて。」ポテトが彼の肩に手を置き、なだめた。
ヴィクターは二人をじっと見つめながら、冷ややかに問いかけた。
「ワトリー、犯猫を捕まえたいのか?それともエイミーを見つけたいのか?」
ポテトが答えた。「どっちもなのだ。」
するとヴィクターは薄笑いを浮かべ、二匹の後ろに立つカオリに目をやった。
「ほぅ~誰かと思えば・・・
ずいぶん、雰囲気が変わって気づかなかったよ」
その視線にワトリーは気づき、「か、カオリは関係ないのだ!」
ヴィクターはさらに目を細め、ワトリーの反応を楽しむかのように言った。
「関係あるかないかは、俺が決める」
その一言に、ワトリーとポテトの背筋が凍りついた。
ワトリーは、意を決してヴィクターに頼み込んだ。
「ヴィクター、お願いなのだ。エイミーは大切な友達なのだ…行方を知っているなら教えてほしいのだ…」
ヴィクターは冷ややかな笑みを浮かべ、ゆっくりとワトリーを見つめる。
「ワトリー、本当に手に入れたいものがある時、どうするのが一番だと思う?」
ワトリーは一瞬考えてから、「…お金を払うのか?」と答えた。
「違うな。どうしても欲しいものが目の前にある時はな、ありきたりな手段じゃ足りない。
相手の感情に訴え、相手の予想を超える切り札を見せつけるんだ。
手元にその切り札があるなら、迷わず使うのが交渉の基本だろう?」
ワトリー「切り札?」
ヴィクターは葉巻に火をつけ、「ああ、そこのお嬢さんのことだ」
ワトリーは息を飲み、拳を握りしめた。「でも…カオリは関係ないのだ。
彼女は過去にひどい目に遭ってきたのだ。もう、大切な友達を危険にさらしたくないのだ!」
ヴィクターは微笑みを浮かべたまま、言葉を続けた。「それでも、エイミーを助けられるのが
お前だけだとしたらどうする?何か手を打たなければ、お前の望みは遠のくだけだぞ?」
ワトリーは歯を食いしばりながら、視線を下げた。「僕は…必ずエイミーを見つける。
これ以上ヴィクターに頼らずに、自分で探し出すのだ」
ポテトが口を挟んだ。「ワトリー、それでいいの?エイミーの情報を知ってるかもしれないんだよ」
ワトリーはため息をつき、しかし決意を込めた声で答えた。
「それでも、カオリも僕にとって大切な友達なのだ。彼女を巻き込みたくないのだ」
ポテトが頷いたその時、カオリが一歩前に出てワトリーのそばに寄った。そして静かに、
「ワトリー・・・」と頷き、ヴィクターの前に堂々と立った。
その毅然とした様子にワトリーは一瞬息を呑む。
ヴィクターは興味深げにカオリを見つめ、ふっと口元に笑みを浮かべた。
「どうやら、VIP客しかその全貌を知らない代物だと聞いているが…」と、ゆっくりと視線をケースへ移す。
カオリは何も言わず、バーナードから受け取ったアタッシュケースをテーブルに置き、蓋を開いた。
その中には、小さな瓶がいくつか入っている。彼女はヴィクターを真っ直ぐに見て言った。
「これ・・・おまえ・・・ほしいもの・・・ワトリーに・・・教えろ」
その提案にヴィクターは目を細め、にやりと笑った。
「取引成立だな。」彼はケースを手に取ると、満足げに頷いた。
そしてヴィクターは、ワトリーを鋭く見据えた。
「ワトリー、しっかり聞け。シオンには幼い子供がいる。」
「子供…!」ワトリーは驚愕し、思わず立ち上がった。
ヴィクターは頷き、「今は施設に預けられているそうだ。
だが、もしシオンへの恨みが今回の事件に絡んでいるのなら、
子供も危険にさらされているかもしれない。
エイミーがその子供を守るために動いている可能性が高い。」
ワトリー「その施設はどこあるのだ?」
ヴィクター「さあ、アイドルということを隠してそっと置いてきてしまったようだが
それがどこの施設かはまでは知らない」
ポテトも驚きを隠せずに尋ねる。
「ではその不良グループ達はシオンの子供を突き止めて狙っているということですか?」
ヴィクターは曖昧に笑みを浮かべながら、「それはお前たちで確かめるんだな」と言い残す。
不良グループがいる店のメモを渡しながら「この店に行けばわかるだろう」