テラーノベル
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カプ指定ありません。好きな人を入れてお楽しみくださいませ。
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仕事終わり。時刻は22時を過ぎていた。22時なのにも関わらず周りには人がたくさん歩いていた。ああ、きょうも疲れた。どこか休める場所はないのか。
ふらふらとおぼつかない足取りでゆっくり家へと帰っていく。
──家について靴を脱ぎ、ジャケットをハンガーに掛け、Tシャツを洗濯籠へと放り投げ、風呂を沸かすためのスイッチを押した。その行動に迷いはなかった。いつも通りの夜だった。そのままどさっ、と崩れ落ちるようにソファに沈んだ。そのまま意識が落ちた。
目が覚めるとそこはBarだった。グラスが綺麗に並べられており、ジンやウォッカなどの酒が視界に入る。暗い雰囲気に高そうな椅子。そして、きちんとした服装に顔の整いが非常に良い男が微笑みながらこちらを見ていた。
「お目覚めですか?」
「Bar”Dream”へようこそ。」
にこっと営業スマイルを見せてくるこのイケメン。声は低くおちついているのに親しみやすさが半端ない。数秒間、少し見惚れてしまっていた。
「あ…え、えっと、…Bar?」
きょろきょろと周りを見渡してもBarとしか言いようのない場所。あれ、俺ってさっきまで家のソファにいたよな?
「そう、Barです。ここは夢の中。疲れている体をカクテルやお酒などで癒すことのできる、不思議なBarです。」
疲れている体をカクテルやお酒などで癒すことのできるBar。…まあ、夢の中というところには納得だ。さっきまでソファで瞼が落ちそうになっていたからな。
「では、お客様。本日は何をお飲みになりますか?」
そう言って、男はメニュー表を目の前に置いた。開いてみると、50種類はあるカクテルやお酒の種類が書いてあった。いちごやりんご、マンゴーやパイナップルなど、果物類が主な食材らしい。
「じゃ、じゃあ…いちごのカクテル一つ。」
男はにっこり微笑んで慣れた手つきでガラスを並べ、シェーカーを取り出し、いちごと蜂蜜を取り出した。細かく、でも崩れないようにいちごを切っていき、シェーカーの中に切ったいちご、蜂蜜を入れて振る。振っている姿はかっこよく、絵になるような美しい姿だった。
「おまたせしました、いちごのカクテルです。」
目の前に置かれたグラスを見てみると、蜂蜜の甘いほのかな香りが頭を溶かしてきた。まるで夢を見ているような…いや、みているがそんな感覚を味わえる様なクリーミーなピンク色、その上に乗っている小さな赤いいちご。見ているだけで癒されているのに、これから飲むとなるとどうなるか予想がつかないほどの綺麗な、蕩けるようなものだった。
恐る恐る綺麗に磨かれているグラスを手に取り、口の近くに持っていく。手が震えているように見えるのは気の所為ということにしておこう。
グラスの縁を口につけ、一口飲んでみる。すると、その瞬間頭が溶けるように真っ白になり、もう一口、もう一口と止まらなくなる。幸いアルコール度は低いらしく、飲み終わっても酔いはあまり回らなかった。
味は甘い蜂蜜とほのかにすっぱいようないちごの味が絡み合っていた。そして、微かにホイップクリームを入れたような甘さが口の中に広がる。正に、雲を食べたような感覚が襲ってくる。甘いようで酸っぱく、甘いものが苦手な人でも飲めるだろう。甘いものが好きな人でも十分に楽しめる。
「…っぷは、」
気付いた時にはもう飲み終わっていた。ガラスをぼーっと眺めていた。そんなうちに、疲れが吹き飛んだように肩の力が抜けていた。
「どうでした?」
男が隙を見て話しかけてきて、ガラスを回収する。慣れた手つきで洗っている姿も、とても美しい姿だった。
「…甘いようで酸っぱく、どんな人でも楽しめるようで美味しかったです。」
男はふふっと笑い、「お口にあったようで良かったです」と言った。その後、いきなり睡魔に襲われた。
「───え」
「あ、もう時間ですか。」
「本日はお越しいただきありがとうございました。またのご来店、お待ちしております。」
ふわりと男は微笑み、手を振っていた。最後に見えたのは、男が軽くウインクしている姿だった。
目が覚めると、現実ではもう既に朝の六時を回っていた。口の中にほんのり残った甘いくちどけ。夢にしてはリアルすぎたようだ。
俺は軽く唇に触れた。ガラスの微かな冷たさの感触が残っている。
「…次、いつ行けるかな。」
俺は軽く欠伸をして、次はベッドへ向かっていった。
のなな
1,917
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#短編集
ゆう
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雛
420
コメント
3件
えなんかめろい凄い好き...🥹 こういうのありそうでなかったからるなあちゃん書いてくれてびっぐらぶ🥺
リクエストお待ちしております!
おお、めっちゃ癒される話だった…! 仕事終わりの疲れた日常から、気づいたらイケメンバーテンダーのいる夢のBarにいるって導入、現実逃避したくなる気持ち分かりすぎるw いちごカクテルの描写が細かくて、読んでるこっちまで「ぷはっ」て言いたくなったわ。 「雲を食べたような感覚」って表現、めっちゃ刺さった🍓 途中でふっと意識が戻るところの切なさもいいな…次いつ行けるかなって思っちゃう。 続き読みたいし、今度はどんなカクテル飲ませてくれるのか気になるわ〜!