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翌朝。いつもなら早起きして静かに本を読んでいるはずの涼ちゃんが、
今日は珍しく、まだベッドで毛布にくるまったままだった。
心配になった看護師さんが、そっとそばに来て、
涼ちゃんを起こさないように気をつけながら、静かに体温と酸素濃度を測る。
額に手をあててみると、少し熱がある。
指先にパルスオキシメーターを挟むと、いつもより酸素の値も低い。
看護師さんは、ちょうど廊下を通りかかった主治医の先生にすぐに伝えた。
「涼ちゃん、今朝は少し熱があって酸素も下がり気味です」
主治医はうなずきながら指示を出す。
「朝ごはんの前に、もう一回酸素を測ってみて。もし下がっていたら、カニューレつけておいてね」
看護師さんは「はい」と応え、
涼ちゃんの額の汗をやさしく拭き取る。
ベッドの中で、涼ちゃんはまだ夢の中――
時折、浅く息をしながら、毛布にくるまって眠っていた。
看護師さんも𓏸𓏸も、そっと心配そうに見守っていた。