テラーノベル
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『へぇ〜、そっかぁ〜。媚薬盛ったのお前かぁ〜。』
聞き慣れた声がして、振り返るとそこに居たのは、愛苦くんだった。
「愛苦くん?」
私が愛苦くんを見て、首を傾げると、髪の毛をかき上げた愛苦くんと目が合った。
「な〜ちゃんは、俺が守る。」
そう言った愛苦くんの声は、低くて、ゾクッとした。
「ね〜おっさん、僕ね〜僕の大切な子勝手に傷つけられるの嫌いなんだ〜。」
そう言って、平野さんの方に歩いて行く愛苦くん。
「だからさ〜お前、殺す。」
「子供如きに何ができる。」
平野さんが愛苦くんにビビっているのが伝わってくる。
「あはは、子供如きね?ね、おじさん、手、震えてるよ?大丈夫〜?」
ニコニコ笑いながら愛苦くんは平野さんの前にしゃがみ込んだ。
「殺していいよね?殺される覚悟ついた?」
そう言って平野さんに手を伸ばす愛苦くんにゾッとして、慌てて止める。
「愛苦くん、あの、ちょっといいかな。」
私が話しかけると、愛苦くんが、掻き上げた前髪を元に戻した後笑顔で振り返ってにっこり笑う。
「うん。いいよ〜。なぁに、な〜ちゃん。」
そう言って、私の右手を両手で掴んで首を捻る。
「平野さんは、もう大丈夫だから、この家を出たいの。協力してくれる?」
私が愛苦くんにそう頼むと、愛苦くんは嬉しそうに笑った。
「うんっ!」
すると、
「なにが、うんっ!だよ。置いて行ってんじゃねぇぞクソチビ。」
そう言って黒雷さんまで家に入ってきた。
「チビじゃないし〜!」
「ああ?お前鏡見てから言えや。」
「ライちゃんがでかいだけでしょ〜!僕標準です〜!」
2人が言い合ってる間に、荷物をまとめる。
身軽にしたいから、いらないものは置いて行くことにした。
「あの2人とも――――。」
そう声に出したが、二人には聞こえていない。
「ウニ頭〜!」
愛苦くんがそう言えば、黒雷さんが、
―――――ゴンッ。
愛苦くんの頭を殴った。
あはは…痛そう…。
それに、見たことがある光景に笑ってしまう。
「いったぃ!うえ〜ん。菜乃愛ちゃ〜ん。頭撫でて〜!」
泣き真似をした愛苦くんが私に助けを求めてくる。
あはは…。よしよし。
「ここにキスしてくれたら完全に治る〜!」
そう言って自分の頬を指さす愛苦くん。
冗談で言っているのは伝わってくる。
でも、本当にしたらどういう反応してくれるんだろう。
そう思った私は、愛苦くんの頬に顔を近づけていた。
……チュッ。
「っえ…。」
愛苦くんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
黒雷さんも、なぜか顔が赤く、口を押さえて横を向いていた。
「な〜、ちゃ、。」
「さてと、行きますか!」
私がそう言うと、愛苦くんは残念そうな顔をした。
「な〜ちゃん、次は口にしてね。」
何かボソッと愛苦くんが口にしていたのを気付かず、私は元気よく拳を空に持ち上げた。
平野さんと、関わらなくて済むんだ。と思ったら清々しいくらいに人生が明るく見えた。
ここから、本当の溺愛バトルが始まることを、浮かれている、夢宮 菜乃愛は知らなかったーーーーーー。
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コメント
1件
いやー、愛苦くん急にヤバい顔になったね!「♡♡♡」って笑顔で言っちゃうとことかゾクッとしたわ。でも菜乃愛ちゃんが咄嗟に止めて「家出たい」って頼んだのがめっちゃ現実的でグッときた。黒雷さんも合流しての痴話げんかみたいなやりとりは笑ったし、ラストのチューで愛苦くんが真っ赤になるのは反則級にかわいかった〜。次は口ってボソッと言ってたのも気になるし、続き読みたい!