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ー絵名sideー
「東雲さんの部屋はここですね」
「おお…!やっぱり綺麗〜!」
私の部屋は瑞希と同様、よく見慣れた和室だった
ここだとゆっくりできるし…良かった…
「それじゃあ、各自荷物を置いたらさっきの診察室に来てくれませんか?」
『分かりました』
「は〜い!」
「それじゃあ私はお昼だから帰るわね!」
甘露寺さんがそう言うと手を振りながら玄関の方に行った
「蜜璃ちゃ〜ん!またね〜」
「またね〜!瑞希ちゃん絵名ちゃん!」
ほんと…なんで瑞希はこんな状況でもいつもと同じなんだか…
『バック完全には壊れてなくて良かった…』
バックは少し傷が入っただけで壊れてはなかった
これ、愛莉と一緒に買ったやつだから壊したくないんだよね…
『…あ』
ふと横を見ると掛け軸に【悪鬼滅殺】と書かれていた
『…なにこれ』
「それじゃあ、また長話になるんですが…」
「東雲さんと暁山さんが未来に帰る方法…私になりに考えてみたんですが…」
「ほ、本当ですか…?!」
『そ、その考え…って…?』
私がそう言うと胡蝶さんは顔を顰めながらこう言った
「鬼の王…鬼舞辻無惨を倒したら戻れると考えたんです…」
『鬼の王…?』
「なんですかそれ?」
「話せば長くなるので割愛すると…」
「鬼というのは人を食う生物…つまり人喰い鬼です。そしてその人喰い鬼の中で1番強いのが”鬼舞辻無惨”です」
なんでそんな凄い鬼を倒すと戻れるんだろう…
「これは1つの仮説ですがね…」
「ですが、ここからは何かあったら心配です。ですから…」
「東雲さん、暁山さんが未来に戻れるまで…ここに居候してください」
「「えぇっ?!」」
私と瑞希の声が同時に響く
て、ていうか…居候するって普通は私達から言うことだよね?!
「勿論、衣食住はちゃんとしてますよ?」
『い、いやそう言う問題じゃなくて!』
流石にそれだと胡蝶さんに悪すぎるよ…
「…しのぶちゃん、その人喰い鬼を倒す方法って…何…?」
た、確かに…倒せるってことはなにかしら方法はあるよね…
「…まさか、鬼を倒そうとしています?」
ば、バレた…?
『だ、だって…こんなに良くしてもらってるから…悪いじゃないですか』
「そうですそうですよ!」
『私達も力になりたいです…!』
「そうです!力になりたいです!」
瑞希が食い気味にそう言う
「…そんなに私の力になりたいのなら…」
胡蝶さんがそう言うとニッコリ笑って…
「私の手伝いをしてくれませんか?」
『おにぎり作るの疲れた〜…』
「意外と重労働だったね…」
「すみません、手伝わしてもらって…」
胡蝶さんが言うには
「命をかけてあげたくないので、代わりに隊士らの簡単な治療や看病などを手伝って欲しい」らしい…
いや…別に安いけどさ?そんなこと…
なんでこんなに体力使うのよ!
「余りのおにぎりです、どうぞ」
「やった〜!」
『あ、ありがとう…』
彼女の名前は神崎アオイちゃん
この蝶屋敷…?だっけ…そこで働いてる…?らしい
めっちゃ真面目だし…彰人とは正反対…
『ふぁぁ〜…暇〜…』
「スマホも充電切れちゃったしね〜…」
アオイちゃんに「休憩してていいですよ」と言われたのでお茶の間で休憩中
『なんか描けるものないかな〜…』
「お!えななんもしかして作業を…?!」
『出来るわけないでしょ…』
ナイトコードにも入れないし…
「絵名ちゃーん!瑞希ちゃーん!私よ〜!」
『か、甘露寺さん?!』
「どうしたの蜜璃ちゃん?!」
声が聞こえた方に行くと、甘露寺さんが桜餅を持って待っていた
「急に来てごめんなさいね〜!2人にどうしても食べてほしいものがあって!」
『食べてほしいもの…?』
いや…多分桜餅のことなんだと思うんだけど…
「わぁ〜!それ桜餅ー?!…な、なんか量多すぎない…?」
「そうかしら?」
甘露寺さんが持っていた桜餅の量はざっと…50個ぐらい?
いやなんでそんなに持ってこれるのよ
『うっわ…50以上あったわ…』
「物凄くボリューミーだね…」
まさか桜餅でボリューミーって言葉聞くことには思わなかったわ…
「食べて食べて!2人もここの世界にきて初日なんだから疲れているでしょう?」
「そうなんだよ〜!おにぎり作るのめっちゃ疲れた!」
『あれは手がもげそうだった…』
ていうか、おにぎりあんないる…?
病院みたいなものって聞いてたんだけど…
『…じゃ、じゃあ』
「いっただきま〜す!」
…うん
普通に美味しいけど…
これ胃もたれするやつだわ…
『…よ、よく食べれますね…』
「もうボクお腹いっぱい〜」
「えへへ…実はいつもより量減らしてるんだけどね…」
『これで?!』
胃袋ブラックホールすぎでしょ…
「やっぱり鬼狩りには空腹が厳禁だからね!」
…鬼狩り?
『…甘露寺さんもその…”鬼殺隊員”なんですか?』
「そうなのよ!よく分かったわね!」
「ガッツリ鬼狩りって言ってたけどね…」
おにぎりを作る前に、実は胡蝶さんに聞いていた
胡蝶さんが言うには…
人喰い鬼を狩る組織だっけ…
だ、だけど…こんな見るからにか弱そうな甘露寺さんが出来るの…?
「カァー!カァー!任務!任務!」
『誰なになになに?!?!』
「か、カラス?!が喋ってる?!」
「麗ちゃん!」
え…なになになになに…?
このカラス…喋って…?!
「ごめんね〜!私、任務入っちゃった…」
「み、蜜璃ちゃん…それよりさっきのって…?」
「また時間があったらお茶会しようねー!パンケーキ焼いとくから!」
…パンケーキ…?
『…に、任務頑張ってくださいね…』
「急に手のひら返すじゃん」
ー25時ー
『…瑞希達、まだ来ないね…』
「そうだね…」
文化祭から数日が経とうとしていたある日…
いつものように瑞希達がニーゴに来なかった
『セカイにいるのかな…』
「それはないと思う…」
『それじゃあ行こう』
「うん…」
「絵名ちゃん達来ないの…?」
『うん…』
「…何故俺たち言うんだ」
「必要な事だからだよ」
セカイにはやっぱりいなかった
じゃあどこに…?
「…瑞希達…心配…」
『ミク…』
ミクがとても心配そうな顔をしていた
『…大丈夫だよ』
『必ず私が皆救うから…』