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ー瑞希sideー
『ふわぁ〜…絵名〜おはよー…』
なんとか昨日は初日を終えることができた
にしても暇だからな〜…しのぶちゃんの手伝いはあるけどな〜…
『…おーい？絵名〜？』
心配だったから絵名を起こしに来たんだけど…
ぜんっぜん起きないんだけど？！
確かにニーゴの作業してる時は寝落ちしてたりしてたけど…
昨日ニーゴの作業無かったんだよ？！
『起きてってば〜！』
…ぜんっぜんっ起きない…
勝手に入ったら絵名に何か言われそうだしな〜…
「…暁山さん、おはようございます」
『あっ！アオイちゃん！おはよう！』
この子の名前は神崎アオイちゃん
しのぶちゃんによると蝶屋敷の人らしい
「何故東雲さんの部屋に？」
『あ〜…ちょっと中々絵名が起きないから様子見に来たの！』
「そうですか…」
『…それより、その手に持ってるものってもしかして…！』
「着物ですよ。東雲さんと暁山さんにピッタリなものをしのぶ様に用意してもらいました」
『わぁ…！』
多分色的にボクがピンクで絵名が茶色だよね！
多分髪色で選んだんだろうけど…めっちゃ可愛い！
よーっし！
『え〜なな〜ん！起きてー！』
ボクはそう言いながら襖を開けた
「…うるっさい…」
『ちょっと〜ここ、絵名の家じゃないよ〜？』
「東雲さん、朝食が出来ていますよ」
「ちょ、朝食？！」
き、綺麗にがっついたな…
『それと！可愛い着物も用意してるってさ！』
「き、着物っ？！わ、分かった今行くから！」
『美味し〜！』
「やっぱり朝はご飯よね」
蝶屋敷で出た朝食はThe！和食！みたいにお味噌汁とご飯、鮭と煮物だった
『美味しかった〜！』
「お腹いっぱいー…」
「なら良かったです」
『それじゃあアオイちゃん！ボク達皿洗いしてるからゆっくりしてて！』
｢うん｣
美味しかったしこれでWinWinだよね！
｢…いえ、大丈夫です｣
『えっ？』
｢な、何で…？｣
｢その代わりに…｣
その代わりに…？
｢少し買い出しに行ってきてくれませんか？｣
『ふぃ〜…意外と遠かったね…』
｢疲れた〜…ここら辺椅子とか無いわけ〜？｣
アオイちゃんに3円…いや、今で言ったら3000円ぐらいかな…？
現金を貰って人里に来ていた
買って欲しいものは”包帯” ”紙切り” ”人参” ”昆布” らしい
それと、もしお金が余ったら好きな物を買っていいのこと！
｢何とか全部買えれたわね〜…｣
『うぅ〜…重いぃ…』
なんとか問題無く頼まれた全部のものを買えた！
…少しお金余ってるな…
ふと横を見ると簪が売られている店があった
確か…簪の意味は…
『…絵名！あそこのお店行こ！』
｢金残ってるの…？ちょ、ちょっと！｣
ボクは強引に絵名の手を引いてお店に入った
｢…簪…？｣
『そうそう！綺麗でしょ〜！』
｢綺麗…！｣
『…あっ！この簪かわい〜！これ2つ買おうよ！』
｢分かった分かった…ここ店の中なんだからあんまり大きい声出さないでよね？｣
『ごめんごめん〜』
｢絶対思ってないでしょ…｣
絵名はため息をつくとボクが指さした簪を手に取った
｢それじゃ、私会計してくるから｣
『は〜い！』
ー絵名sideー
私は瑞希が指さした簪を2つ手に取り店主っぽいおじさんの元に行った
『これお願いします』
｢はいよ。…嬢ちゃん、中々にやるねぇ｣
『な、何のことですか…？』
おじさんはニヤニヤしながら簪を布に包んだ
｢簪を人に贈る意味って知ってるかい？｣
『いや…知りませんけど』
｢意味は”貴方を守る”、”一緒にいたい”って意味なんだよ｣
『…っ！』
｢それじゃあ1円丁度ね｣
『あ…はい』
…ま、まさか瑞希この意味を知っててこの店入ったんじゃ…？！
『…こ、これ2人で買ったものなので関係ないですよ…』
｢そうかい？残念だねぇ…｣
おじさんはシュンとすると布に入った簪を渡した
｢嬢ちゃんの恋が実る事を信じてるよ｣
『だからそういう意味じゃないってば！』
はぁ…本当…飛んだ勘違いされちゃったな…
…だけど瑞希がこの意味を知って店に入ったとしたら…
『…何考えてんだろ、私…』
ー瑞希sideー
『絵名おかえり〜！』
｢ただいま。買えたわよ、簪｣
『ナイス〜！』
だけど絵名、心做しか顔が疲れてるっぽい…？
ずっと歩いてるから疲れちゃったのかな
『それじゃ、お目当ての物も買えたし！帰ろっか！』
｢うん｣
『アオイちゃ〜ん！帰ったよ〜！』
｢ちゃんと言われてたの買ってきたよ｣
｢ありがとうございます。とりあえず包帯と紙切りはこの箱に。人参と昆布はこの籠に入れてください｣
『はーい』
｢それじゃあ、休んでていいですよ。買い出しにいってくださりありがとうございます｣
アオイちゃんはそう言うと少し頭を下げた
｢いやいや、こっちも邪魔させてもらってるんだし…｣
『そうだよそうだよ！』
｢…なら良かったです｣
アオイちゃんはそう言うと少し微笑んだ
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