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「……行くのか」
ヒロくんが、小さく呟く。
「行くしかないやろ……」
たっつんも遠い目。
その前では——
「ねぇ〜早く行こ〜」
のあさんが笑う。
「準備できた?」
るなもノリノリ。
「もう行ける〜」
えとさんも完全にテンションMAX。
「……」
そして中心。
「ん、じゃあ行くか」
もふくん。
完全にリーダー。
「……」
ヒロくん、震える。
「ほんとに外出るの……?」
「当たり前じゃん」
即答。
「……」
止められない。
完全に、止められない。
―――
数分後。
外。
「……」
通行人Aが、思わず振り返る。
「……え?」
通行人Bも、二度見。
「……」
そりゃそうだ。
目立つ。
めちゃくちゃ目立つ。
「……ねぇ見られてない?」
ゆあんくんが小声で言う。
「見られてるに決まってるやろ」
たっつん即答。
「……帰りたい」
ヒロくん、限界。
「え〜?」
のあさんが笑う。
「気にしすぎじゃない?」
「気にするよ!!」
即ツッコミ。
「……」
その時。
「すみません」
店員さんが声をかける。
「……?」
「よかったら、こちらどうですか?」
にこやかに案内。
「……」
ヒロくん、固まる。
(え?)
(普通に対応してる?)
「いいじゃん」
もふくんが軽く言う。
「行こ」
「はーい」
女子組、即ついていく。
「……」
うりも、普通に後ろへ。
「……」
ヒロくん、たっつんを見る。
「……なぁ」
「……なんや」
「……世界おかしくない?」
「……さっきからずっとおかしいわ」
―――
店内。
「こちらどうぞ〜」
店員さんが笑顔で案内する。
「……」
完全に、自然。
違和感ゼロ。
「……」
ヒロくん、混乱。
(なんで成立してるの)
(なんで誰もツッコまないの)
「これかわいくない?」
のあさんが商品を見る。
「それいい〜」
るなもノる。
「似合いそうじゃん」
えとさんも笑う。
「……」
女子組、完全に馴染んでいる。
「……」
その中心で。
「ん、これいい」
もふくんが手に取る。
その瞬間——
「それすごくお似合いです!」
店員さん、即反応。
「……」
ヒロくん、固まる。
(え?)
(今の何?)
「……」
もふくんが、軽く笑う。
「でしょ?」
「……」
空気が、出来ている。
完全に。
「……」
うりが、横で笑う。
「カリスマじゃん」
小さく。
「……」
ヒロくん、崩れる。
「もう無理……」
―――
「ありがとうございました〜!」
店員さんの声。
外に出る。
「楽しかった〜」
のあさんが笑う。
「また来よ〜」
るなも満足。
「……」
ヒロくん、虚無。
「……なぁ」
たっつんが言う。
「……なんや」
「……俺ら、いらんくない?」
「言うな」
即否定。
「……」
でも。
「……」
誰も否定できなかった。
―――
その日。
街は、何事もなかったかのように回っていた。
ただ一つ。
「……」
男子組のメンタルだけが——
確実に削られていた。