テラーノベル
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本日、9人での撮影日…二手に分かれて待機していて
偶然、阿部と一緒になった…
これはチャンスと宮舘が、阿部を連れて部屋の隅へ
「はぁ?一体、何やってるの…」
全て事情を知っている阿部が、呆れてハッキリそう言った…
隣に座る宮舘は、肩を落として俯いている
『2人に好かれている人間が…何で、こんな…体たらく…』
自分がフラれた2人の【しょうた】に
好かれているはずの宮舘が…何だか、とっても情けない
阿部の気持ちも、モヤモヤし始め…
ついつい言葉が辛辣になってしまう
「俺だって、どうしてこうなったのか…分かんないよ…」
珍しく弱気な宮舘に…
呆れて、ため息を一つ吐く
「それで。これから、どうするつもり?」
「どうすりゃ良いの?教えてくれよ…」
情け無い声を出す宮舘に
「だったら両方諦めて…俺に翔太を譲ってくれよ」
心の底から、そう思い…阿部は、初めて口にした
すると驚いた宮舘が、慌てて顔を上げて…阿部の顔を見る
「2人共、幸せにする自信がないんでしょ?だったらそこでずっと、ウジウジ1人で悩んでれば良いよ…。その間に、俺が翔太に寄り添って…仲良くなって奪うから」
あまりに阿部らしくない言動に…
「翔太は、絶対渡さない!」
ついに、宮舘が立ち上がる
「渡さないって、どうするつもり?だって…喧嘩したんでしょ?ショウタだって、泣いてたよ…。2人にこんなに愛されて…一体何が不安なのさ…」
ショウタが泣いていたと聞かされて、宮舘は一瞬…言葉に詰まる
「一度でも、ちゃんとショウタの話…聞いてあげた?一体どういう存在なのか。何をしに出て来たのか。翔太だって色々悩んでるみたいだし…。全部、中途半端は良くないよ…」
自分の知らない2人の事を、阿部は色々知っていて…
1番近くに居たはずの自分は…今まで何をして来たのか
「ショウタは一体、何だと思う?」
「それを俺に、今聞くの?」
もう、なりふり構っていられない…
プライドなんてこの際捨てて、恋敵の阿部に知恵を借りる
「………翔太の、願望の具現化とか…?」
「願望の具現化?」
「翔太、色々…我慢してるみたいだから…。それが、表に出て来たんじゃないの?」
あんなにワガママで、自由気ままなショウタが
純粋で可愛い、翔太の願望のはず…
そこにまず先入観がある事に、今の宮舘は気づけない…
「一体…翔太の事を、何だと思って接してる?理想を押し付けるのはもうやめて…。ちゃんと、本当の翔太の事を…格好付けずに見てみたら?」
【本当の翔太】
今まで自分が見て来たのは、本当の翔太ではないという事か…
無邪気な天使の、俺の翔太
「………」
宮舘は難しい顔をして、ジッと壁を睨み続け
そこに偶然通りかかった、向井と佐久間に
「やばい…。舘様、キレかかってる…」
何故か怒っていると誤解されたが…
阿部も、あえてそれを訂正する事なく…視線を逸らして聞き流した
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