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タル「君に興味が湧いてきた…!」
放「は???」
何を言っているんだコイツは。やはり、僕の読みは甘くなかったようだ。僕の同僚はやっぱりおかしいということが。
タル「何か変なこと考えてないよね…?」
不安そうな顔をしながら奴は言う。なんでバレたんだ、エスパーか。
放「フッ、考えてるわけないだろう。お前ごときに時間を使うのがもったいない。 」
タル「わぁ…グッサリ刺さる事を言うんだねー…。」
放「これが僕だからね。何か文句でもあるのかい?」
僕は奴に笑顔を向けて言った。案の定、奴は困ったような顔をする。
タル「とりあえず着いてきてくれるかい…??」
放「は?嫌だね、お前のために着いていくなんか。」
タル「着いてきてくれたら嬉しいんだけどなぁ…」
この顔、他の奴にも向けてると思うと気持ち悪い。自分の顔が引き攣る。
タル「……さすがの俺も傷つくよ。」
放「勝手に傷ついていたらいいじゃないか。その顔の方がよっぽど似合ってるぞ。」
タル「ん〜???」
今のうちに逃げよう。全力疾走する。元素の力を使ってどこかの森に逃げる。
タル「あ、待t_」
放「フンッ。」
タル「ウグッ…。」
放「アハハハハハッ!!」
タル「…チッ、クソ逃げたな。」
奴が何かを言っていたが僕は構わず逃げ続ける。
数分も走った。がむしゃらに走ったような気がする。
放「はぁ……」
久しぶりにすごく走った。まさか奴に遭遇するとは思ってなかった。
放「さっさとクラクサナリデビの所に_」
ガシッと誰かに手を掴まれた。思わず、元素の力を使って後ずさった。
放「……は????」
???「はぁ…。君、逃げ足が早いんだね。」
放「何故お前がっ!!」
タル「着いてきてほしいからだよ…。」
放「は??他の奴と行けば問題は解決するだろう?? 」
何故僕がコイツと一緒にフォンテーヌまで着いて行かなければならないのだ。いや、違う。
放「もしやお前…。寂しいのか?」
タル「…そんなことは言ってないよ?」
放「アハハハハハッ!! 」
放「なんと!お前は子供だな。」
タル「はぁ…?!」
そうに違いない。いや、それしか思いつかなかったのだ。
放「お前はファデュイ執行官だというのに、誰かに着いて来ないと寂しいとは…。」
タル「俺はそんなに子供じゃない!!」
放「フンッ、まあいい。このまま、僕は住処に帰るよ。」
タル「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
放「……なんだ。」
タル「せめて明日、話でもしないかい?」
放「……するわけないだろう。僕は暇じゃないんだ。」
なんせ、今は教令院にいるのだ。そんな暇はない。
タル「はぁ…仕方ない。明日は来れないんだね?」
放「嗚呼、お前とはもう関わりたくないんだ。」
タル「…?もしかして、君と何処かで会ったことある?」
しまった。口が滑った。
放「……お前はファデュイ執行官だろ?だから、お前とはこれ以上関わりたくないんだ。」
タル「…なるほど。」
コイツ、あっさり納得した。さすがは戦闘狂だ。
放「…それじゃあ、僕は住処に帰るよ。それじゃあ、またどこかで。」
タル「…はぁ、わかったよ。もう夜だ、早く帰った方がいいよ。」
放「…僕は子供じゃない。」
歩きながら小さく呟いた。見上げると、綺麗な星空が輝いていた。こんな景色を見たのは久しぶりだった。
前の自分の心の中は黒く濁っていた。今は黒く濁ってもいなく、透明だ。何もないからだろう。だが、僕はそれで良かった。ファデュイにいた時よりも、のんびり過ごせているからだ。
放「………明日は何が起こるのだろうね。」
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第二話・終