廉side
次の日。
俺がクラスで友達と話していると、恋バナをしていたらしいある女子グループがとんでもない話をし出した。
「ねー〇〇ちゃんて知ってる?」
女子生徒A(以下A)がほかの二人の女子に聞く。
「あーなんか1組の岸くんのファンの子でしょ?」
女子生徒B(以下B)が知っていると言う。
どうやらその〇〇ちゃんって奴は俺の岸くんのファンで有名らしい。
「そうそう、その子さ、昨日告ったんだって!」
Aがトーンを少し上げて言う。
告んじゃねーよ!俺の岸さんやっ!!
「へーでどうだったの?」
女子生徒Cが興味がなさそうに言う。
めっちゃ棒読みやな。
するとAは俺にとってはとても驚くことを言った。
「もちろんフラれたよ。でも理由が『他に好きな人がいる』って。」「えー!マジィ!?」
Bが驚いて言う。
……
俺は考える。
岸さんに好きな人がおる…??
まあ、そりゃあそーやろな岸さんだって好きな人ぐらいおるよな。
そうやよ、だって男の子だもん。
いや、誰だってそうか。
好きな人ぐらい…
「廉?おーい」
友達に呼ばれていることに俺はぜんぜん気づかなかった。
ハッ。
「ああ。ごめん」
めっちゃぼーっとしてました。すいません。
「大丈夫?なんか最近しょっちゅうボーっとしてさ」
友達が心配そうに聞く。
だってぇ、岸さんが可愛いんだもん。
「ごめん、ごめん、ちょっと考え事しててん」
考え事っていうのはもちろん、岸さんのことやけどな。
「え、何!?まさか好きな人でもできた!?」
なんでそーゆーことになんねん!
「声がデカい!黙っとってて!」
周りに聞こえちゃうやろ!!
「え!?マジ!?ちょ、誰!?」
まあ、好きな人がいるっていうのは間違ってはいないけど!
「あー!うるさい!うるさい!」
当たり前だけどこの後女子の間では俺と岸さんの好きな人の話で盛り上がっていた。
女子ってこっわいわぁ。
休み時間。
朝の友達との件もあり、ぐったりしていた俺のところに海人からメールが来た。
秘密の話をしようの会!
海人『廉、やらかしたしょwwwwすごい広まりだね』
ホントそれやわ。
廉 『こんなにすぐ広まるなんて……」
紫耀『うわぁお!じょしの力は偉大!!』
女子ひらがな!!
そんなことより、
廉 『どうしよ(´・ω・`)岸さん、好きな人おるらしいねん』
こっちの方が重要やわ。
海人『え、そうなの!?』
廉 『なんか噂になっとるみたいやで』
海人『俺のクラスは岸くんの話まではしてなかったなぁ』
勇太『そういえば俺のクラスの女子も言ってた。岸くんの好きな人は誰かって。』
それ、それ。
廉 『うん…』
紫耀『岸くんなんて好きな人できたときのテンションすごいでしょ』
海人『凄いとはwwww』
紫耀『だから大丈夫だって』
そうなんかなぁ?
廉 『ほんまに??岸さん、勝手に彼女作ったりせん?』
心配やわ…
俺以外の奴といちゃいちゃなどっ!俺の岸さんやっ!!
勇太『乙女だな』
紫耀『それな』
乙女乙女って!!
海人『珍しく泣きそうな感じのメッセージ』
廉 『うっさいわ!!もうちょっと慰めてくれたってええやろ!』
勇太『あ、戻った』
いつもこうやわ!!
海人『大丈夫だよ、だって岸くんだもん』
廉 『どーゆーことやっ!!』
紫耀『そんなに気になるなら本人に聞けばいいじゃん』
廉 『えー』
確かに本人に直接聞けばええことやけど、聞くのがちょっと怖い。
本当にいたらどうしようって考えちゃうねん。
でも聞かなきゃ、始まらない気がする。
廉 『俺…ちょっと頑張ってみる……』
早速俺は岸さんにコチャでメールを送った。
岸優太(コチャ)
廉 『なー岸さん』
優太『どしたの?廉』
廉 『めっちゃ聞きにくいんやけど……』
優太『おん』
廉 『好きな人おるん…??』
優太『なっ…なんで!?』
やっぱおるんかな。
この反応。めっちゃ焦っとるやん。
廉 『噂になっとったから、どうなのかなって……』
優太『あー適当に誤魔化しで言ったやつかぁ』
へっ!?
廉 『誤魔化し??』
優太『好きな人いるって言った方がさ、逆に告白してくる人が減るんじゃないか説!!』
廉 『いや、多分その逆になるで!?』
良かった、誤魔化しなんだ。
安心した。
やっぱり、ちゃんと告白しようかな。
ずっとこうやってうじうじしてられへんもん!
廉 『岸さん』
優太『ん?』
廉 『5時ぐらいに近所の公園来れる??』
怖いけど、でも岸さんなら多分、関係が壊れたりしない気がするねん。
優太『うん!いいよ!』
よし、頑張って告白してみよう。当たって砕けろ、や!
優太side
焦ったぁぁ!まさかあんなメールが来るとは!!
でも急に公園に呼ぶとか、廉らしくないなぁ〜
まあ、可愛いからいっか!!
約束の夕方5時ごろ
俺は約束通り近所の公園に行った。
廉は先に着いていたようでベンチに座ってゲームをしていた。
「ごめん!待った??」
時間は過ぎていなかったけど、一応、謝っておく。
「きっさん!」
ぎゅーっ
「いっつも抱きついてくるよなぁ、廉は」
「きっさん、あのさ…」
「うん」
なんかドキドキする……
「俺……」
え、なになに!?
「きっさんのこと……」
え、俺!?俺のことが何!?
ぎゅうっ
え、ちょっと力強くなってない!?廉!?
「ずっと好きやってんっ!!」
えーと?
『ずっと好きやってん』…!?
えーと…でもどうせ…
「え、でも友情の方でしょ?」
絶対そうだよ、ジンが言ってた恋愛面じゃない。
でも廉は首をふるふると振った。
「え??」違うの…??
「こうしたら…わかる?」
すると廉は俺に顔を近づけ…
ちゅっ
!?!?
え!?
え、これって……キス……!?!?
廉を見ると見たことがないぐらい耳まで真っ赤にして茹でタコ状態になっていた。
え、可愛い♡
写真撮りたいわあ、でもそれは盗撮…
いけないいけない。
そんなことより。
廉がちゃんと自分の気持ちを言ってくれた。
じゃあ、俺もちゃんと言わなきゃね。
「あのさ、廉」
「嫌なら嫌ってゆーてっっ!!」
拗ねながら、そして照れながら言う。
めっちゃ可愛い♡
「嫌じゃないよ。俺も……廉のことが大好きだから。」
「え!でも…どうせ…」
もじもじしてる……
「違うよ、ちゃんと恋愛の方!!」
「きっさん……!!」
廉の顔がぱあっと明るくなる。
それを見ると俺も自然と顔が綻んだ。
「俺と…付き合って欲しい…な!」
途切れ途切れだけど、気持ちはすごく伝わった。
もちろん返事は、
「うん!いいよ♡」
「きっさぁん!!」
ぎゅーっ
廉、ちゃんと言ってくれてありがとうな。
廉side
ああああああああ
岸さんとキスなんかしてしもうたぁ…!!
今日はもう寝れへんかも……
あ、そうや、ちょっとメールメール…
岸優太(コチャ)
廉 『岸さん!あのさ、さっきの、あれー』
優太『あー気にしてないから大丈夫だよ!』
廉 『ほんまに?で、あのさー明日、岸さんの家、行ってもいい……??』
優太『いーよー!』
やった!岸さんの家いけるっ!
優太『初デートだっ♡』
ふふっ。
廉 『そうやな♡』
関係が壊れたりしなくてよかった。
岸さんが俺のこと好きでよかった。
大好きやで、岸さん。
その日の夜。学校の宿題をしているとジンからグループメールにメールが来た。
通知のバーを見ると
『おい!なんで報告も無しに告白…』
あー岸さんやらかしたなw
グループLINE
廉 『あー、もしかして岸さんゆーたん?』
優太『ごめん、言っちゃった(汗』
『だって相談した人にはちゃんと報告しないとさ』
廉 『まあ、そうやけどw』
勇太『で、ちゃんとキスはしたのか!?( *`ω´)』
いやいやいや、
廉 『聞きたいのそこなん!?Σ(゚д゚lll)』
優太『した(`・ω・´)b✨』
絵文字かわええな……じゃなくてっ!
廉 『ド真面目かよ!』
海人『皆様拍手👏👏』
廉 『ここには皆様って言えるぐらいの人はおらんよ??』
紫耀『なんか無駄に羨ましい』
廉 『え、羨ましいん!?Σ(゚д゚lll)』
海人『ラブラブカップルおめでとう🎉㊗️🥳』
廉 『話聞いとる??』
紫耀『いやーおめでたいわー』
廉 『いや、スルーせんで!!』
スルー力の高さよ。
勇太『いや、クソっ…告白現場にいたかった……(/ _ ; )』
廉 『おらん方がよかったわ!!』
サイテーやな!!
優太『ジンがいてもいなくてもキスはしたと思うよ??(。-∀-)ニヤリ』
ニヤリってなんや!?
廉 『うっさい!うっさい!された方だからって!』
勇太『見たかったぁぁ……(´・ω・`)ショボン』
廉 『そんなに見たかったん!?』
海人『ジン、ドンマイ』
紫耀『やーでもちょっと見たいよな〜』
勇太『しょおおおおおおお!!マイメーン!✨』
紫耀『マイメーン!』
仲良しやなほんまに。
海人『ていうかリアz……なんでもない』
廉 『おい』
バレバレだっつーの。
優太『あ、そっか!リア充デビューか!』
廉 『いや、リア充にデビューも何もないで??』
聞いたこともないわ!
海人『なんかやっと廉が元に戻った気がするよ〜!』
俺は元からこうですよっ!
勇太『昨日まで恋s…じゃなくて岸くんのことで悩んでたもんね」
おい、バレバレや。
優太『廉、乙女だったのかぁ♡』
廉 『そっ…それは…!!』
ホントマジで言わんといてくれ恥ずかしいっ!!
優太『いやーなんか照れる』
紫耀『え、なんで?岸くん廉と付き合えたことに照れてるの??』
アホかい!
廉 『多分そうじゃないと思うで』
俺と付き合えたことに照れ要素あるかい。
優太『廉が俺のこと好きだったのがなんか……』
『嬉しくって(〃ω〃)』
ほんっっとに
廉 『可愛いなぁ♡』
ホントそういうとこ大好き♡