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凛が部屋からいなくなった日。
俺は____
「…………は?」
凛につけていた鎖や、使った玩具達が
床に散乱しているのを見つめる
なんで居なくなったんだ!?
ズンズンと俺は家中を____
どこかに隠れてるだろう!?
探し回る____
ここか!?
シャッ
ここもいない!!
ガラッ
ここにもいない……
どこにもいない!?
「凛ッ…………!!なんでッ……どうして!!」
机を叩く。
パラパラパラパラ……
俺の個性で崩れて塵になってゆく。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!!」
頭、首、
を掻きむしりながら俺は叫んだ。
凛ッ……
凛ッ……凛……
ポタポタと掻きむしった場所から血が流れる
と同時に目から水が出てくる
「あ゛ぁ……これがそうか。」
そう、これが涙。
シャラ……
残った鎖を手に取り
今更になって、自分のしてきた事がどれほど罪か____
パラパラパラ……
思い知る。
「あ゛あ゛あ゛あ゛……!!!」
凛がいなくて悲しい、
苦しい。
辛い____
「凛ッ……ごめんね……ごめんね」
「ごめんね……ごめん……」
俺が馬鹿だったから……
俺が子供だったから凛を……
家にあるもの、
散らばってるものをほとんど投げつけたり
個性で壊してしまった。
崩壊してしまい跡形も残らない____
跡形も____
ふと、棚の上に置いてある凛との写真が目につく
凛と俺、2人、笑ってる写真____
好きだと言ったじゃないか。
ずっと一緒にいると言ったじゃないか。
この写真の中の凛は、
俺の横で笑ってる凛はそう言ってくれたのに……
嘘つき。
写真もまた、崩壊させてやろうと
手を伸ばす____
〝弔くん〟
ハッ
と我に返る。
凛が俺を呼ぶ声を思い出す____
手を下げ、
グッ
と拳を握りしめ、
俺は唇を噛みしめた____
「……血の味」
唇が切れたんだろう
でももうそんな事どうだっていい____
何時間経っただろう?
棚を背に腰かけ、俺はずっと無言で涙を流し続けていた。
どうして、凛は居なくなってしまったんだろう……
「凛がいないと……俺は生きる意味なんて……」
グッと自分の体に五指で触れる____
も
自分の体には反応しない個性に
「なんでなんだよ……!!!ッ
凛がいないと俺は……!!!!」
腹が立つ____
ドンっ
棚を叩くと
ガタンッ
と
2人の写真立てが落ち
パリーン
床に叩きつけられガラスが割れる____
「あ……あ……凛との写真が……」
慌てて取ろうと手を伸ばすと____
五指で触れてしまい
パラパラパラパラ……
「あッ……あ……!!あぁあああ凛っ!!あああああああああ」
俺と凛の写真は跡形もなく消えてしまった
そう、
跡形もなく____
「凛がどこにもいない………………」
どこにも居なくなった。
もう、
どこにもいない____
_________
いつまでこうしていただろう____
食欲も何もかももうない
もう何もかもどうでもいい
凛はもういないし。
ああ、そうだ
凛はもういないんだ!
てゆーかさ、
正直あの個性は世界に凛だけじゃないんじゃない?
別にこれから探せばいいし。
凛の事なんて早く忘れて_____
ほら、
跡形ももうないじゃないか。
もう、どうだっていいじゃないか。____