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朝鮮戦争・改

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朝鮮戦争・改

第16話 - 第16話

314

2024年09月12日

#歴史

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伊琉夏

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伊琉夏

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その男、かつてローマの影の特使として知られたスパルタクスは、東方での任務を遂行するために姿を変え、日本に潜入していた。彼が選んだ偽りの名は「三輪」――貴族の血を引くとされる、由緒ある家系に属する者として偽装されていた。

三輪の正体

三輪は、優雅な立ち居振る舞いと知恵深い言動で、周囲から信頼を得ることに成功した。彼は宮廷にも出入りするようになり、軍略に関する重要な会話の場にも呼ばれるようになっていった。

「三輪殿、貴殿の知識には驚かされるばかりだ。明制圧においても、貴殿の進言が大いに役立っておる」

軍師たちが感謝の言葉を述べるたび、三輪は頭を下げながらも、ローマのために手にした情報の価値を計り続けていた。

「いえ、私はただのしがない助言者に過ぎませぬ。しかし、国のためならば、何なりとお力添えいたします」

その口調は、すっかり日本の武士のようであったが、彼の心は冷静で、すべての言動が計算されていた。ローマのために、彼は倭と明の戦局を見守り、時にはその流れを操作することさえあったのだ。

影での任務

三輪がローマのスパイであることを知る者は、日本では誰一人としていなかった。しかし、彼の背後ではローマ帝国の陰謀が静かに進行していた。

彼の使命は、日本と明が衝突する中で、ローマに有利な形で世界の均衡が保たれるよう、両者の戦力や内情を探ることだった。そして、三輪が得た情報は、密かに西へと送られ、ローマの元老院で分析されていた。

策略家としての三輪

三輪はただ情報を集めるだけではなく、日本の戦局を自ら操作し始めていた。彼は自らがローマのスパイであることを隠しつつ、様々な戦略的進言を行い、徐々に日本軍の動きに影響を与えていた。

「明を叩くならば、南方を押さえるのがよろしいかと。彼らの物資供給を断つことで、持久戦に持ち込むのが肝要かと存じます」

この進言が、日本軍の次の動きを決定付けるものとなり、戦局はまた一段と激化していった。明の補給路が断たれ、戦況は倭に有利に進んでいく。三輪の影響は目に見える形で現れ始めていた。

暗躍の末路

だが、三輪の動きが次第に周囲の注意を引くようになり、彼の正体を疑う者も現れ始めた。とくに、日本の一部の軍師たちは、彼の突然の登場とその知識の深さに不審を抱き始めていた。

「三輪殿の知恵は的確すぎる…。もしや、背後に何かがあるのでは？」

その疑念はじわじわと広がり、三輪の存在に対する監視が強化されていくこととなった。しかし、彼の本当の正体を知る者はまだ誰もいなかった。ローマのスパイとして、彼は次第に追い詰められながらも、なおも任務を遂行し続ける。