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ジフンの作業室
〇〇 「ごめんなさい…」
ジフン 「謝ることじゃないよ」
ジフン 「よく我慢してたな」
ジフンさんは笑いながら頭を撫でてきた。
ジフン 「俺もう練習に戻るけど…」
〇〇 「はい…」
ジフン 「ん?寂しいの?ㅎㅎ」
〇〇 「からかわないでくださいよㅎ」
ジフン 「ごめんごめんㅎ」
ジフン 「なんかあったら連絡して」
〇〇 「はい、ありがとうございます…」
練習室
汗をかいたメンバーたちが
振付の確認をしている真っ最中。
大きな鏡に映るのは、集中した顔ばかり。
ジフン 「ごめん遅れた」
ヒョンソク 「遅いぞ」
ジフン 「ごめんごめん」
朝光 「…〇〇、大丈夫なん?」
その瞬間、場の空気が静まった。
ハルト 「なんか、さっきから顔白いなとは思ってたんよ。あれ、熱やったん?」
ジフン 「うん。気づかんふりして頑張ってたけど限界だったと思う」
ドヨン 「誰にも言わなかったってこと?」
ジョンウ 「 “大丈夫” って笑いながら動いてるけど、実はギリギリみたいな…前にもあった」
ジェヒョク 「なんか、わかるな。〇〇って、 “しんどい” って言えない子でしょ」
ジョンファン 「…泣いてたりしないかな 」
メインマネ 「みんな落ち着いて」
メインマネ 「この練習が終わったらお前らは今日のスケジュール終わりだから〇〇とこに行って」
メインマネ 「〇〇を心配する気持ちも分かるけど、今は練習に集中しろ」
トレ 「はい…」
練習が終わった。
朝光 「ちょ俺先行ってる」
ジフン 「俺らも準備終わったらすぐ行く」
作業室
ガチャ🚪
朝光 (寝てる…)
〇〇はソファに小さく うずくまって眠っていた。
額にはうっすら汗。顔色もまだよくない。
朝光 「…〇〇」
いつも落ち着いている彼の声が、
少しだけ揺れていた。
寝ている〇〇にそっと近づくと、
隣にしゃがみ込む。
朝光 「…なんで、ここまで頑張ってまうんやろな」
ソファに手を置いて、
〇〇の額に手のひらを当てる。
まだ熱い。
朝光 「〇〇、まだ高校生やで…」
優しく〇〇の頭を撫でた。
サラッとした髪の感触に、
ふと昔の記憶がよみがえる。
家族になったばかりの頃
ぎこちなく話す〇〇が、
事務所で俺を見て小さく笑ったあの日。
朝光 「…がんばり屋さんやからな、昔から」
その指が触れた瞬間。
〇〇 「…さひにぃ?」
朝光 「起こしてもうたか。ごめんな」
ノックの音がして、ドアがゆっくり開いた。
ジフン 「お、起きたか」
ハルト 「おー、さっきよりはマシな顔しとるやん。よかったわ」
ジョンファン 「寝癖ついてるけどかわいい」
ジェヒョク 「〇〇…?」
〇〇は、少しぼーっとした顔のまま、
みんなの顔を見て
〇〇 「…ほんとに、すみません」
〇〇は涙目になりながら言った。
ジフン 「まだ言うか、それㅎ」
その後、ゆっくりと立ち上がる〇〇
フラつく身体を、朝光が自然に支える。
朝光 「宿、戻ろか。ちょっとでも横になった方がええ」
〇〇 「でも、まだ打ち合わせあるし…」
ハルト 「お前ばかか?その体で無理やろ」
朝光 「メインマネが大丈夫って言ってたから安心しな」
〇〇 「…はい」
ヨシ 「大丈夫そう?歩ける?」
ハルト 「最悪、おんぶしたるけど?」
ジョンファン 「いや、俺がするし」
朝光 「いやいや、おれが兄やねん。譲らんで」
〇〇は、小さく笑った。
あたたかい手が、自分の背中を
そっと支えてくれているのが、
うれしかった 。
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