車内
朝光 「〇〇お粥たべれる?」
〇〇 「ちょっとなら…」
朝光 「帰ったら作るからちょっと待っててな」
ヒョンソク 「俺つくるから朝光は〇〇のそばにいてあげて」
朝光 「ヒョン…ありがとう」
ハルト 「コンビニでなんか買ってくるわ」
ヨシ 「じゃあ俺も行くわ」
ハルト 「ジョンウも来い」
ジョンウ 「はーい」
朝光 「〇〇の部屋いくで」
朝光は〇〇をお姫様抱っこをしながら部屋に行った。
部屋のドアを開けるとそこには、
〇〇の「毎日」が詰まっていた。
朝光「……」
ベッドの横にある机の上には、
開きっぱなしの教科書とノート。
開いてるノートには1ページまるまる使って書かれた計算。
その隣には赤ペン、マーカー、くしゃくしゃになった練習プリント。
そして
壁一面にびっしりと貼られた、付箋。
「負けない」
「早起きして英単語30個」
「pleasure:喜び、楽しみ」
「외국:外国」
「大丈夫」
「スケジュール整理」
「心配かけない」
「絶対、全部両立する」
朝光は、〇〇をベッドにそっと寝かせたあと、
言葉もなく壁を見つめた。
自分よりも小さな体で、
こんなに毎日、何と戦ってたんやろう。
そっと、ある1枚のメモを指で触れる。
「今日もお疲れ様。 冷蔵庫にケーキあるで。
倒れたら意味無いよ、〇〇。 by あさひ」
でも、そのメモの下には、小さく
手書きで「ごめん」って書き足されていた。
朝光 「…バカやな。謝るなよ。お前、めっちゃ頑張ってるやんか」
こっそり涙をぬぐう朝光
料理班
ヒョンソク 「お粥に入れる卵はとろとろに仕上げてな。やりすぎたらダメやで」
ドヨン 「火、ちょっと弱めるね」
ジョンファン 「は~い!体にやさしいおかゆ、もうすぐ完成します~!」
ジュンギュ 「僕、手出さん方がいいよね?」
ヒョンソク 「うん、それがいいㅎ」
コンビニ班
ハルト 「ゼリーと、ヨーグルトと、あとビタミンのやつも買ったな」
ヨシ 「なんか多くない?てか、お前それ自分の分ちゃう?」
ジョンウ 「いや、これは全部〇〇のためやから」
ハルト 「俺が買うもんは全部優しさでできとるからな」
ヨシ 「はいはい、はよ戻るで」
〇〇の部屋
朝光は冷えピタを替え、
水を用意し、
静かに〇〇の額に手を当てる。
朝光 「〇〇、ほんまによう頑張ってるな。何も言わんでもわかってるつもりやったけど、まだ全然見えてへんかったわ」
メモの前に立ったまま、
もう一度だけ深く息を吐いた。
朝光 「兄ちゃんとして、もっと頼ってええんやで」
その声にベッドの上で、かすかにまぶたが動く。
〇〇 「…さひにぃ?」
朝光 「起こしてもうたか。水、飲めそう?」
〇〇 「…うん」
〇〇は、少しだけ起き上がって、
朝光が差し出したコップを受け取る。
〇〇 「机……見た?」
朝光 「見た。めっちゃ、努力してんのな。びっくりしたわ」
〇〇 「隠してたのに…」
朝光 「全部、わかったらええわけやない。見えへん努力があんねんもんな。でも、倒れるほどは、あかん」
〇〇 「…はい」
そのとき、トントンとドアをノックする音。
ジフン 「スープ完成しました~!優しい味になってるから安心してくださ~い!」
ジョンファン 「配膳係が運びま~す!」
ハルトの声「ゼリーとヨーグルトもあるで!」
朝光 「…にぎやかな看病やなㅎ」
〇〇 「ほんまに、優しい人ばっかりやねㅎ」
朝光 「せやろ。そやからもう、1人で頑張らんでええねんで」
〇〇は、こくんと小さくうなずいた。
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コメント
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全話見て泣いちゃいました😭😭😭😭もしよければ続き描いて欲しいです!