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side wki
「お疲れさまでした!」
拍手が響いて、現場の空気がふっとゆるむ。
ライトが落ちて、カメラが止まって、
俺はマイクを外しながら、小さく息をついた。
……今日は、涼ちゃんと二人の収録だったから、かなり緊張していた。
…..よかった。無事に終わった。
隣を見ると、涼ちゃんがスタッフに丁寧に頭を下げてるのが見える。
昔から変わらない。控えめだけど、ちゃんと周りを見てる。
「若井。今日、このあと時間ある?」
「……打ち上げ?」
「うん。共演者たち、けっこう行くみたいでさ。こんな機会ないし。一杯だけでも」
俺は、一瞬、スマホを見た。
通知は……なし。画面は静かなまま。
元貴は今日、別の仕事が入ってるって言ってた。
きっとまだバタバタしてる。連絡がないのも、もう慣れてる。
「……うん、行くよ」
言った瞬間、少しだけ胸がチクリとした。
本当は、早く帰った方がいいのかもしれない。
でも、連絡がないことに、俺から気にしてますって示すのも、怖かった。
元貴の重荷になりたくない。
タイミングが悪くて、邪魔だなんて、思われたくない。
俺は、だから敢えて、連絡もしないし、帰るとも言わなかった。
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コメント
3件
はぅ 、 すきです 、 ちょうぶんかけなぃんですけど、、 すみません、
わぁぁぁぁまってました!!!!! 大森さんのことを気にしつつも、忙しそうな大森さんの重荷になりたくない、という思いから連絡をしなかった若井さん…… もうこの時点で大好きすぎます……連絡をしなかった若井さんがどうなっちゃうのか…次回が楽しみすぎます~~~!!!
待ってました。本当に最高です…泣 続き楽しみにしてます〜!