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「落ち着いた?」
「ごめんなさい。」
「、、、桃乃さんって、意外と普通、、、っていうか、、、」
「ぇ?」
「ぁえと、、、よく周りが鉄の男って、、、」
「ぁ~、、、わざとそう振る舞ってるだけだよ。」
「ぇ、どういうこと?」
「、、、なんでもない。」
読めない人だな、、、。
「、、、また明日ね。」
「ぁうん、、、」
逃げるように去る君
「これ。」
次の日放課後、徹夜して頑張って仮で作ってみた作詞を見せた。
「一応作ったけど、渡してくれた本にあったお題に沿ってるから、、、」
「、、、ごめん、メッセージに送ってくれると助かる、、、」
「ぇ?」
丁寧に書いたから字が汚いとか見えにくいとかはないと思うんだけど。
「ぁ、、、えっと、、、」
「、、、緑川くんは、どんなこと聞いても、作詞書くの辞めるとか、言いふらしたりしない?」
別にそんなキャラでもないのでしないが、、、
「しないよ。」
「俺ね、、、ディスレクシアって言って、」
「文字を読み取ることが困難で、、、」
「ぇ、」
そんなふうには見えなかった。
「生まれつきだから、、、」
「きっと治らないし。」
そういうことなら俺も別に深く聞く意味もないし、それに合わせて対応するのが、当然だろう。
「今送った。」
そう言うとスマホを開いて音声付きで聞く。
きれいな桃色の瞳を伏せ、聞く。
「、、、つまらなかった?」
終わった頃にそう聞くと、
「ぇ?」
と唖然とした顔で聞いてくるので
「いや、目閉じてたから、」
「ぁ、ごめん」
「俺さ、集中するとき目閉じる癖あって。」
「じゃああの、職員室のときは、、、?」
「ぁ~ぁれ?あれも詩がすごかったから純粋に聞いていたかったからだよ。」
「、、、そう、なんだ。」
「俺ね、読むのは下手だし、書くのもできない」
「でも耳で聞いたことは覚えてるから。」
「、、、授業どうするの?」
「俺のことちゃんと理解してくれてる先生はスマホで音声入力をせてもらってる。」
「でも、理解してくれてない先生は頑張るしかなくて、、、っ」
大変なんだな、、、。
「、、、もしかして、人を避けてるのはそのせい?」
「ッ!」
ビンゴらしい、、、
「昔それで色々言われて面倒だったんだ、、、」
「、、、テストも、わかんないんじゃ?」
「聞いたことは覚えれるから、先生の言葉でわかるんだけどね、」
「テスト問題を読むので苦戦しちゃって、、、」
大変だろうな、、、
俺からすれば文字が読めないことはない。
だからこそ、想像がつかない。
「ぁ、作詞、よかったよ。」
「後で曲送るから、それ聞いて作詞考えてみてほしい」
「うん、わかった。」
「いつまでに完成させなきゃいけない?」
「練習もするから、、、出来れば今週中には作詞したものと音源を合わせれればって思ってる 」
「うん、わかった。」
「じゃ、また明日ね。」
いつしか、部室棟に集まるのが普通になって。
知らない桃乃さんをしれて、
部活仲間みたいで楽しいんだ。