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#不定期
れな ♪
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柚華-유화@受験生低浮上
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主は後輩の事を何も分からなかった。知りたいとも思わなかったが、今は違う。もっと知りたいと思ったのだった。
「…△△君のご両親ってどんな人だったの?」
「一言で言うとクズですね。…場所変えましょうか?そろそろお昼ですし、お肉でも食べませんか?良い所知ってるんです。」
ボスキはお肉に惹かれ、後輩の車に意気揚々と乗り込んだ。食料品も買っていたので、1度部屋に戻りお昼ご飯を食べに行った。
そこは大衆向けではないものの値段はそこまで高くはなく雰囲気の良い所だった。
「△△君って色んなお店知ってるよね?前に私の事誘ってくれた時もそうだったし…」
主は3人が話を聞かず、主の隣を巡って争っていたのを見て呆れて溜め息をつくとアモンを隣に来させた。
そして、ボスキは主の目の前に座りその横に後輩が座る事になった。 ちょうど個室なので、後輩の話も聞きやすそうだな、と思っていた。
注文も終わらせ、食べ始めた頃─
「ねぇ?…もう話せるかな?」
アモンとボスキはそう言えば!といった感じでご飯を掻き込む手を止めた。
「…そうですね。俺の両親の事ですよね。俺の父はIT系の社長だったんです。会社はそんなに大きい訳ではないですよ?本当…細々とやってた感じでした。
父は元々自作PCとかカスタム出来る人で、ガジェット系の知識は豊富だったので俺も気付いたら詳しくなってたんです。 」
ボスキは前に後輩と少しだけその話をした事を思い出した。ここまで聞いてたら仲良さそうな親子と思うだろうが、問題はここからだった。
「父の会社が倒産したんです。そこから地獄でしたね…それまで通りの生活は出来ないのに母は散財し続けました。
その借金と会社の借金で首が回らなくなって父は首を吊ったんです。そんな事したって返せる訳ないのに…
母は毎日違う男性を家に連れ込んでは性に溺れて、見るに耐えない行動ばかりでした。俺は奨学金を借りて医学部に行って必死に勉強してました。
バイトもして借金の返済に全て当てて…毎日、俺は母から精神的暴力も振るわれてその時何のために生きてるのか分からなくなってたんです。 」
後輩は水を飲み、何口かご飯を食べるとまた話し出した。
「俺が◯◯さんと初めて会ったのはポリクリの時なんです。」
アモンがご飯を食べている手を止め、主に質問した。
「ポリクリってなんすか?」
「学生の時に行う臨床実習の事だよ。1年かけて各診療科を回って現場を学ぶの。患者さんへの問診とかカルテを見たりして患者さんの状態や治療方針について発表したりするよ!
それ以外にも色々あるんだけど、私も勉強とレポート並行してやるの大変だったなぁ〜」
後輩は主の説明が終わるとまた続きを話し始めた。
「ポリクリの時はもう、メンタルがかなりやられてていっその事居なくなろうとしてた時だったんです…」
『どうしたの?そんな顔してたら折角の格好良い顔が台無しだよ?君…今、休憩中ならこっちに来て!』
そう言って主は自販機で缶コーヒーを買い白衣のポケットから飴を取り出し、缶コーヒーと飴を後輩に渡した。
『…何か辛い事でもあった?今、学生だよね?辛い事があったらここにおいで。なるべく私もここに来るようにするから。
私の名前これだよ。◯◯っていうの。
いつか…一緒にお仕事出来ると良いね♪』
「へ〜…いつの◯◯も優しいんだな。…それにしても美味いな。あ、これやるよ。」
そう言ってボスキは野菜を後輩のお皿の上に置いた。それを見た主は、後輩のお皿から野菜を取り、ボスキに食べさせようと口を開けさせた。
「…◯◯さんからあ~んされたら食べるしかないっすね♪」
アモンはそれを見ながらニヤニヤと笑っていて、 ボスキは仕方なく主からの野菜を食べたのだった。
後輩は若干、呆れながら再び話し始めた。
「俺はそれからまた◯◯さんに会いたくてポリクリも勉強も頑張りましたよ。いつか◯◯さんと一緒にお仕事出来る日を夢見て…
何度か辛くなって約束の場所に通ってましたけど、その度に◯◯さんは居てくれていて心の支えになってたんです。
◯◯さんだって忙しいはずなのに、きっと時間が空けば来てくれてたんですよね?その節は本当にありがとうございました。
それから6年になって国試も受かって無事に卒業して研修医になった時、母に殺されかけたんです。」
「…え?」
主とアモンとボスキは食べる手が止まり、一気に視線が後輩の方に集まった。
「男に捨てられて狂乱し包丁を持った母が帰ってきた俺の事を刺そうとしてたんですよ。
研修医なら給料が出るからお金は全部渡せとか言ってきて聞かなかったんですけど、借金の返済もまだだったからお金は一切渡してなかったんです。
それに対しても怒ってたようで、そんな母を見ていたら惨めだな、って、可哀想だな、って思っていたら母にお腹刺されたんです。
その時になんて言ったと思います…?『あんたなんか産まなきゃ良かった。』って言われたんです。」
その場に居た主とアモンとボスキはご飯を食べる手が止まり、息をするのも一瞬忘れる程だった。
「その後、母は家から飛び出して行ったんですけど近所の人が母の狂乱した時の声を聞いていたようで警察に通報してくれていて、母は捕まり俺は病院に運ばれたんです。
母は病気もあって刑期を終える前に獄中●しました。俺は兄弟も居なかったのでそれからは、1人でアパート借りて今までやってきましたね。」
主は初めて後輩の過去を知って今まで苦しい過去を1人で背負いながら生きてきたんだと思うと胸が張り裂けそうになっていた。
主は後輩の側に行き、ギュッと抱き締めた。
「…今までたくさん頑張ったんだね。△△君が生きててくれて良かった。あの時に私と出会ってくれてありがとう… 産まれて来てくれてありがとう。」
後輩は主の言葉で胸につかえてたしこりが少しだけ取れたような感覚になり、涙が溢れてきた。母親から言われた言葉がずっとしこりとして心に消えない傷痕を残してきたが、ほんの少しだが救われたように感じた。
声を抑えながら後輩は泣きじゃくり、主は後輩の背中を擦りながらずっと「大丈夫だよ」と言って慰めていた。
†††
「…すみません。泣くつもりはなかったんですけど、◯◯さんの優しさに触れてもっともっと◯◯さんの事が好きになっちゃいました。
今日は俺に出させて下さい!話を聞いてくれたお礼ですから気にしないで下さい。」
主は借金の事を知った手前、お金を出させるのはと思ったのだが─
「借金なら返済しましたよ?学生の時にお世話になったお客さんが太客で、今はもう連絡はないんですけど俺が研修医の時も個人的に交流があったんです。
その人に一括で借金返してあげるって言われてなんか流れるように勝手に手続きされちゃったんです。」
主は後輩がしていたバイトが気になってしまい、どんなバイトをしていたのかを聞いてみた。
「ホストです。でもそれは学生のうちだけですし、ポリクリもあって辞めたんです。あ、枕営業はしてませんよ!」
後輩はお手洗いに行ってくると行って会計を済ませたりと、とてもスマートにお店の予約から会計までをやってのけた。
†††
主は運転する後輩を見て、過去に色々あるのは自分だけではないと思った。
「どしたんですか?俺の事見てるの分かってますよ?…沢山泣いたのでもう大丈夫です。もう、ちゃんと前に向ける気がするんです。」
主はアモンに惹かれた時の事を思い出した。
自身もアモンの言葉で前に向ける気がしたからこそ、後輩の心の傷を少しでも癒す事が出来た事が嬉しかった。
「私もね、似たような経験があるの。アモンの言葉に私は救われたの。アモンのおかげで私はちゃんと前に向ける気がしたの。
だからどうしても1番はアモンなんだよ。初めての人って印象的に残っちゃうし、元々アモンの事が気になってたから余計にね。」
アモンは後部座席で恥ずかしさからなのか口元に手をやり、顔を外に向けて顔を隠していた。
その様子を後輩はミラー越しでしっかりと見ていたし、 ボスキはお腹いっぱいになったのかスヤスヤと寝ていた。
†††
主の部屋に着き、後輩の事をもっと癒してあげたいと思い地下の執事達を連れて来て素敵な演奏をしてあげて欲しいと思った。
マンションのゲストルームをすぐに予約をして 指輪を着けて地下の執事達を連れてくると、地下の執事達は後輩に挨拶をしてくれた。
「話はルカスから聞いているよ。君が主様の後輩かい?私はミヤジ。ミヤジ・オルディアだよ。」
「は、初めまして…えっ…と、フルーレ・ガルシア…です。」
「クフフ…フルーレ。声がだんだんか細くなっていましたよ…?私はラト・バッカといいます。弟は人見知りなのです。」
ラトがそう言うと、フルーレは弟じゃないだろ!?といつもの言い合いをしていた。ミヤジがその場を収め、持ってきてくれた楽器を3人は構えた。
ミヤジの目配せによって、3人の素敵な演奏が部屋を包み込んだ。とても優しくて、繊細な音色にその場に居たアモンとボスキと主と後輩はうっとりと聴き惚れて居た。
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3人の演奏が終わると、まだまだ聴いていたい気持ちにもなったが素敵な演奏をしてくれた3人に拍手をした。
「とても素敵な演奏だったよ♪」
「クフフ…それは良かったです。ミヤジ先生、もう一度演奏して頂けますか?主様と1曲踊りたくなりました。」
ラトがそう言うと、主の手を取って踊り出した。ミヤジはそれを見て再び演奏しだした。
それを見た後輩は、羨ましさもあったがその姿がとても美しく主とラトに魅入ってしまっていた。
†††
その日はミヤジがご飯を作ってくれた。辛そうだったが、意外と食べやすく、美味しかった。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです!片付けやりますよ!…これが終わったら俺はそろそろ帰りますね。◯◯さん、今日はありがとうございました。」
主は引き止めようとしたが、もう自身の部屋に留めておく必要がなくなったのだから後輩のしたいようにするべきだとも思っていた。 後輩が洗い物を終え、身支度をしていたところにボスキが声を掛けた。
「おい!…どこに帰るって?◯◯の事ちゃんと見てから言えよ。」
後輩はボスキに言われ、主の方を見てみるとさっきまで楽しそうにしていた顔に曇りがかっていた。
「あ…えっと、俺…」
しどろもどろになりながら、どうすれば良いのか分からずに居るとアモンは痺れを切らし後輩を主の方へ突き飛ばした。
「わっ!何するんですか!?すみません、◯◯さんぶつかっちゃって…大丈夫ですか?」
主はぶつかって来た後輩をギュッと抱き締めた。
「…此処に居るのは嫌?」
後輩は抱き締めながら上目遣いで見てくる主を見て、心に矢が刺さったような感覚におそわれ胸が高鳴った。
(どうしよ…可愛い過ぎる…)
コメント
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ついに後輩の過去が明かされて、読みながら胸が締め付けられました。特に母親に「産まなきゃ良かった」と言われた場面は、同じ言葉をずっと心に残して生きてきたんだなと思うと切なくて。それでも主が「産まれて来てくれてありがとう」と抱きしめたシーンが本当に温かくて、少し救われた気持ちになりました。執事たちの演奏シーンも美しくて、この世界観にまた引き込まれました。