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__孤児院兼国戦用魔術兵器育成機関。
通称、学校。
その一角にある保健室で、とある少女が死を迎えようとしていた。
窓際のベッドに横たわる少女。彼女の身体のあちこちには傷があり、真っ白な顔は正気を失っていた。
彼女の名前はトツキ・ミーナ。14歳にして、この学校の主要戦力である。
「ミーナ!」
「ミーナ…」
必死に声をかける2人の少女。ミーナの双子の姉、トツキ・シーナと、親友のカガリ・ミミ。
「……ッ」
その声に応えることができず、ただ顔を歪めるだけのミーナ。シーナは痛みが少しでも和らげば、と治癒魔法をかけ続けているのだが、効いている気配はない。
「死なないで、ミーナ……ねぇミーナ……」
悲しそうな顔で懇願するミミ。
「セイランみたいになっちゃやだよ……」
リジィ・セイラン。
薄れる意識の中、ミーナは彼女を頭に浮かべる。ミーナとミミの目の前で消えてしまった、親友のセイラン。セイランの彼女であるアリの、悲しそうな顔も浮かんだ。あんな悲しい思いは絶対にさせたくない。だけど、自分はもう助からない。痛みと苦しみで、ミーナの目に涙が溜まった。ミーナは口を動かす。
「ごめんね……」
本当は続けて言いたかったことがあったのだが、ミーナにそれを言う力は残っていない。意識が遠のいていき、目を閉じる。目に溜まった涙が頬を伝った。
「うわぁぁぁぁぁあああ!!」
「……..ミーナ…!」
泣き叫ぶミミの声と咽び泣くシーナの声。それを聞きながら、ミーナは消えていった。
真っ黒に塗り潰された世界。
ミーナはその世界の中、ただ佇んでいた。
自分はどうしてこんなところにいるのだろう。私は死んだのではないのか。様々な疑問が頭に浮かんだが、考えるのはやめにした。歩いていくと、一筋の光が見えた。その光は暖かく、そして誰かの声も聞こえてくる。
「……メル」
「………エ……ル…」
もしかして、私はまだ死んでなくて、ただ気絶しただけなのではないか__そんな淡い期待を抱きながら、ミーナはその光に向かって歩いた。光の目の前に来たところで手を伸ばす。ゆびさきが光に触れた瞬間、辺りが白い光に包まれ、一気に視界が晴れてきた。
「エメル!」
「エメル……ッ!」
目を開けた瞬間、ミーナの目飛び込んできたのは泣きそうに顔を歪めている2人の男女。16、17歳くらいだろうか。女の方がミーナの顔に触れ、そのまま抱きついてきた。
「エメルの意識が戻って良かった…ッ…!」
ミーナは困惑した。
この人達誰。エメルって誰。それにここ、学校じゃない……
この状況はなんなんだろう。
目を開けると知らない名前で呼ばれ、とても嬉しそうで、安心したような顔で抱きつかれた。誰かと間違えているのかと思ったが、星野エメルとは私の名前のようだ。点滴の針が刺さり、包帯でぐるぐる巻きの手に貼ってある紙に書いてあった。
本名は星野愛芽羅流叶。本名が長いので、皆はエメルって呼んでいる。そのことが、ようやく生まれ変わりの現実を受け入れ始めた頃に分かった。
病室にいた男女の名前は星野アクア、星野ルビー。エメルの兄と姉で、2人共なかなかの名前のキラキラ具合だ。
トツキ・ミーナ 14-04
14歳。
魔力値が高く、国の主戦力である。
西地区第2ポイント周辺への襲撃の際致命傷を負い、死亡。
星野愛芽羅流叶(星野エメル)
17歳。
ミーナの転生先。交通事故という名の自殺未遂により、意識がない状態が続いていた。本物のエメルの魂はどこへ行ったのかは不明。
コメント
1件
またまた新連載すみません! まぁ新連載しろっててらるれで出たので…… あとは曲パロをいつかします!参加型の方も進めるのでご安心を☺️にゃん