テラーノベル
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「はい、用意しておきます。いってらっしゃい」
「宗人、上着は?もう千愛ちゃんはジャンパー着てるわよ?」
みんなはここへ誘いに立ち寄った形で、まだ家に上がらないで外で待っている。
近くの神社へ初詣に行ったあと、全員がここに来るのだ。
「パパ、二階に上着あるわよ。昨日ハンガーに掛けたから」
私がハンガーに掛けたから分からなかったかと思って、部屋を覗くと
「俺、ママとあとでゆっくり初詣に行くから、留守番する」
夫は座ったまま、お義母さんと私、それから千愛に言った。
「そんなこと、これまで一度も言わなかったでしょ?家族の行事よ?」
「ママも家族だから、あとでいい。千愛、さっき渡したお賽銭、落とさないようにな」
「うん。パパ、ママ、いってきまーす」
「「いってらっしゃい」」
千愛がすごく嬉しそうなのは、パパが“千愛、千愛、千愛……”とついて行かないで、みんなと行けるよな?と、信頼してお賽銭を渡して見送ってくれたからだと思う。
「一緒に行かなくてよかったの?私は……家族って言ってもらってうれしかったけど」
夫と二人になった部屋でそう言うと
「これも、まあ…今まで自分が何してたんだっていうことだけど。昨日から、母さんの言い方とか、いろいろとママに悪いなって」
と返ってくる。
「なかなか子どもに恵まれなかったから……うちだけ子どものいない時期の帰省は、もっと厳しかったけどね。お義母さんの言葉だけでなくって、赤ちゃんの世話をしないといけないことがあったりしたから」
夫は頷くだけで何も言わなかった。
子どもはまだか……というのは、夫にも辛い言葉だったと思う。
「食べ終わったら、千愛は子ども同士で遊び続けるから俺たちの出番はなし。お茶やお菓子なんてママがやらなくても、みんな自分でやればいいから、あとで出掛けよう」
「うん、ありがとう。お雑煮、作ってくるね」
コメント
1件
パパ〜(´༎ຶД༎ຶ`) 変わってくれてる…それも言葉にして風子さんに気持ちを伝えてる…😭 きっと風子さんも変わってきてるからよね✨