テラーノベル
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「エディ、私、御者の人のお手伝いをしてくるわ」
「おい待てミア! 勝手なことをするな!俺はもう我慢の限界だ!こんな、死にそうな目にあったのも、全部全部お前のせいだミア!」
「え…?」
何を言っているの?言われた意味を理解することができない
「今、俺は死ぬかと思った……走馬灯が見えたよ。そして、俺は、セレナ、君のいない人生なんて考えられないと思った。死ぬ前に後悔したくない!ミア!お前との婚約は破棄だ!」
「エディ──」
「気安く俺の名前を呼ぶな!平民が!お前は今、俺たちを殺す所だったんだ!疫病神が!とっとと失せろ!」
「は⁉︎エ」
「二度と俺の前に姿を見せるな!お前にくれてやる金もない!とっとと失せろ!」
あまりにも意味不明な暴言を吐かれて、頭が真っ白になった。
放心状態で佇む私を、容赦なくエディは突き飛ばす。
「痛い!」
エディを思わず睨むと、手を振り上げるのが見えた。殴られると怖くなって、その場から急いで逃げ出した。
走って走って、気がついたら涙が溢れていた。それでもひたすら走り続けた。
こんな姿を見せたらおかみさんも心配するから、どこかで時間を潰そうとお店に入ったことまでは覚えている。
日も暮れていたので、開いていたお店は酒屋だと思う。
誰かに話を聞いてほしくて、酔った勢いで愚痴って、そのままベッドインしてしまうなんて……。
しかも、お互い名乗ってないのに、家を特定されるなんて予想外だった。
「ミア?また考えごとですね?わかりました。ミアに私だけを見てもらえるようにもっ努力しますから。どうか、何が不安なのか教えてください、ね?」
「ちょ、エリオット様!」
どうやって脱がされたのか分からないが、いつの間にか衣服がベッドの下に落とされていた。
「ミアは隙だらけですね、どうか、暴れないで、もしも身分のことを気にしているのなら問題ありません。伝手があるので、 養子になればよいのです。もっとも、私は気にしませんけど。
大丈夫です、心配しなくても最後まではしません。」
エリオット様は私のお腹に優しく手を当てる。
「あぁ、かわいいミア」
放れようと身悶えると、逃すまいとエリオット様も縋ってくる。
私の視線に気づいたエリオット様は、微笑む。
「もの欲しそうな顔をしてますねミア?でも、今は我慢してくださいね、大丈夫、気持ちよくなってください」
「エリオット様…」
頭がふわふわとしていて何も考えられない。
エリオット様にされるがまま、身を任せていた。
「ミア、愛しています。結婚しましょう」
こんな風に迫ってくるなんて、エリオット様はずるい。
本当に身分など何も考えなくていいのなら━━。
「は…い……」
自分の気持ちに正直に答えてしまっていた。
抱きしめられてエリオット様の心音が聞こえる。あまりにも心地良くて、安心する。
ウトウトといつの間にか眠ってしまっていた。
そうして私は、
エリオット様の妻になった。
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