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「~~~♪…」
無常にも、今この部屋に響くのは僕の鼻歌だけ。
数日前はあんなに騒がしかったのに。
『元貴!』
『元貴。』
今は一人。
目を閉じてまた開けばそこにいたはずの二人がいない。
そんなことを繰り返してまた苦しくなる。
ねぇ、こんな思いがするなら
最初から僕一人だけで生きていけばよかったのかな。
…そんなはずない。
ちょっと前までは当たり前のようにあったあの日々は、幸せなものだった。
でも、 あの幸せは一生戻らない、そう思うと苦しくて仕方ない…。
窓に目をやると外はまだ真っ暗。
信じられなかった。
まだ朝日さえ昇っていないなんて。
ただただ永い夜の暗闇が、
この部屋を思い出と一緒に閉じ込め、孤立させていく。
この家にいれば、またふたりと会える気が少しだけする。
突然、僕の前から消えてしまった2人と。
事の発端は数日前だった_。