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「して、なんで最近できたショッピングモールに来たのですか?」
「決まってるだろ、バトルスポットを巡るからだ。」
「僕戦姫大戦は好きだけどプレイヤーとしては嫌だって話さなかった?」
「私が闘争を求めるんだ、”保護”してくれたのなら”責任”もって接してくれるんだよな?」
「………くそ、言った言葉は取り消せねぇや」
「とはいえ、まずは私の衣類を整えてもらわないと困る。戦姫ショップに直ぐに駆け込むぞ。」
「はいはい……」
戦姫については知識がからっきしなため、本人の意思を尊重して僕はただ着いていく。まるで金魚のフンみたいに
「よし着いたここだ!」
「戦姫ショップねぇ……」
「ちなみに戦姫ショップだが、戦姫アプリのランクに応じて装備を売ってくれるんだが、私らは残念ながら最低ランクのFスタートなので、ろくな装備は無い。その分安いから私にあった装備を模索しながら買ってくれて構わないぞ!」
「僕の財布飛ぶんだけど………」
「大会に出れば余裕で稼げるし、大会じゃなくてもランクに応じたアリーナをこなしていけば気づいたら溜まってるもんだ。」
「初期費用はどうにもならんのか……」
「最初だけリアルマネーで買ってくれ。さっきの話の通りアリーナとか、大会に勝てば戦姫ショップで使える通貨【戦姫コイン】がガッツリ出るからな」
「Fランクの癖して服とか2000なんぼするんだけど……」
「戦姫コインだと、【7000コイン】で買えるぞ。」
「それが高いかどうかは知らないよ僕。」
「まぁ、アリーナ5連勝分だな」
「勝ち続ければ儲かるのね」
「その為にもスタートダッシュは大事だ!」
「仕方ない…やるだけやってやるか」
「おっと待ちな兄ちゃん」
「?」
やけにガタイのいいエプロンのようなものを着用した男性スタッフが話しかけてきた。
「あんた初心者だな?」
「ま、まぁ……」
「なら、うちのやってるキャンペーン受け取ってくれよ!」
「な、何くれるんです?」
「うちの商品の一つをプレゼントとしてあげるのと、戦姫コインを1万枚プレゼント。それだけじゃなく、【電晶石】を1000個プレゼントしてるんだ。」
「ほんとに初心者応援パックみたいなのくれるんだ。」
「石とコインに関してはお前さんの戦姫アプリのIDを教えてくれたら贈るぜ。」
「んじゃはいコレです。」
「未来のチャンプのIDよ!しっかりと見ておくようにね」
「ダッハッハッハッ!!随分と豪語するじゃねぇか兄ちゃんの戦姫はよぉ!」
「僕も困るくらいには豪語してくれますよほんと……」
その後初心者応援パックを受け取り、武具を感覚で選んだあと、装着してもらいそのお店を後にする。ちなみにガタイのいいあの人は店長で、仲良くなった記念に連絡先を半強制的に交換させられた。
「で、装備それで良かったの?」
「Fランクの装備なんてこんなもんよ」
カナに与えた装備は
頭部:ライトギア 耳から後頭部までを守るヘッドギア
身体:バトルスーツ 重装甲を身にまとい、他の攻撃を受け付けない。代わりに移動速度は犠牲にした。
腰部:ライトブースター 小回りが効く扱いやすいリア装備
脚部:ハードレッグ 防御に重きを置いた兵装
右腕部:アサルトライフル 基本兵装のひとつ。火力、弾速、誘導性共にそれほど高くないが取り回しがいい。
左腕部:ライトシールド 重量がそれほどない分スピードに影響はそれほど及ばさないが耐久には難がある
サブウェポン:ビームサーベル、ハンドガン、アームガード
【ビームサーベル】 基本兵装のひとつ。それほど高くない出力だが、その分取り回しはラク。
【ハンドガン】 基本兵装のひとつ。火力は無いが、リロード速度、弾速はそこそこ早い。なお、射程はそれほど長くは無い
【アームガード】 腕部までをプレートが覆いダメージを抑えてくれる。なお、それなりに重量はある
どっちつかずな性能になってしまったのは否めないが、総合戦闘能力というものは高くなるのでいたし方ない兵装になった。
「私の戦闘スタイルは基本近接だが、これでは速さが足りないな。」
「総合戦闘能力を上げるには仕方ないんだ。諦めてくれ。」
「ま、この兵装でも勝つのが私よ。」
「なら、バトルスポットで試しておいで」
「NPCなんて相手にならないぞ?」
「慢心は身を滅ぼすんじゃない?てか、ボコられるのは勘弁よ?僕の心もやられるから」
「バカ言いなさい。私はやられないわよ」
そんな会話をしながらバトルスポットにたどり着き、四角形のフィールドにカナを下ろすとアナウンスが流れ戦闘が開始された。
「相手はバトルアーミーか……。兵装も購入時に付属してる装備で固められてる。相手じゃないな。」
カウントダウンが始まり、ゼロになると共にお互い行動を開始する。
【戦姫大戦】のルールは至極単純で、相手のライフをゼロにするかタイムアップ時のライフの割合で勝敗を決める。時間は120秒、たったの2分だがその【2分】で人々を魅了するバトルが起きるのが戦姫大戦なのだ。
戦略もいくつも存在し代表的なのだとパワーとスピードの近接でねじ伏せる者や、遠距離攻撃の装備を揃えてひたすら引き撃ちして判定勝ちを狙うもの。その人の個性が出るのも戦姫大戦の魅力で、観客もバトルしている戦姫プレイヤーですらハラハラドキドキするというまさにエンターテインメントに振った競技なのだ。
この戦姫大戦に持ち主は何も手出しはできない。出来るのは自分の戦姫が勝つことを祈るのみ。戦姫の強さを決めるのは装備のレアリティや熟練度。戦姫自体のAIの改良や、スキル調整。これらは試合前にプレイヤーが整えてあげるのだ。これがプレイヤーに出来る最大限のアシスト。あとは試合をする戦姫に任せるしかない。この方式のおかげで、大半のプレイヤーは戦姫に愛着が湧き、勝つという目標の為にあれこれ思考する。それが経済を回すことに繋がるということになる。
「私のテスト相手になれる事を喜ぶといいわよバトルアーミー!」