光の家

🌷ティアの目覚めと朝食　いつの間にか眠ってしまったティアが目を覚ますと、ミリアが部屋に来て様子を見てくれていました。「起きた？おはようございます、眠れた？ティア」ミリアはティアの身体抑制を外してくれました。「はい、おはようございます、昨日は夜遅くに騒ぎを起こして申し訳ありませんでした」昔は行動で引き出した心の力で楽しいことがたくさん起きたのに。ティアの行動は、大人になって変わってしまったのです。「反省はしているのね、それならもうしないで」ミリアの言葉に黙ってうつむくティア。大人になってからのティアの行動は荒れたものとなってしまい、身体抑制がやむを得ない処置になっています。幻聴を抑える薬も飲んでいますが、完全に取り去ることができないのです。「もうすぐ朝食よ」ミリアが言いました。

　「朝食の時間ですよ」職員のルラが朝食を運んで来ました。「ありがとうございます」ティアはお礼を言いました。「ティアさんは残さず食べてくれるから作りがいがあります」ルラはそう言ってくれました。そして、テーブルに朝食を置き、「それでは失礼致します」と言って部屋を出て行きました。「わたしもそろそろ失礼するわ」ミリアもそう言うと部屋を出ました。

　ティアは椅子に座り、オムレツ、サラダ、パン、オレンジジュースの朝食を食べ始めました。精神障がい者施設へ来てからは食べることが楽しみになっていました。