文スト腐注意!!!!太中です!!!!今日は太宰すんの誕生日ですね!!全く関係ないです!
キャラ崩壊(特に敦くん)、映画の監督(中也)と俳優(太宰)パロ。本人は何一つ映画の作り方やその他もろもろを
理解していません。本当に申し訳ないです。何故か監督が(中也が)台本を書いています。完全に妄想でできています。大事なことなので2回言います。太中です。誤字脱字しかありません。山なし落ちなし。つまり意味のわからない話。太宰すんと中也が映画大好きです。
サァーっとペンが紙をなぞる音がする。次々に文字が頭によぎってきて、どれもいい言葉で手が止まらない。俺は今、映画の台本を作っているのだ。
中原中也、22歳。訳あって新人監督を命じられた俺は早速、3ヶ月後に完成する映画を作っていた。映画が大好きな俺は夢のような成り行きで此処に来て監督をやらせてもらっている。絶対にいい作品にすることは間違いない。
ガチャ。ドアが開く音。彼奴が帰ってきた音だ。書いていた台本を止め、玄関へ向かうと案の定、そこには俺の相棒で、嫌いで、恋人の太宰がいた。
「おかえり」
「ただいま」
一言の会話にはそれ以上の言葉と感情が詰まっている。玄関を後にしてテーブルにつけば既に俺が作っていた肉じゃがを食べ始める。
「相変わらず中也の料理は美味しいねぇ」
「そりゃよかった」
なんてやり取りをしている内に皿は空っぽになり、腹を満たした。食器を片付け、太宰が座っていたソファの近くに座ると、ふと太宰が思い出したかのように言う。
「そういえば、前の映画に出演したあの女性、超可愛かったな。」
「あっそ」
「いや本当に。私好み過ぎて一瞬落とそうかなと思ったよ」
「…そ」
俺は立ち上がって寝室に行こうとした。
「あれ、もう寝るの?」
「明日は打ち合わせと、今度の映画の予定を入れたり決めたりするから早く寝る。手前も成る可く早く寝ろよ」
「はーい」
そう言って俺は寝室へ、足早に行った。
嘘。早く寝てなんて、思っていないのに。今は此処に来ないでほしい。
「一瞬落とそうかなと思ったよ」
なんて言葉は俺の心臓をキツく縛るかのように苦しくさせてくる。俺と太宰は恋人。恋人だが、特別愛情を注ぎ注がれる関係でもなかった。
(忘れよう…)
そんなこと考えても仕方がない。今日はもう寝ることにした。
次の日、早速家を出て事務所に向かえば、いつも通り、映画作りの仲間がいた。
「あ、中也さん。おはようございます」
一番最初に気づいたのは、最近新しく入ってきた芥川だった。愛想がないように見えるが、確り仕事をこなす良い後輩だ。芥川が声をかけたことにより他の奴らも俺に気がついて挨拶をしてくる。皆此処に目的があって来て、それに届くために此処にいると思うと、胸がクツクツするなぁ。予定より仲間が早く着いたことにより少し早めに打ち合わせ、撮る場所、予定。全ての話し合いが始まった。
約2時間の話し合いはいい方向に進み、順調に終わった。
「中也さん。やつがれはこの後用事があるので上がらせて頂きます」
「おう、お疲れ」
短い返事で返せば、ペコリと頭を下げて部屋を後にした。
「あ、あの中也さん!実はカメラで人の魅せ方についての話をしたくって…でも僕この後用事があるので…今夜中也さん家に行ってもいいですか?」
所々弱々しく言う彼奴は、新人カメラマンを任された─中島敦だった。
「嗚呼、いいぜ」
「ありがとうございます!!」
そう言いながら敦は走ってこの場を去った。俺は腕を伸ばして、今日の話し合いのメモをひと通り目に通し、使用しているパソコンに移して事務所を後にした。時刻は13時過ぎで、特にこの後の予定もないからスーパーに行って今日の夕飯の材料を買うことにした。が、それは大きな間違いの選択だった。
歩いている途中、見た事のある顔が目に付いた。それは紛れもなく太宰だった。だがもう1人そこにはいた。この前の映画に出演していた女性。髪の毛はストレートで、肩を出したワンピースに、白いシンプルなポーチ。俺は気づいたらスーパーと反対方向へ、何処に行くかも判らず走っていた。
どれくらい走っただろうか。辺りは時間の所為で暗くなったというより、路上裏だから暗いという感じで、今の俺にはちょうど良かった。
(…潮時かぁ)
考えてみれば可笑しかったんだ。それは全て充分すぎるくらい。幼馴染で腐れ縁で、映画が好きということだけが一致しているだけの関係だったのに、気がつけば目で追っていてこの気持ちを自覚した時には口から「好きだ」の一言。当たって砕けての覚悟くらい勢いのある告白は素っ気なく「いいよ」と返されただけだ。恋人らしいことはしない。俺は監督、彼奴は俳優、ただただ世間には『新人監督と一流俳優』という相棒的な関係だと思われている程似合わないのだろう。太宰は謎なところで変な優しさを見せる。きっとあの時も態と受け入れて、何時しかネタバレを明かそうとしていたんだろう。映画で言う中盤辺りだ。
映画で路上の薄暗さに似合うなら煙草。その雰囲気を醸し出すためにポケットからシガレットを取り出した。今作っている俺の映画のシーンに使えそうだったから。カメラがなければフィルムは作れない。だから頭で連想させるしかない。それは今の俺にとっての台本作りと──────────別れ話を切り出すための鍵だった。
家に帰れば誰も居なかった。それで良かった。窓の外は作業用の机に置いてあった夏みかんと重なる色だった。1つ、手に取ってじっくり観察した。綺麗だな。ガチャり。ドアが開く音。俺は心臓をドクドクと鳴らす。
「ただいま〜」
「…おかえり。太宰、手前に話したいことがある」
「なぁに?」
思っていたより切り出す前の言葉はあっさりでた。映画で言えば終盤に近づく場面だ。俺が太宰を手招きすれば大人しく着いてくる。太宰をテーブルの前に座らせ、俺は反対側に座った。
「どうしたの、そんな今から別れ話でも切り出そうとするような顔をして」
「その通りだ」
若干食い気味な感じで答える。嗚呼、本当に映画みたいだ。恋人が別れを切り出し、男は呆然とする。そんな映画の展開には大体2パターンあって、多分太宰はその内の1パターンを答えるだろう。
「え?何…別れるって?本気で言ってるの」
「勿論だ。…手前は最初から御遊び感覚で付き合ってたんだろ?」
「は?何言ってるの。そんなわけないじゃない…私はずっと…」
「いいんだ。…だからこれからは世間で見られている『新人監督と一流俳優』って本当にそんな関係で居ようぜ。」
「だから…!」
「手前には好きだとか、一緒に居たいとか、そんな思いはなかっ…」
「そんな訳、ないでしょ」
グイッと腕が引っ張られ、太宰の顔がとても近かった。
「…君にそんな思いをさせてしまって、私は本当に大莫迦者だ」
俺の頬には水滴が伝っていて、その水は暖かい。思いも寄らない3パターン目の展開だ。これ、映画に使えそうだなぁ。撮っとけばよかった。
「その様子じゃきっと、”この感じ、映画に使えそう”とか思っているでしょ。いいよ、私がどういう気持ちか判らせてあげる」
強引に口を重ねられる。啄むようなキスは苦しくて甘いアントニムで、太宰のやり放題だった。
「君が別れたい理由は私には判らない、恋人失格だ」
ドクッとくる。今の太宰は本音と演技が混ざっているような感じで、これをなんというか、皆に魅せたい程最高だった。
「だざ…」
「ねぇ、ちゃんと聞かせて」
数秒間の沈黙。先に口を開くのは俺だった。
「て、手前が、他の女と、一緒にいて、ニコニコしていたからだろ…!」
「へ?」
「しかも、仮にも恋人の前で「一瞬落とそうかなと思ったよ」だって…どれだけ苦しかったか!!!」
「ちょっと中也!」
「俺だけ手前を好きでいるのはどれ程辛いかわかったンだ!!”幸せを望むより、失う絶望に期待した方がずっと楽だ”!」
「中也!」
その途端、全身が包まれる感覚。フワフワしている彼奴の髪が俺の肩にかかる。太宰が俺の肩に顔を埋めているのだ。
「何を勘違いしているか判らないけど、私は中也以外に恋しようなんて思っていない!あの時、中也が告白してくれた時、心臓がはち切れるほど嬉しかったよ。でも、本気で告白に返事する時って、予想以上に素っ気なくなる事を知ったんだ。ねぇ、確かに私は「一瞬落とそうかなと思ったよ」って言った。でもそれはあの女性の”メイク”についての話。リップが綺麗で、色を落としてもらい、実際の口とどれ程違う色なのか知りたくてね」
「は…?」
「その女性と一緒に歩いていたとか言ってたけど、それは普段どんなリップを使っているのか知りたかったから一緒にそのリップが売っている場所に行くためについて行っていたのだよ」
「え…?」
「でも勘違いさせたなら謝る。ごめ…」
「そっか…よかったぁ」
全ての力が抜けて、頬張っていた顔も一気に緩やかにした。
「誤解が解けたのなら嬉しいよ。でも、私はすごい焦ったよ。」
「太宰…?ご、ごめ」
「私は謝って欲しいんじゃぁない。どれ程私が愛しているのか、そしてこの瞬間まで映画に使えそうと考える余裕を判らせてあげたいのさ」
「ちょ、だざ!」
「まだまだ話せるなら、今から起きる事も映画に使えそうと考えてみれば?その思考が何時まで続くか試してみようよ」
机の上から香る夏みかんのほんのりとした甘さと酸っぱさが、まるで俺たちの関係を煽るような匂いだった。
「…カメラを回して撮っていた僕、優秀すぎるでしょ…」
どうも不法侵入者敦です。今夜家に行かせてもらう約束をしてもらったので家に着き、なんかドア空いていたから入ってみればびっくり。修羅場でした。でもこれは映画に使える気がして慌てて持っていたカメラを回せば最初から最後まで完璧で最高な映像が撮れました。その後の展開も撮ろうとしましたが流石にバレる気がしたので今日はこの辺で。後日事務所に持っていて皆さんに見せようと思います!
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敦ナイスゥー