『 久しぶり 』
彼に 会ったのは 、 幼稚園以来でした 。
5歳の頃から 変わらない 幼い顔立ち 、
聴くだけで 涼しくなるような 翔 という字
どんな場所でも 一瞬にして 青春と思えるような
そんな彼が 、 俺の会社へ やってきました
どうやら 、 彼は 俺が 幼なじみだとは わからなかったようなので 俺から 話しかけてみることにしました 。
すると 彼はすぐに 気付いて 、 俺を 抱きしめてくれました 。
嬉しかった 。
また 彼と 過ごした青春が 戻ったような 気がして
また 彼に 、 恋してしまうような気がして 。
その帰りは 、 彼と 一緒に ラーメンを 食べに行きました 。
「 俺の奢り 」 というと 、 すぐに また抱きつきました 。
コイツ こんなに抱きつくやつだったかなーー と思いつつも 、
2人で ラーメン屋へ 向かいました 。
行列の出来る ラーメン屋だったので 、 待ってる間は 昔話で 盛り上がりました 。
俺が 予定日通りに生まれていたら 、 俺らは 出会わなかったこと 。
そして 産まれた病院 、 幼稚園が 一緒だったこと 。
相変わらず 俺らの名前って 双子みたいだねと 思ったこと 。
初恋の子が 、 双子の子だったこと 。
そんなこと 話してたら 、 あっという間に 順番になって 、 2人して 豚骨ラーメンを 頼みました
もちろん 相談したんじゃありません 。
たまたま 食べたいものが同じでした 。
ラーメンが来る間は 、 今の話をしました
俺は 料理が 得意になって 、 ロイヤルというキャラで 定着したこと
彼は 美容に興味を持って 、 ヒアルロン酸 ? というものを 入れたんだとか 。
料理は 全然できなくて 、 よく 天然5歳児と 言われているらしいです 。
まあ 彼は昔から 天然だったのもあって 、 言われるのは 当たり前だな 、 って思いました 。
そうして 楽しく話してるうちに 、 ラーメンが 届きました 。
彼が美味しそうに 麺を頬張る姿は 、 とても 可愛らしく 、 成長を 感じました 。
まるで 、 俺が お母さんになったみたいに 。
食べ終わった後は 、 居酒屋にいき 、 2人で ビールを 乾杯しました
自分は お酒が強かったけれど 、 どうやら 彼は弱いらしく 、 10分もしないうちに 酔っていきました
彼のお酒に酔った姿も 可愛らしく 、 気付いたら 胸元が 開きすぎていて 、
その時の俺はたぶん 、 直さずに ただ顔を赤らめながら 見つめていたと思います 。
自分も 十分に 飲んだ頃 、 会計をして 、 彼を背負いながら 家まで送っていきました 。
酔って 呂律が回らない彼の声が 耳元で 囁かれながら 、 俺は 昔の話をしました 。
小学生の頃 、 彼に 会いたすぎて 堪らなかったこと 、 それを 高校卒業するまで ずっと引きずっていたこと 。
そのせいで 、 12年間 彼を好きだったこと 。
恋愛対象が 男になってしまったこと 。
たぶん 、 彼の酔いが覚めれば 、 この話は 忘れる 。 でも 本人に想いは伝えれた 、 と思い とても 嬉しかった 。
でも 、 彼は 酔いが覚めつつあり 、 真剣にその話を 聞いてくれました 。
すると 、 彼は言いました 。
「 俺もすきだった 」
と 。
最初は 、 聞き間違いかな 、 と思いました 。
でも 、 彼は 俺と同じで 、 小学生の頃から ずっと 再会を夢見ていて 、
気付いたら 俺の事を 意識していた 、 と 素直に 話してくれました 。
彼の家に着いて 、 彼を背中から降ろし 、 帰ろうとした途端 、 彼に 呼び止められました 。
何かあるのかと 、 振り返ると 、 彼は 顔を近付けて 離れませんでした 。
そして彼は 、 こう聞いてきました 。
「 両思いの人はキスするのか 」「 両思いの人はカップルになれるのか 」「 両思いの人はもっと一緒にいれるのか 」
自分も 付き合ったことがないので 、 返事に困って 眉を 潜めていると 、
唇を 重ねて 、 抱きついてきました 。
初めての 唇で感じる 人間の温もり
異常な程動く 、 自分の鼓動 。
何もかもが 、 気持ちよくて 、 最高でした 。
正直 、 彼と 別れたくなかったけど 、 でも 前とは違う 。 明日も会社で会える 。
そう思えれば 、 今日の夜も 寂しくありません
「 また明日ね、翔太 」
そう言って 、 俺は 彼の家を去りました 。
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