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E p i s o d e .1 「おぞましい何か。」
はぁはぁ。と息を切らし乍、「何か。」に怯え逃げていた。
そもそもこんなふうになったのもちゃんとした経緯がある。
私は幼い頃から騎士に猛烈な憧れを抱いていた。その影響もあって幼い頃からお父様に剣術を習いたい!とすがんでいた。
私のお父様は押しに弱い。だからあっさりとは行かなかったけど了承してくれた。お母様は不器用だけど根は優しいから「好きにしなさい。」と言ってくれた。あれが俗に言うツンデレだと私は思う。
剣術を習い始めたのは8歳で、約10年間剣術を習っている。流石に10年もやればそこら辺の騎士よりも全然私の方が勝っているレベルにまで到達した。
騎士。と言うのは国を守る存在。具体的に言ったら魔物からこの国を守る。この世界には瘴気という物が存在する。それと同時に魔力というものも存在する。瘴気が一定の濃度を超えるとその場所から魔物が出てくる歪みが形成される。魔力は魔物に対して対抗する唯一の手段であって神からの授け物とも言われている。魔物にはランクがありE、D、C、B、A、S細かく言うとE-、E、E+、D-、D、D+、C-、C、C+、B-、B、B+、A-、A、A+、S-、S、S+。が現時点で確認されているランクだ。
魔力とは、魔法を扱う力だ。月、火、水、木、金、土、日 と。7つの属性が存在し、そこから派生し氷属性なども存在している。ちなみに、1人で使える属性は限られており多くても3属性までだ。
魔物の対処に関して、私はE-からSまで単騎での対処が可能だ。ちなみにSランクと言うのは-、+限らず単騎で対処するのはほぼ不可能と言われている。
ちなみに私は魔法は使えない。魔力は王宮の魔術師レベルだそうだが無属性なのだ。普通魔力が多い程使える属性が増えるのだけれど。私は例外だったらしい。
そんな私はいつものように剣術を習う場所へ行った。そこへ来たのは師では無く。魔物。と思われるなにかだった。
最初は師が私に課した練習だと思っていたが瞬時に違うということが分かった。”この国”の魔物は便利なことに瞳の色でランクがわかる。E-はほぼ透明な白、Eは少しグレーがかった白、E+は完全な白。D-は薄い茶色、Dは茶色、D+は焦げ茶色、C-は水色、Cは少し薄い青、C+は群青色B-は黄緑、Bは緑、B+は深緑色、A-は、撫子色、Aは赤、A+は臙脂色、S-は薄紫、Sは紫色、S+は濃紫。
練習だと思っていた私は瞳の色に颯爽と目をやる。
見た瞬間私は。悪寒に襲われた。瞳の色が。黒色だったのだ。先程も説明した通り大まかに分けると白、茶色、青、緑、赤、紫しか存在しない。
つまりあれは。確認されてない。S+ランク以上の魔物か。
それとも魔物は違う未知数の何か。なのか、
と思考を巡らせ乍、とりあえず逃げる事にした。
ここで戦うのも1つの手だったかと思うが魔物がいる。ということは「歪み」が形成されたということだ。「歪み」を変に刺激すると、魔物が出てきてしまうかもしれない。それに相手はとにかく未知数なのだ。これに関しては逃げた方がいいだろう。
魔術道具を設置し、転移魔法を発動して逃げようと思ったが。魔法がつかえない。恐らく結界か何かだ。嵌められたという仮説が頭に浮かんだ。しかし、この状況で私が此処に来るとわかってなんの警戒もなく来る。ということを知り得ているのはお母様とお父様、そして師しか居ない。けどお母様とお父様は今はるか遠くの領地の視察に行っていて魔法を使っても無理だろう。
ということは。師しか嵌めるのは難しい。師が私を嵌めた、?
そんなはずがない。師は。__
バサッ
考えを巡らせている中。未知数の何か。が羽と思われるものを広げた。そして何か。銃口?みたいな物をこちらに向けて。初めてだった。あ、これ。「死ぬ」と思ったのは、
そんなことを思ったからだろう。足が動かなくなった。魔物と思われる未知数の何かはすかさず私に狙いを定めて。銃口と思われるところからミサイルのような物を発射した。私は覚悟した。ミサイルのようなものが来るのを、けど最初に目を開けたのは天国でも地獄でもない 。
ヴぁァァァァァァァァァァ___
というおぞましい声が耳に入った。目を開けてみると先程まで私を狙っていた羽は壊れ、首がもげていた。
「大丈夫かい?お嬢さん、」